2016年の6月に訪ねたイラン、コーカサス、スタン系の旅を綴っています。
アルメニアのエレバンからウクライナの首都キエフへ飛んで参りました。
図ってたわけではないのですが、現時点で何だかちょうどウクライナ情勢がキナ臭くなってますので、ちょっとだけ触れますわね。
皆様もご存知のとおり、2014年にウクライナ領だったクリミア半島をロシアが併合し、世界中がザワつきましたよね。
これは、クリミア自治共和国セヴァストポリがウクライナからの独立を問う住民投票を行い、賛成多数で可決させたことに端を発しています。
混同してはならないのが、これは飽くまでもセヴァストポリ住人(殆どがロシア人)の意思で、自治国の法律に則り手続きを進め独立の運びとなっていること。クリミアをロシアが武力で無理矢理に制したわけではないです。
しかしながら、それが従属国であるウクライナの法律に反する方法だったことや、投票不正なども囁かれ(真偽不明)、ウクライナは現在も独立を認めてはいません。欧米もこれを非難し、ロシアへの制裁を強化。日本も追随しています。
これ、非難するなら一方的に独立を宣言したセヴァストポリに対してであって、ロシア制裁はちょっと違うんじゃないかなと個人的には思います。クリミアが、ロシアへの併合を望んだというところがミソですよね。初めからロシア併合ありき。
クリミアからすると、完全独立した一国家としてはやっていけない(能力ない)けど、ウクライナはイヤだからロシアに入れて!という感じです。駄々っ子か?笑
旧ソだった地域はここに限らず、ロシアに入りたい自治州、ロシアを毛嫌いする国、割り当てられた従属国に反発する州などが混在していますので、ホント難しいですよね。
ロシアに隣接するウクライナ東部もそれ以前からウクライナ政府に反発しており、クリミア併合を機に反政府組織の運動が活発化。ウクライナ軍と衝突して、これまでに1万人以上が亡くなっています。2022現在も紛争継続中です。
ここにきて、米国バイデンがウクライナへ武器供給を表明し、再び物騒な雰囲気が漂い始めています。ロシアもウクライナとの国境に軍を集結させていますので、何かある。
元々ウクライナ東部は親ロシアですので、本来ならウクライナと東部でカタをつければ良いこと。ここをロシアが支援し、それに欧米がクビ突っ込んでくるから面倒なことになる。
別にロシアの肩を持つつもりはないのですが、欧米が余計な刺激を与えると、プーチンは真に受けますので、被害が拡大する恐れあり。情報戦はいつものことてすが、あまりにも事実と乖離し、「ロシア悪」を世界中の人々に吹聴すると、ロシアは動いてしまいますのでね。
取り返しのつかないことになる前に、穏便に事を運んで欲しいものです。バイデンでは無理な気がしますが。
米国は、効果不明なワクチンを世界にバラマキ、予定通りガッポリ儲けることに成功しましたので、パンデミックの終わりが見えてきた今、次なるターゲットにプーチンを据えるのはバイデン就任直後からの既定路線です。米国の民主党はこれまでほぼ、どの大統領も世界のどこかで戦争を起こしてますのでね。
これが世界の金融を不安定にし、日本も巻き込みます。遠い国で起こってる他人事とはならないのですよね。
ところで、2014年に紛争が活発化した当初、ウクライナ東部上空を飛んでいたマレーシア航空の旅客機が撃ち落とされる事件がありました。あれは驚きました。
私も世界中あちこちで旅客機に乗りますので、整備不良トラブルなどで万が一のことは考慮しますが、撃墜される想定はなかった。
あのとき私は、ロシアとその周辺&イスラエル上空を通過する航空会社はあまり使いたくないなぁと、予約するフライトの飛行ルートを細部までメチャクチャ調べてましたわ。笑
さて、そんな緊張の続くウクライナの首都キエフへ、空港バスで出ましたよ。キエフもトランジット観光。夜には空港へ戻ります。
旧ソ圏の一般人は、母国語とロシア語を話し、英語を話す人が少ないですよね。ウクライナですとウクライナ語とロシア語なので、私は両方とも分からず得意の「何でも聞き」ができない。
ここでは、地下鉄の降りる駅を一つ乗り過ごし、一駅戻りましたよ。
そして地上へ出て、そこからローカルバスに乗ります。
ここでもまた、バス内エピソードが。
ローカルバスは乗車時の支払いで、確かどこまでいっても同じ値段だったと記憶しています。
運転手に乗車賃を聞いたら、小銭が足りなくてですね。
紙幣で払おうとしたものの、どうやら私の出した紙幣の金額が大きく、お釣りがないと言ってるよう(に聞こえた。ウクライナ語は全く分からない。)。
しょうがないので、どこかでミネラルウォーターでも買って小銭作るかと降りようとしたところ、後ろの方の座席からススススーッと少女がやってきて、運転手に何か言いながらお金を渡したのです。
そして、ススススーッと席へ戻って行きました。
その間、彼女は一度も私の方を見ていません。チラリとも見ていません。
なので、自分の乗車賃を払いに来たのだと思いました。
しかし、その後すぐに運転手は私に着席を促したのです。
へっ?
なんで?
いいの?
無賃乗車になっちゃうけど?
後方に空いてる席を見つけて座ったら、先程ススススーッと来た少女の真後ろだった。年は12〜13歳?西洋人形のようなすごく綺麗な子。
少女は隣の女性と何か話してる。
ん?
この隣の女性は、雰囲気的にこの少女のお母さんよね?若しくは近親者?
ちょっと待てよ?
多分この二人、一緒にこのバスに乗車したんだよね?
一緒に乗車して女性が自分の分だけ払うなんてことあるか?乗車時にまとめて払うか、まぁ別々だったとしても女性がその時に少女にお金を渡すか、とにかく乗車時に払うよね?
もしかしてさっき、この少女がスススーッと来て運転手に渡したのは、私のバス代だったのでは?
少女の肩を叩き、
「もしかして、私のバス代を払ってくれましたか?」
と英語で聞いた。
・・・・・・
(・・) (・・)
↑ ↑
少女 私
全く通じてないようだ。笑
さっき、たっまたま覚えたウクライナ語で「ありがとう」と言ってみた。
そしたら、その少女はニコッとして隣の女性と目を合わせた。
やっぱりか。
隣の女性がなにやら「いいのよ、気にしないで」みたいなことを私に言った(かどうかは全く分かりませんが、表情と手振りがそんなふうに見えた)ので、「ありがとうございます」とウクライナ語で伝えました。
本当は色々と感謝の気持を伝えたいのだけど、言葉が通じない。
お母さんと少女は、私の手前のバス停で降りていきました。席を立って前方の乗降口へ進んだ少女は、振り返って私に手を振ってくれました。涙
旧ソ国は、それまで何となく苦手意識がありました。だいぶ前にモスクワで痛い目に遭っていたのと、この辺りの方々は日常に笑顔があまりない気がして、なんとなく冷たいイメージだったのですよね。
でも、今回のコーカサス3ヵ国、皆とても温かかったですし、ここウクライナも然り。このあとも旧ソを何ヶ国も訪れますが、それが単なる私の思い込みだったことを知りました。
さぁ、セント・ニコラス教会に着きました。
とにかく地元人が多く集まっていてですね。カメラまで回ってた。
さて、美しい正教会をあとにし、バスに乗ってキエフの中心にある独立広場へ参りました。
やっぱり今日は何か特別な日だったんだろな。なんて思いながら、ちょっと早いですけど空港へ戻ります。