間髪入れずに2012/7に訪ねた東南アジア3カ国の旅を綴ります。






7月、海の日や会社の創立記念日がうまいこと重なって連休になったので、有休を足して東南アジア3カ国を周りました。







みどりの日、海の日、山の日と祭日が増え、この先も日本は川の日、丘の日、湖の日、滝、森、泉の日、雲、雨、砂漠の日、空、月、太陽の日と徐々に自然を楽しむ祭日が増えてくれることを願います。爆






さて、37ヵ国目はカンボジア。首都プノンペンを経由し、そのまま地方都市のシェムリアップへ飛びます。シェムリアップは世界遺産であまりにも有名なアンコール遺跡の起点となる街です。




正午にホテルへチェックインし一息ついたあと、ホテル前にたむろっていたオートリキシャー(カンボジアではトゥクトゥクというらしい)の中から、一日およそ1,000円で回ってくれると言ってくれた人を選んで、早速アンコールの遺跡群へ!



アンコール遺跡は9世紀に建設の始まったクメール王朝の首都遺跡です。13世紀まで徐々に拡張された都市は、想像以上に洗練された緻密さとダイナミックな建築群を有していました。こんなこと言っちゃ大変失礼ですけど、9世紀のカンボジアに、これほどの技術と芸術を有した建築を設計・建設できたとは驚きです。







「アンコール遺跡」は総称で、広大な敷地にアンコールワット、アンコールトムなどの寺院や宮殿が点在しています。今回は、主要な遺跡をご紹介します。

 

 

ホテルのあるシェムリアップからトゥクトゥクで30分くらい走ると、チケット売場が出てきました。チケットは、アンコール遺跡群すべての寺院の入場に有効なようです。顔写真の必要な3日券チケットなどあり、相当広大な面積を想像させました。現時点(2023)の入場料は一日券37US$、三日券62US$です。まずはアンコール・ワットからエントリー!

 

アンコール・ワット


一日券を購入しさらに進むと、アンコール遺跡群を代表する建築、アンコール・ワットが見えてきました。



「アンコール」はクメール語で王都、「ワット」は寺院という意味です。尚、カンボジアの公用語は今もクメール語です。



右の緑のTシャツがトゥクトゥクのドライバー、キムくんです。英語だと「Khim」と書き、多分漢字で「金」だろう。インドシナ半島はマレーシアとインドネシアのインド系率が高く、他ほとんどの国はシナ系ですよね。彼もシナ系、とにかく純粋で良い子。彼と一緒に回ります。



こちらはアンコール・ワットの中央祠堂です。第三回廊への階段はこの通り、ボロボロになっていますので、



裏にある特設階段より上がります。



湿度の高いこの辺りは遺跡の損傷激しく、このままいけば確実に朽ちてボロボロに崩壊するところでしたが、日本の全面的な支援により、修復したとは分からないくらい丁寧に復元が進み、この通り原形を留めていますよ。


 

アンコール・ワットは、クメール王朝の首都だった12世紀にヒンドゥ教の寺院として建設され、




16世紀後半に仏教寺院へと改修されています。



ヒンドゥから仏教。キリストからイスラムなど、元々の目的で建てられた宗教建築から改修(改宗)される建物は世界に少なからずありますが、



建物はもちろん、デザインや壁画、レリーフに前宗教の要素が残っていたりして、その融合がまた素晴らしいのですよね。



仏教といったらまあ、コレじゃないですか。



しかし、元々ヒンドゥ教寺院として建てられ、その要素の強いアンコールはあちこちにコレらが残ってる。 これなんかモロにヒンドゥぽくないですか?

 

座禅瞑想の仏陀とは真逆対極だわ。笑




こちらのダンシングレリーフは「アプサラ」といい、




天使や天女を意味します。




アプサラは、神への祈りを捧げるカンボジアの宮廷舞踊で、今現在でもこの伝統舞踊を披露してくれる舞踊団があるようですよ。



 

ヒンドゥにくわえ、地元文化もレリーフに取り入れられるあたりが、またアンコールの珍しいところなのですよね。




汗っかきの私は、ちょっと歩くだけで滝汗。長袖の下はユニクロのブラトップしか着ておらずシクッた。こんな神聖な寺院で、ブラトップ一枚になどなれぬ。



アンコール・ワットの掘りへ飛び込む子供たち。気持ちわかる。とにかく蒸し暑い。


 

次の目的地へ向かいます。

 



途中、素朴ちゃんを見つけた。子供がいかにも子供らしい。

 

 

 

タ・プローム

     

