逆襲大蛇丸 | ロロモ文庫

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天文6年。足利晴氏は、鯨波照忠、尾形弘澄、諏訪光明の三人は越後、更科、信濃を領地を与えるが、天文8年、鯨波は諏訪と手を組み、尾形を襲撃し、更科の地を奪い取る。それから二十数年後、越後柏崎城で尾形の亡霊に悩まされる鯨波。「われら一族の呪いを晴らす時が今こそ来たのだ」「許してくれ。諏訪光明がわしを誘ったのだ」「黙れ。我が息子の尾形周馬は今は自雷也と名乗り、貴様に積年の悪行を思い知らせているのだ」

悪夢からさめた鯨波は愛妾の八重に肩を揉んでくれと頼む。「自雷也の出現以来、ついぞそなたとの」八重の手を握ろうとした鯨波は、その手が蝦蟇の手であることに驚愕する。「誰ぞ来てくれ」駆けつけた息子の照高や家臣の五十嵐典膳に蝦蟇を切れと怒鳴る鯨波。「父上。そこにいるのは八重の方でございますぞ」そこに蝦蟇に乗って現れ高笑いを浮かべる児雷也「照忠。貴様の命はわが掌中にあるも同然。だがまだ殺しはせん。どこまでも苦しめてやるのだ」毒煙とともに消えていく児雷也。

信濃諏訪城で、今後の対策について話し合う諏訪家の重臣。「先君光明公が鯨波の甘言に乗せられたとは言え、鯨波とともに尾形を滅ぼしたのは事実。児雷也に恨まれるのは無理もない」「しかし弱肉強食は戦乱の世のならわし。児雷也はまた柏崎を襲っている。当家の対策を考えないと」「対策はできておる。御家老高遠多聞之助殿の子息の弓之助様が老師大日方浄雲殿からいただいた名刀朝霧丸。これがあればいかなる妖術も怖くない」

当家のとるべき道はただ一つだと言う弓之助。「鎌倉にいる関東管領足利義輝公に鯨波追討の礼状をいただくこと」「しかし、光明公の御息女の明科姫と鯨波の若君とはご婚約の間柄」「しかし児雷也殿に当家の誠意を見せる道はこれしかありません」

鎌倉に向かう弓之助を見送る児雷也の妹の深雪。「弓之助様が鎌倉に行くことを知れば、兄上がどんなに喜ぶことか」「我々の意をお伝えください」「はい、きっと」「深雪さん。あなたはまた諏訪に戻ってくれますね」「はい。弓之助様のおかげで私は父の仇である願人太郎を討つことができました。その恩は決して忘れません」「深雪さん、行ってまいります」「道中、御無事で」

針木峠にある尾形の残党の隠れ家でお前は騙されていると深雪に言う児雷也。「いいえ。弓之助様は信頼できるお方です」深雪の知らせは何よりの吉報と言う綱手に、それは自分を恐れた諏訪家の謀だと断言する児雷也。「いかなることがあっても父上や一族の恨みは忘れん」悲しみに打ちひしがれて諏訪に戻る深雪。

鎌倉で追討礼状を受け取った弓之助は上機嫌で諏訪に向かうが、吊り橋を渡る最中に雷に襲われ、吊り橋は巨大蛇に変化して、弓之助は落下する。巨大蛇の妖術を解いた大蛇丸は弓之助から<諏訪満王丸に鯨波照忠の追討を命ず>と書かれた追討礼状を奪う。

川の中に放り込まれた弓之助は巨大蝦蟇に変身した児雷也に救われる。「あなたに助けられるとは」「そちを助けたのは深雪が受けた恩を返したまでだ。この次会う時は敵味方だ」「待ってください。私は鯨波追討の管領礼状を受けてきたのです」「なに。それはまことか。ならば、その追討礼状を見せろ」「それが何者かに」「この偽り者。お前の顔など見たくない」

柏崎城に赴いた高遠多聞之助は照高と明科姫の婚約を破談にしたいと申し出る。「明科姫は生来の病弱にて」そこに追討礼状を持って現れる大蛇丸。「諏訪の奴らは鯨波を裏切って、児雷也におべっかを使ってやがる。その証拠がこの礼状だ。内緒で鎌倉に使いを出し、お前さんを征伐しようって腹だ」多聞之助を牢屋に送った鯨波は、諏訪と一戦をする覚悟だと大蛇丸に言う。「大蛇丸。お前の力を借りたい」「それには条件がある、諏訪の明科姫と名刀朝霧丸、それに全国の山の支配権を俺がもらうぞ」

大蛇丸の望みを聞くのですかと言う照高に、今は当家は興亡の瀬戸際だと言う鯨波。「何としても大蛇丸一党を味方にせねばならん」問題は諏訪を襲う前に朝霧丸を奪うことだと言う五十嵐。「朝霧丸が敵の手の内にあれば大蛇丸得意の妖術がきかぬと申します」そこに子分を引き連れて現れる女盗賊の朝雲。「だいぶお困りの様子。私たちが役に立つと思います」柏崎城の宝物蔵から盗んだ宝を見せる朝雲。条件は何だと聞く鯨波。「天下御免の住処が欲しゅうございます」「よかろう」

