僕の右手
犬がいた。
小さい柴犬。
ホームセンターの駐車場で、
僕の車の、横に止まっている小さな車に乗っていた。
その車は窓が全開だったが、人はいなくてその柴犬だけが乗っていた。
とても涼しい顔をして、遠くをみつめていた。
かわいかったので触ろうと思い手を右手をのばすと、
いきなり豹変、
「ガブーッ!!」
「いてー!!!」
まさに電光石火、本気噛み。
痛みにもだえつつ飛びのき柴犬を見ると
何事もなかったかのように涼しい顔をして遠くを見つめている。
僕のことは視界に入ってないかのように。
そして僕は車に乗り足早に去っていった。
あいつは愛玩動物の犬じゃなくて、
本気の犬だった。
今度会ったら、目の前でおいしそうにお菓子をたべてやろう。
- 石丸 元章
- 平壌ハイ
- アラン・ワッツ, 竹渕 智子
- タブーの書
- Mojave 3
- Puzzles Like You