理佐side
目覚ましが鳴る前、なんとなく目が覚める。
結局、昨日は派手にしてしまった……。腰が痛い。
少し目を開けると隣にいたはずの彼がいなく、少し起き上がり部屋を見渡すと、バスローブ姿で壁に寄りかかり朝日を眺めながら歯磨きをしていた。
寝癖が立ち、ぼーっとしている様子の彼に無性に抱きつきたくなってそっと近づき、後ろから抱きしめる。
小林「っ、びっくりした…。おはようございます」
渡邉「ねぇ、敬語…。」
小林「ダメです。節度ってもんがあります。てか、先生服着て
ください。変な気起きるんで」
渡邉「…はーい。」
昨日の夜とは似ても似つかない塩っぷりに、「つまんないの」と思う。それから服やら下着やらを持ってお風呂に入る。
昨日、繋がっちゃったんだよね、私。洗面台の大きな鏡に写る裸の自分を見て思う。
ふと、首元を見てみると赤くなった部分が2箇所。そこを指でそっと触れて嬉しくなる。必死に自制していた小林くんが、我慢できなくて付けたのだろう。
小林くんのものになった気分だ。それからにやけ顔をしてお風呂の扉を開けた。
ー30分後ー
渡邉「あ、ちょっとおいで由依。」
小林「っ、だから!その呼び方しちゃダメですってホント!」
渡邉「いいじゃん。2人っきりだよ?」
そう言ってソファーの肘掛けに彼を腰掛けさせ、寝癖を直してやる。
渡邉「ちゃんと直したの?」
小林「……、さっきやったし…」
渡邉「ふふ、下手くそ。後ろとか全然できてないよ(笑)」
小林「っ!うっせ!自分でやる!」
私からクシを奪って洗面所に行ってしまった。
ちょっと揶揄いすぎたかな…
少し怒ったような歩き方をする小林くんをみて思う。
渡邉「私は後で向かうから先、部屋でなさい。見つかるとまず
いでしょ?」
小林「はい。…じゃあ後で」
ガチャン…
扉の閉まる音が響く部屋に1人取り残される。まるで、シンデレラの約束の時間が切れてしまったかのように現実に戻された気がした。
……まだ、一緒に部屋を出ていい関係じゃない。そう、間接的に感じたから。
ーロビーー
朝ご飯の時間になり、階段を降りていくと友香にあった。
菅井「おはよう!」
渡邉「おはよ…」
菅井「……昨日はかなりな盛り上がりようだったみたいで?」
渡邉「っ!別にそんなんじゃないしっ!///」
菅井「ふふ、理佐の左手が物語ってるよ」
そう言われて左手を見てみると腰を摩っている。はぁ、もう
あんなに激しくやるんじゃなかった。
渡邉「っ!///」
菅井「ふふふ、大丈夫?キツかったらちゃんと言うんだよ?」
渡邉「うん、ありがとう…///」
席に着いて、少し周りを見渡すと、昨日一夜を共にした人で目が止まる。なにやら赤面している。昨日のこと聞き出されているのかな。
__________言っちゃダメだよ、由依。2人だけの秘密。
そう心の中で思ったところで、いただきますの合図が鳴った。
由依side
先生の部屋を一足早く出て、自分の部屋に戻る。
平手「あっ!いた!こば!ねぇどこ行ってたの?」
織田「夜トイレに起きたらいないから心配して菅井先生
呼んだんだぞ!」
齋藤「抜け出すなら俺らも連れて行け!」
相変わらずのどんちゃん騒ぎで朝から気後れする。
……菅井先生に多分バレたろうな。
小林「すいませーん。」
織田「ホントだよ!このっ!!!」
小林「うっ!あっ!ちょっと!離せっ…!」
平手「あっ!俺も混ぜろ!」
小林「あっwwちょっと、平手!くすぐったい!ww」
織田に羽交締めにされて平手と齋藤からくすぐられる。
はぁ、良かった。こいつらが馬鹿で。そう思った朝だった。
ー朝ご飯会場ー
