なにげに迎えた
彼とのデートの日曜日の朝。






昨日までの気持ちより
朝になると、さらに高鳴っていた。







ふたりのデートは初めてではないのに、

日曜は、お互いに

会う前からなぜかドキドキしていた。

まるで初めてのデートの時みたいに。

会う直前まで、メールラッシュが続いた。



あたしが



もうすぐ着くからね!

って最後のメールを送り、




彼から

そんなに慌てなくてもいいからね!
ゆっくりおいで。


彼からの返信も読むまもなく、

いつもの待ち合わせのカフェへ急いだ。



いつもの奥の席であたしが来るのを

本を読みながら待っててくれた。






今までにも見たことのない優しい笑顔で

迎えてくれた。



早朝から二人は、
話が絶えることなく、
ランチタイムが来るまで
互いの近況を話し合った。


彼の方は、

大分、仕事の方は落ち着いてきたみたい。

心に余裕が出てきたから、

だからあたしに逢いたくなったんだな。







ていうか。



長崎に帰ること、

いつ話そう。。。。


何度も話すタイミングを見計らっていたけど、

やっぱり、

やっぱり、話せなかった。




お昼は、カウンターでお寿司食べてから




ふたりでホテルでゆっくりとした

時間を過ごした。


夢みたいな時間はすぐに過ぎてしまうもので。



ふたりでお風呂に入ってるときに、

長崎に帰ること、話すつもりだったけど、

やっぱ

言えなかったーーーー。






すると

彼は、

同棲中の人との今後について
あたしが
なにも聞かないのに、
話始めた。






そろそろ彼女の一人立ちの時期が来たと。

彼女とは、結婚するつもりもないし、

ゆくゆくは、出ていってもらう話は

ずっと前からしているわけで、

彼女が一人で

ちゃんと生きていけるくらいの

資金もずっと援助してあげていたけど、

ようやくその資金も相当な金額になったので、

あとは、出ていくタイミング次第だと。






俺は俺で自分の足場を

しっかり固めて生きていかなければ

ならないから。

今までは、

彼女の独立のため、

収入のほとんどを彼女へ援助していたから

彼の手元には、財産がないに等しい現在。





彼女が一人立ちしてから、

ようやく彼自身が、彼自身のための

人生設計をしていかなければならず。




あたしの価値観とはそこが

違うところ。






そして、

彼は、

結婚もしない相手をずっと

支えている余裕はないと、いう。




それは納得。てか、当たり前。

どこまで人がいいんだ、この方は。。。






こんな俺の状況を分かってくれる

女性としか付き合えないし、

ていうか、俺は、るびとしか付き合えない。

こんな俺と付き合ってくれている

るびには心から感謝している。





みたいなことを

いってたけど、

根底には、

おそらく、




あたしとも一緒にはなれないと

言いたかったんだと思う。






こんな俺には、
るびはもったいない。


るびには、俺のことで迷惑は
絶対に掛けられない。


俺のことで苦労させたくない。

俺は俺らしく
人様に迷惑かけることなく
ひとり散っていくから。
なんとも俺らしいね(笑




って。寂しく笑みを浮かべながら言う。




なんか、ズルいよね。






なんか泣きたくなるから
そんなこと、言わないで。





それは、

るびはるびでちゃんと幸せになれよと。

そう言いたかったんだろうか。




ずっと一緒にいたかった。

彼のことはホントにホントに大好きだけど、

結婚となると非現実的すぎる。






だけど、離れたくない。ほんとはね。

だったら

籍はいれなくていいから、

ずっと一緒にいたい。

ホントの気持ちはね。




でも、あたしは

長崎に帰ることを決めたのだ。

こうでもしないと、

彼からはあたしは離れきれない。

ちゃんと、ケジメをつけるのだ。




もし。

なんの障害もなかったら、

絶対にとっくに彼とは結婚していた。

それは彼もそう思っている。


 


そんな気持ちが二人にあるだけでも

幸せ。なのかもしれない。

泣きたくなるけど、幸せなのかもしれない。





帰りに、

いつも二人で立ち寄るビストロにいった。






また近々会うことになるだろうけど、

その時に長崎に帰ること

いわなくては。






彼といる時間だけは、

このまま、彼と離れたくないから

都会で過ごしててもいいかなって

頭をよぎるけど、

ちゃんと将来のこと

考えなければならないね。





しばし、悩む。



RUBY★