冥途の土産 ~il mio cinema paradiso~ 第66回

 

『切腹』

(1962年)

第16回カンヌ国際映画祭

審査員特別賞受賞

 

映画『切腹』仲代達矢と武家社会の残酷さ

(映画.comより)

監督 小林正樹
脚本 橋本忍
音楽    武満徹

出演

    仲代達矢
石浜朗
岩下志麻
丹波哲郎
三國連太郎
 

<解説・あらすじ>

「人間の條件」などで知られる社会派の名匠・小林正樹が初めて本格時代劇に挑み、1963年・第16回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した作品。

 

滝口康彦の小説「異聞浪人記」を原作に、「七人の侍」などの名脚本家・橋本忍が脚色を手がけ、武家社会や武士道の残酷さを描いた。

 

寛永7年10月、井伊家の江戸屋敷に津雲半四郎と名乗る浪人が現れ、生活苦から切腹したいので庭先を貸して欲しいと申し出る。近頃、江戸では金に困った浪人が他人の屋敷の玄関先で切腹すると申し出て金品を巻き上げる手口が横行していた。井伊家の家老・斎藤勘解由は半四郎に、春先に同じ用件でやって来た千々岩求女という浪人の話をする。浪人たちの強請同然の手口に悩まされていた勘解由は、死ぬつもりなどない求女に庭先を貸し与え、本当に切腹にまで追い込んだのだ。話を聞き終えた半四郎は、勘解由に衝撃的な事実を語りだす。半四郎を仲代達矢、勘解由を三國連太郎が演じた。(映画.comより)

 

前回、仲代達矢さんへの追悼として『用心棒』を取り上げたのですが、やっぱり主演作でないのは失礼と思い、今回『切腹』にしました。

 

『切腹』と聞いただけで、ハラキリ⁉ゲッソリ遠慮しますって人もいるかとは思いますが....まあまあそう言わずに聞いてくださいな。

 

タイトルが『切腹』なのでたしかに切腹のシーンが出てきます。しかもかなり残酷な(全然フォローになってませんが)ドクロ

 

 

けど、この映画に出ている出演者がいいんですよ。

 

まず三國連太郎、若いです。でもそこはやっぱり三國連太郎!『釣りバカ日誌』しか知らない人は是非ご覧ください。


丹波哲郎。霊界話が大好きなお爺さんって印象しかない人(どちらかといえば私も 笑)には驚愕ですよ!仲代達矢と決闘する剣術使いの姿を想像できますか⁉

 

岩下志麻。結婚前の娘役から演じてますが、やっぱり岩下志麻、どこから見ても美しいです。

 

石浜朗。切腹をするシーンはなんとも凄い鬼気迫る演技。この映画のリメイク『一命』(2011年三池崇史監督)での永山瑛太の演技もすごかったですよ。

 

そして主役の仲代達矢。前回その魅力は「目」といいましたが、間違ってませんでした。久しぶりこの映画観ましたが、やっぱり目の色が変わってました。

 

この映画、タイトルからして一定数の観客を遠ざけていると思いますが、そのテーマは現代にも通ずるものが十二分にあるように思います。

 

それと、音楽が武満徹なんですが、さすがです。先日のNHK「クラッシックTV」でも武満徹が特集されていて、この映画のシーンもほんの少し取り上げられてました。

 

2週続けて白黒映画になったのですが、なかなかいいですよ🎦

デジタル全盛の時代ですが、この奥行き感は何なんでしょうね。ゾクゾクします。

 

 

「映画は人生の基本」

また来週日曜日にお会いしましょうバイバイ