⑦3連休GW2018:菅田将暉が音楽で自分を『表現』する理由 | NON-The woman dragon♡

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菅田将暉が音楽で自分を『表現』する理由

あるときは、auのテレビCM三太郎シリーズ
「明るくて子ども思いの“鬼ちゃん”」

あるときは、映画『ディストラクション・ベイビーズ』
鬱屈した思いを暴力にぶつける少年。
あるときは、ドラマ『民王』
総理大臣と中身が入れ替わった大学生。

菅田将暉、25歳。
作品ごとに変幻自在の演技を見せているだけでなく、最近ではラジオのパーソナリティーや音楽活動など、活躍の場を広げている。
その原動力は、どこにあるのだろうか?


映画、ドラマ、舞台、音楽、さまざまな分野で活躍。
その日、菅田は都内のスタジオにいた。

3月21日にファーストアルバム『PLAY』
リリースを控え、朝から各社の取材を受け、カメラに対峙しながら、しなやかに手足を揺らしシャッター音に呼応していく。

疲れたそぶりは微塵も見せない菅田将暉が言う。
「全然、俺より忙しい人、いっぱいいますからね」

2017年に関わった作品群がその多忙な日々をうかがわせる。

『キセキ -あの日のソビト-』『帝一の國』
『あゝ、荒野』『火花』

映画4作品に主演し、第41回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞や第91回キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞といった数々の賞を受賞した。

大河ドラマ『おんな城主 直虎』
井伊直虎の後見を受けて育った、直政を演じる。

舞台『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』
主役のギルデンスターンを好演。

他、毎週月曜日深夜
ニッポン放送系『菅田将暉のオールナイトニッポン』
パーソナリティーを務める。

米津玄師とコラボした楽曲『灰色と青』
音楽配信各チャートで1位を飾ざり、八面六臂の活躍ぶりだ。

同時進行でさまざまな役柄を演じ、現場ごとに気持ちを切り替えるには、ある種の潔さが必要なはずだが、菅田はそれを

「日々の生活を役にシフトする」と表現、たとえば『あゝ、荒野』ではプロボクサーを目指す青年・新次を演じた。

「トレーニングを重ねるうちに、体も変わって目つきも白目がちになってつりあがってボクサーの顔つきになってくる」

「映画で描かれている以外の長い長い年月を過ごしてきた、という説得力を持たせなければいけない」

「だから、使うもん全部使ってやっていかないと、いくらやっても足りないですよ」

「撮影時間はドラマなら3カ月、映画なら3週間、へたしたら1週間のときもある」

「そうなるともう、ひたすらに想像力ですよね」

「その人の歩き方、食べ方、呼吸の仕方、ひとつひとつを拾いあげて、その人の生き方を捉えていくそんな感じですよ」

「でも、心情的には終わったら『終わった』ですね。わりと、いつも」
矢面に立つ“俳優部”だからこその技量と存在感
2009年に『仮面ライダーW』の主演としてデビューしたときは、まだ16歳。

「一介の高校生が、たまたま翌日から東映の撮影所へ通うことになった」と振り返えり、周囲に勧められるがまま「なんとなく」オーディションを受けていたものの、俳優になるのはまったくの想定外だった。

それでも、1年で全49回のテレビシリーズと4作の映画に出演。圧倒的な物量と熱量の中で現場に通ううち少しずつ「演じる」ことに慣らされていった。

大きな転機だったと語るのは?
19歳のときに主演した映画『共喰い』
この作品は第146回芥川賞を受賞作家・田中慎弥氏の小説。

海峡の街で生きる少年の葛藤を、暴力や性愛、人間のしたたかさを通して陰影深く描き出し、観る者の感情を抉るような衝撃作だが、菅田は“普遍的な話”だと感じたという。

「普通に通っていた道が、不意につまらなく感じられるような『またここか』と」

「大人が持っているものを欲しがったり、自分のアイデンティティーや存在意義を模索しはじめたりするあの頃特有の自意識は、他人事ではないなと感じました、僕もそうでしたからね、(地元の)大阪にいた頃は」

ロケ地の北九州・門司で過ごした日々は、今の彼の礎。

「小さい街で、1軒しかない居酒屋にみんな集まるもんだから、飲めないのに毎晩つき合って」

「青山(真治)監督が顔真っ赤にしながら、言うんですよ。『遠馬(※菅田の役名)お前の芝居はまだ“4分の4拍子”だミュージシャンは16ビートまで考えるんだよ』って」

「当時は『何を言ってるんだ、このおっさんは』みたいな感じでしたけど、今となっては、どの現場でもふとよぎる言葉で感覚や衝動に任せるのではなく、もっと丁寧に、ミリ単位でやっていけ、と」

