本日の3カ所目は
道の駅北前船 松前 です。
この道の駅は2009年4月にオープンしましたから、私にとっては初めての場所です。
“松前郡松前町” は北海道の最南端に位置し、西は日本海、南は津軽海峡に面し、北海道の中では特に温暖な地域です。
道の駅はかつて本州と蝦夷地を行き交う交易船で賑わった埠頭近くの海岸線に建っており、津軽海峡を隔てて、青森まで見える場所にあります。
この日のお天気は見事な快晴!
海の向こうにうっすらと浮かんで見える陸地が青森県の竜飛岬あたりです。
もう少し空気が澄んでいれば、青森の名峰 “岩木山” が望めるのだそうです。
そして、目を反対の陸地側に向けると見えるのがこちらです。
これが “松前城” です。
松前城の付近は現在 “松前公園” となっており、250種1万本の桜が植えられて北海道を代表する桜の名所にもなっています。
“松前藩” は徳川幕府が唯一北海道で認めた城主大名であり、松前はその城下町として、政治、経済、文化の中心として栄えてきました。
1600年ころから近江商人(現:滋賀県)が大勢この松前に来るようになり、ここに店舗を構え、蝦夷からはにしん・こんぶ・干しあわびなどの産物を京都や大阪に運び、帰りには呉服・米・味噌・醤油・漁具などの物資を松前に運んで商いをしました。
彼らは松前藩の重臣たちと密接な関係を保ち、藩の物資だけでなく、私生活でも支えていたといわれています。
その物資の往来に使ったのが、“北前船” です。
新しい道の駅というのはやっぱり気持ちが良いものです。
中に入ってみましょう。
この道の駅登録書の横に飾ってあった “道” という文字ですが、“九重 貢” の署名があります。
九重親方、すなわち千代の富士の書なのですね!
そして店内の入り口付近にあったのが、この “北前船” の模型でした。
この船で蝦夷地と関西を往復し、近江商人は栄華を極めたのでしょう。
当時の生活を再現した模型もありました。
津軽海峡を望む窓側には休憩用のテーブルや椅子が並び、左手には豊かな海で獲れる海産物を中心とした物産コーナーがあります。
そして一番奥が、この “北前食堂” です。
北前の新鮮な海産物を使った料理が並びますが、一番のおすすめはここで水揚げされた “松前マグロ” を使ったメニューでしょう。
津軽海峡で獲れるマグロは、ブランドが違うだけで、対岸の “大間産” と全く同じですからね!
ここでは夏にはイカ釣り船のいさり火も見ることができ、津軽海峡の冬景色もまた格別です。
四季折々の景色を楽しむことができ、時期によって生うにや活きあわびなども味わうことのできる、恵まれた道の駅だと思います。