漂流のこと
吉村昭は史実を小説にしたてあげる天才だ。
彼の数ある作品のなかでも漂流ものはとてもおもしろい。
基本、江戸時代に船が時化で難破して、ながされてその後どうなったかっていう話なんだけど、
その描き方がリアルすぎて面白い。
「漂流」は日本の最南端に近い木も生えず水もない無人島で10数年暮らし、帰ってきた男の話。
「アメリカ彦蔵」は太平洋を漂流中にアメリカ船に助けてもらい、日本とアメリカの架け橋になった男の話。
今読んでいるのは「大黒屋光太夫」で、伊勢から江戸に向かう途中に難破して、アリューシャン列島まで流され、当時のロシアの都まで行って、女王エカテリーナに謁見して。。。って話。
彼らは無名だけど、日本の男として強靭な意志を持っているなと思う。
強烈だ。
日本という土地と血への執着。
当時、たくさんの人が難破して異国に流されて生活していた、という事実だけでもすごい。
「大黒屋光太夫」で、当時のロシアはオロシヤで、日本はヤッポンスカヤというらしい。
このころのロシア人はなんて親切で暖かい人々なんだろう。
彼ら以外に偶然漂着した日本人達はロシアで暮らし、結婚し、子供をつくりっていうのがあったみたい。
そういう人が何人も。
今から200~300年前にサンクトペテルブルグとかカムチャッカにて、日本人の血をついだ人々がいたんだなあ。
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