満身創痍で諏訪城に戻った弓之助は多聞之助が柏崎城に行ったと深雪から聞かされる。「あなた様が鎌倉で追討礼状をいただいたと聞き、もうじっとしてはいられなかった御様子で」大蛇丸は諏訪城に忍びこみ、明科姫を拉致する。思うように動けない弓之助は深雪に朝霧丸を渡す。深雪は朝霧丸を手にして大蛇丸を追いかけるが、朝雲に襲われて朝霧丸を奪われる。巨大蛇に変身して明科姫とともに去っていく大蛇丸。朝雲一味は民家に押し入り、朝雲は仏壇の中に朝霧丸を隠す。

諏訪城を鯨波の軍勢が押し寄せる。もはや勝敗は見えていると叫ぶ鯨波。「人質となっているその方の家老の高遠多聞之助より申し聞かせることがある」五十嵐は多聞之助に城門を開いて降伏するように言えと命令するが、多聞之助は最後まで戦えと叫び殺されてしまう。父の死を見て衝撃を受けながら弓之助は諏訪軍を率いて戦うが、大蛇丸一党も加えた鯨波軍に圧倒されて、籠城状態となる。

もはや勝利は見えたと宴を催す鯨波。「皆の者に諏訪追討礼状を読んで聞かせる。鯨波照忠に諏訪満王丸の追討を命ず。鎌倉管領足利義輝」俺は明科姫は自分で奪ったと鯨波に言う大蛇丸。「約束の朝霧丸はどうしたい」「安心せい。朝雲に盗ませてある」私はあるところに隠したと言う朝雲。「その証拠にあなたは城を抜け出す時、自由に術を使えたでないですか」「なるほど」

そこに指人形使いが現れ華麗な舞いを見せるが、指人形使いは児雷也に変身する。早速妖術合戦を展開する児雷也と大蛇丸。大蝦蟇に変身した児雷也は巨大蛇に変身した大蛇丸に苦戦するが、そこに大ナメクジに変身した綱手が助っ人に駆けつける。

児雷也と綱手は明科姫を針木峠の隠れ家に連れていく。明科姫は父の行為を詫び、児雷也に諏訪家の味方になってくれと頼むが、児雷也は諏訪家と鯨波家が相戦って共に滅亡すれば一族の恨みは晴らせると言う。「ではせめてあなた様が奪った追討礼状を私に」「断る。これは私が預かっておく」

そこに現れる朝雲。「私は朝霧丸を持っているんです」「なに、本当か」「あなたに売りましょうか」「かたじけない。いかほどで」「お金じゃいやです。私はあなたの舞姿にぞっこん参ったのです。私と一緒に」行ってはだめですと言う綱手を振り切って、朝雲とともに去っていく児雷也。

綱手は明科姫を諏訪城に送り返そうとするが、大蛇丸一味の仕掛けた罠に捕まってしまう。鯨波軍は諏訪城を攻めるが、弓之助と深雪は陣頭に立ち、必死に抵抗する。民家に児雷也を連れていく朝雲。「みんな戦いにうつつをぬかして、ここにいるのは私たちだけさ」「朝霧丸はどこにある」「この家の中」「早く出せ」「怖いわ」「ごめん。早く見せてくれ」仏壇の中にある朝霧丸を出す朝雲。児雷也は朝霧丸に気をとられるが、その隙に朝雲の子分に撃たれてしまう。

磔になった児雷也にこれでお前もおしまいだと勝ち誇る大蛇丸。城中の者に見ろと怒鳴る鯨波。「磔になっているのは皆が恐れる児雷也だが、我が手にかかれば赤子も同然」弓之助は自分の命と児雷也の命を交換してくれと願い出るが、大蛇丸に一蹴される。「早く磔に火をつけろ」明科姫とともに塩蔵に閉じ込められた綱手の前に現れるナメクジの精の老婆。「私の跡継ぎである綱手姫よ。そなたは嫉妬ゆえに身を滅ぼそうとしている。私はもう一度だけ機会を与えよう」

嫉妬の心が消えた綱手は火あぶりとなっている児雷也を救う。大蛇丸は天守閣から幼君の満王丸を投げ捨てるが、蝦蟇に変身した児雷也が満王丸の命を救う。弓之助たちは鯨波軍に一気に斬り込んでいく。天守閣で激しく戦う児雷也と大蛇丸。朝雲は民家に行き朝霧丸を持ち出そうとするが、綱手に胸を刺されて死ぬ。

巨大蝦蟇に変身した児雷也は巨大蛇に変身した大蛇丸に苦戦するが、そこに朝霧丸を持った綱手が現れる。朝霧丸の法力の前に退散する大蛇丸。天守閣に立つ児雷也を綱手と弓之助と深雪と明科姫は頼もしそうに見つめるのであった。