コロナ禍で新規の道の駅巡りが中断していますので、過去の旅で出会った美しい日本の風景を日本列島の北端から順番に紹介しています。
今回から近畿地方に移り
橋杭岩 を、まずご紹介したいと思います。
“橋杭岩(はしぐいいわ)” は紀伊半島の最南端にある “串本町” にあります。
ここには “くしもと橋杭岩” という道の駅ができているのですが、そこを起点に海側に向かって約850mの距離に、大小約40余りの岩柱がほぼ一直線に並んでいます。
橋脚を並べたように見えるのでこの名前がついていますが、そのむかし、弘法大師と天の邪鬼が賭けをして一夜にして立てたという伝説が残されています。
橋杭岩をそばから見る前に、少し離れた高台に建つホテルの窓から撮った写真を先にご紹介します。
この時訪問したのは2月でしたから、確か6時頃に起きたと思います。
ちょうど夜が明けるときで、朝焼けを背景にシルエットの橋杭岩に遭遇することができました。
この橋杭岩の少し右手に、海を挟んで “紀伊大島” があるのですが、やがてその山頂から朝日が顔を出してきました。
すると、橋杭岩の岩肌に光が当たりますから、先ほどとは違った表情を見せてきます。
私が橋杭岩に行ったのは、2016年2月と2019年9月の2回です。
これらの写真は串本町に宿泊した2016年2月のものですが、次は橋杭岩のそばから撮った、2019年の写真です。
遠くから見る橋杭岩は優雅で美しかったですが、そばから見ると巨大で迫力のある岩肌です。
この日は風が強かったので、大きな波が岩にぶつかってしぶきをあげていました。
伝説では一夜で作られたことになっていますが、実際は地中から上昇したマグマが泥岩層に混ざりこみ、その柔らかい部分が波によって浸食され、岩の固い部分だけが残ったのだそうです。
この紀伊半島の先端付近というのは自然が作った不思議なものが他にもいくつもあります。
そのほとんどが道の駅のそばにあるので、併せて紹介しておきましょう。
■虫喰岩(古座川町)
約1500万年前に地球内部のマグマが噴出して地上に現れ、長い年月のあいだ風雨によって浸食されて、あたかも虫が喰ったかのように無数の穴や洞窟ができたもの。
■一枚岩(古座川町)
古座川に面して高さ100m、幅500mという巨大な一枚岩が聳え立っている。
■瀧之拝太郎(古座川町)
川床がすべて床岩で、浸食によって作られた大小様々なポットホール(岩穴)で覆われている。
これだけ不思議な地形が集中している地域というのも珍しいと思います。
■最寄りの道の駅
・道の駅くしもと橋杭岩(和歌山県)