朝ご飯の会場へつき、席に座りクラスのみんなが来るのを待っていると下のやつが勃っているのに気がつく。
おいおい……まだ元気なのかよ。こっちは寝不足だってのに。
すると周りの奴らにもそれに気付いたのかいじられる。
織田「あれ?!由依勃ってね!?何々!昨日一人で抜け出して
やらしいことしてたのか!」
平手「こばが勃つなんて珍しい!」
小林「わっ?!///なんだよ!別に朝だからだ!触んな!」
齋藤「フゥー!男前!」
小林「どういう意味だよ…」
両サイドのどちらかに座るべきだったと反省してふと顔を上げると渡邉先生が目に入った。さりげなく腰を摩っている。
その姿をみて、昨日のことがフラッシュバックしまた元気になるのを感じる。
小林「わっ!ちょっ…!///」
平手「あっ!まただ!こば!」
小林「騒ぐな!平手!」
織田「ツンツン♪」
小林「あ"っ…!!やめろ!馬鹿!」
タイミングよく、修学旅行実行委員のやつが「いただきます」の合図をかけてくれたから良かったけど危うくここで出すところだった。
それから食べた朝ご飯の味は全く覚えていない。
ー帰りー
渡邉「じゃあみんな行きと同じ席座ってねー」
先生がそう声をかける。行きと同じってことは……
先生の隣か。
平手「ふふ、こば先生の隣なんてツいてないなっ!」
小林「黙れ平手。バブは母ちゃんのおっぱいでも飲んで
寝てろ!」
後ろの席の平手と絡み合いをしていると少し先生の顔が赤くなった気がした。
……あー、そういえば昨日俺も先生の咥えてたっけ。
そんなことを思い出して赤くなってるのか。先生可愛い。
それからバスが出発し、後ろの席がワイワイしている時、
先生が腕を組んできた。
小林「っ!先生…!って……寝てんのかよ」
渡邉「zzz…」
腕を組まれて肩を預けられているため何もできない。仕方がない。寝るか。そうして俺も背もたれに寄りかかりながら眠った
瞼を閉じると、修学旅行での出来事が蘇ってくる。どの出来事にも先生がいて、よく笑っている。この出来事たちを思い出にしたくない、なんて柄にもない事を感じるほど楽しかった。
……そんな先生と一緒に暮らせるようになるにはあとどれくらいの歳月が必要なんだろう。後、1年半の学生生活を考える。
……やめたやめた。どんなに長くてもその先に先生が待ってると思えば俺は簡単に頑張れちゃうんだから関係ない。
なぁ、先生。頼むから、俺が迎えにいくまで苗字変えないでくれよ。
fin
p.s. そのあとお互い頭をくっつけて寝ていたことを生徒に
バレて冷やかされる2人がいるとかいないとか
お読みいただきありがとうございました!
『修学旅行』これにて完結です!いかがでしたでしょうか。
そして、ずっと貼っていた謎の浴衣の写真。皆様、わかりましたか?そう。これは小林くんが修学旅行で撮った渡邉先生の姿です!どれも綺麗できっと心のシャッターを切ってしまったのでしょう🤭
最近「〇〇の話好きです!」「このお話キュンとします!」などの嬉しいお言葉を貰ったり、マシュマロでリクエストを頂いたりして本当に原動力になっています!マシュマロも回答していないものもありますが、きちんと目は通していますのでご安心ください☺️書き手は誉めると伸びるタイプなので、これからもどうぞ温厚にしてやってください。🙇♂️
そしてフォロワー様が700名を超えましたー!そんな数の人一気に会ったことないので、想像もつかないほどの大人数ですがありがとうございます!🙇♂️これからも皆様の期待に応えられるように頑張ります!
明日からはリクエストがかなり溜まってきましたのでリクエスト消化週間にしようと思います!乞うご期待ください!
それでは、おっす。