次は道の駅から少し移動して絶景に出会います。
道の駅おだいどう が、その出発点です。
■所在地&MAP
北海道野付郡別海町
北海道野付郡別海町
■絶景区分
☆A:道の駅自体が絶景の中にある
B:道の駅から歩いて絶景に出会える
☆C:道の駅の近郊で絶景に出会える
■絶景キーワード
北方領土、四角い太陽、野付半島、トドワラ原野
■この道の駅の魅力について
道の駅おだいどうは、地図でもお分かりのように知床半島と根室半島の中間地点にあり、北方領土の国後島に対峙した位置にあります。
道の駅自体はご覧のように小さくてこじんまりしていますが、「別海北方展望塔」 と書かれているのがお分かりでしょうか?
ここは北方領土をテーマとした道の駅で、別海町は北方四島に現在暮らすロシア人たちとの 〝ビザなし交流” の拠点として、お互いに行き来しながら民間の交流を深めています。
ですから、こんなモニュメントもあります。
これは “叫び” と題されていて、老女が息子と孫を両脇に従えて、「島を返せ!」 とすさまじい迫力で叫んでいる姿を現しています。
ところで、この道の駅のある場所を “白鳥台” と呼び、冬から春にかけて数百羽の白鳥が飛来します。
そしてこの白鳥台は、あることで、多くのカメラマンが集まってくる場所でもあります。
それが、“四角い太陽” です。
これは、道の駅のパンフレットに掲載された写真をお借りしたものです。
気温が急激に下がる厳冬期に主に見られますが、空気の温度差で光が屈折しておこる、蜃気楼の一種なのだそうです。
四角い太陽が鑑賞できるフォトスポットは何カ所かありますが、その一つがこの白鳥台で、条件の整った冬場の早朝には、プロ、アマを問わず多くのカメラマンが集まってきます。
ところで、先ほどこの道の駅は北方領土をテーマにしているとお話ししましたが、ここから直接北方領土の島は見えません。
この写真の先に、野付湾を隔てて島影が見えるのですが、それは “野付半島” です。
位置関係を地図で確認してみましょう。
道の駅おだいどうから野付湾を隔てて野付半島があり、その先に国後島があるのがお分かりでしょう。
では次に、その野付半島に行ってみましょう。
野付半島はご覧の通り不思議な形をしていますが、これを “砂嘴(さし)” といいます。
嘴(くちばし)のように見えることからこの名前がついていますが、沿岸流により運ばれてきた漂砂が堆積して形成されており、それは今なお拡大し続けています。
道の駅からは30分もかからない距離ですが、途中半島の幅がわずか50mと細長く伸びた場所を走りますから、左右とも海で、まるで海中を走っているような不思議な感覚を覚えます。
野付半島は先端までは車で行けません。
途中に “ネイチャーセンター” という施設があり、ほとんどの方はそこに車を停めて、“トドワラ原野” を目指して歩きます。
小さく見えているのがネイチャーセンターの建物ですが、その横に “津波の避難所兼展望所” があり、そこからは北方領土の “国後島” がごく間近に見えます。
これが国後島の全景です。
ここからの距離は16kmです。
これは100ミリ程度の中望遠で写していますが、望遠を使うと岩肌までがはっきり見えます。
さて、目的の絶景である “トドワラ原野” へ向かいましょう。
最初はこのような細い道を、1.3kmほど進みます。
するとトドワラ原野の看板とちょっとした広場があり、その先は湿地帯なので “木道” が作られていて、それを更に300mほど歩きます。
この先の方で三叉路のように分かれていますが、右に進むとトドワラの展望台、左に海の上を進むと、桟橋に出て、船で対岸に渡ることができます。
ネイチャーセンターからほぼ30分程度でこの展望台に到着します。
“砂嘴” の地形は堆積と浸食を繰り返して形成されましたが、浸食は主に内海側で起こります。
かつて豊かなトドマツ林を形成していた土地が海水に浸食され、立ち枯れてしまったのがこの光景です。
これらは樹齢が90年から120年のトドマツであり、浸食は今も進んでいるのでやがてこの光景もなくなり、塩湿地植物群落に置き換わってゆくだろうといわれています。
かつて豊かなトドマツ林を形成していた土地が海水に浸食され、立ち枯れてしまったのがこの光景です。
これらは樹齢が90年から120年のトドマツであり、浸食は今も進んでいるのでやがてこの光景もなくなり、塩湿地植物群落に置き換わってゆくだろうといわれています。