「無計画にやるにしても『無計画』という計画のもとに組み込んでいかなきゃならないんです」

そして菅田はそこで、演出部、照明部、衣装部など映画を製作するさまざまなスタッフ構成の中に“俳優部”があるという考え方に触れ
各分野のプロフェッショナルたちが口角泡を飛ばしながら、夢中になって一つの作品をつくりあげていくことに、自身ものめり込んでいった。

「助監督さんも寝不足で『よーい、スタート!(カチン)』で寝ちゃいそうなくらい、みんな体張って、主体的に動いていって、もともと学生時代にサッカーとアメフトやってて、それと重なるところがあるのかもしれないけど、男同士で抱き合うくらいうれしいあの瞬間って、なんかいいんですよね」

「そのなかで僕ら“俳優部”はいちばん目立つところにいるぶん、へたな手の抜き方したら、みんなに合わせる顔がない。そこで堂々と背負っていけるだけの技量と存在感を残すのが、せめてもの役割だと思うんです」


芝居だけをやっていてもできない表現がある
ファーストアルバム『PLAY』収録
フジファブリックの楽曲のカバー『茜色の夕日』

そんな門司での撮影の頃、繰り返し聴いていたといい、父親がギター好きで、家に何十本ものコレクションがあり、やがて「父との会話のきっかけにもなるかな」と思い、ギターの弾き語りを始めた。

ドラマ『ちゃんぽん食べたか』
歌手・さだまさし役

映画『キセキ -あの日のソビト-』
ボーカルグループGReeeeNのHIDE役

演じることを通じて音楽との縁が連なった結果2017年6月にソロアーティストとしてデビューすることとなった。

『PLAY』
前出の米津玄師やフジファブリックをはじめ、黒猫チェルシー、忘れらんねえよ、amazarashiなど気鋭のミュージシャンから楽曲提供を受け、また自らも作詞作曲を手がけている。

25歳の等身大の独白や漠然とした焦燥感、人を思う切なさや愛おしさが、まっさらでタフな歌声によって響く。

なかでも石崎ひゅーいとの出会い
「人生に数度あるかないか」の特別なものだったという。

「数年前に共通の知人を介して初めて会ったんですけど、今では数少ない『2人だけで遊べる人』で」

「家で勢いに任せて曲作って、『腹減ったなぁ』って、もつ鍋作ったらテンション上がりすぎて、床にぶちまけたりして、他愛もない話して、いろいろ愚痴って、あるとき『こんなの作った』って、聴かせてくれたのが、『台詞』って曲でした」

これは恋じゃないから・これは愛じゃないから
お前の台詞に合わせて泳いでただけ

「なんかもうシビれましたね。芝居だけやっててもできないし、音楽だけでもできない『菅田将暉』がどうとか関係なく、一人の男としてのアイデンティティーというか、この先『俺、この曲があるもんなあ』と思えるようなものになったんです」

さまざまな出会いや出来事を受け入れながら、なんでも「面白がる」その姿勢が、今の菅田将暉を形作っている。

「もちろん、俳優業だけでもいいんですよ、全然、俳優業だけで食っていくのも大変だし、芝居も本当に難しいし、頭抱えてばっかですけど、そういえば自分の言葉を公に話す機会ってあまりなくて」

「本当にこの10年くらい、毎日毎日役のこと『誰かの人生のこと』ばかり考えてる感じですから」

「自分の言葉で、衝動的に言葉を発せられる感じが新鮮で。役を作るにあたっても、自分の軸というか、感情の基点がないと、わかんなくなるじゃないですか『何が当たり前か』が大切で、ラジオも音楽も、そういうものを確認できるんです」

今年も映画3作の公開が控え、貪欲に表現し続ける背景には、自らの感情のおもむくまま、目の前にある機会をすべて「やりたいこと」に変えていく主体的な順応力がある。

「気が変わらないうちにやりたいものやって、作りたいもの作ってくしかないですね」

「やりたいこと、たっくさんあるんですよ『富士山登りたい』とか『ピラミッド観たい』とか、しょうもないこともありますけど、エンターテインメントは周りの力も借りながら進めないといけないんで」

「今は何も作る気ないな、って思っても、何かを観たらまた悔しくなって、また作りたくなって、時間が足りないんっすよ、きっとそうやって、死ぬまで何かやってるんでしょうね」

0322開放的な気分のする1日:見たこともない景色・青い山脈


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