さあ、お次はタ・プロームという寺院です。不気味①
 

こちらは12世紀に仏教寺院として建てられました。

 
彫刻にヒンドゥ入っていないので、純粋なアプサラという感じですね。大人しめ。

 
ここタ・プロームのみどころは何といってもコレなのです。

 
ガジュマルに浸食された寺院建築。



スッゴイわ。もっすごいわ。



建物の上に胡坐かいてるもんな。ある意味、仏陀が座禅しているような。笑



グロイ。
 
 
ちょっとばかり気持ち悪ささえ感じるタ・プロームは、アンコール遺跡の中でもひときわ観光客の多いスポットです。



現在、ここタ・プロームはインドチームが修復を担っているそうです。しかし、この食い込んだガジュマルを排除するかどうかで揉めているよう。
 
 
何故かというと、この建築物はガジュマルによって破壊されているのか、ガジュマルによって支えられているのか判断がつかないからなのだとか。
 
 
私は「このままでええんちゃう?」と思いますけどね。
 
 
この崩れた石は、片付けるか修復するかした方がいいと思うけど。
 
 
多分ヤル気ねーな。笑

 
不気味②



さて、ここはキムと一緒ではなく、向う側の出口で待ってるとのことだったので先へ進みます。



キムはどこだ。

 

緑のTシャツは何処へ?

 



 おーい!キムはどこ行ったんやー!

 

 

 

タ・ケウ

 

キムと合流し、タ・プロームのすぐ先にあるタ・ケウへ。「クリスタルの古老」という意味で、未完成のまま放置されたヒンドゥ寺院です。修復中で入場できませんでしたので側だけ。 


 

タ・ソム

   
大きな池を横目にグワーッと走るとタ・ソム。こちらは12世紀に建てられた仏教寺院。苔のはり具合が素敵なのですよ。色目も微妙に美しいのです。



しかし、ここまで観てきた建築とあまり変化を感じられず、サーッと見て次へ向かいます。

 

アンコール・トム ー バイヨン

 

次に来たのはアンコール・トムのバイヨン寺院。不気味③

 
これ、インドネシアのジャカルタでも同じようなの観たな。こちら、日本などでは「バイヨン」と呼ばれるようですが、実際は「バヨン」のようで、「バ」は「美しい」、「ヨン」は「搭」。

 
「美しい搭」という意味なのですね。なるほど。建築デザインとしては美しいと思う。

 
しかし、この四面観音菩薩像は何で薄ら笑いなん?右下に人がいるの分かりますか?この四面観音はかなり大きいうえ、湿気によりカビに覆われてしまってる部分もあり、やたら不気味。この設計は一体どういったセンスから?笑
 

 
バイヨンのアプサラダンス。3人のバランス見事。
 


二人シンメトリー。



ところで私、上述のとおりここへ7月に訪ねたのですけど、蒸し暑さに限界きまして、歩くのさえしんどくなってきました。ここまでおよそ70,000歩。



もしアンコール遺跡を訪ねたいと思う方がいらしたら、冬、12~2月をオススメしますよ。

 

私、疲れましたわ。おーい!キム、どこにおるんー?

 

 

Preah Kok ThloK

 


やっとキムと合流しました。そろそろ帰りたいなーと思っていたら、次にキムが連れてきてくれたのはプノン・バケンという小高い丘のふもと。あちこちで象を見かけます。
 

 
この像は体験ツアーですが、私の訪ねた数年後、あまりの暑さにゾウが熱中症で死んでしまい、動物愛護団体からの批判が強まって廃止されたらしいですよ。だよねー。こんな暑い中、可哀想に。。



この丘はトゥクトゥクは入っていけないようで徒歩で行きます。私はもう限界超えてチンタラ歩き、20分くらいかかりましたでしょうか。
 

 

プノン・バケン寺院

       
山を上ると見えてきたのが、プノン・バケン寺院の祠堂の一つ。

 
10世紀初頭に建設されたヒンドゥ寺院です。


アンコール遺跡群のなかで一番高い場所にあり、



アンコール遺跡を360°見渡せるのですよ。



日の入りスポットでもあるため、夕方になるとドンドンと人が増えてきました。

 
この日は雲が多くて日の入りを拝めなかったのですけどね。
 


プノン・バケンは5層の基壇に5つの祠堂を持つピラミッド型の寺院です。珍しいですよね?



まだ観ていない遺跡がいくつかありますが、あまりにも蒸し暑く体力を消耗しきってしまったので、ここで最後にします。



当初はチャリでも借りて行こうかと思ってましたが、とんでもない!笑 かなりの蒸し暑さなうえ、アンコール遺跡群は広過ぎる!
 
 
 
 
 
 
しかし、この遺跡は一見の価値ありです。個人的意見としては、インドシナ半島随一ではないですかね。まぁ、ミャンマーのバガンも凄いけど、こちらのクメール建築の手法も素晴らしいです。ヒンドゥと仏教の融合や伝統舞踊の歴史もしかり。そして暗黒時代はボル・ポト派に占拠され要塞ともなりましたが、破壊されずによくぞここまで留めてくれていたと思います。
 
 
 

 
 
もうグダグダ。シェムリアップに戻ります。
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