『龍馬伝』 | 現代メディアよろず研究所

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視聴率がジリジリ下がっているという『龍馬伝』。


大河は久しく観ていないが、『竜馬が行く』と『お~い!竜馬』を3回ずつ読んだ龍馬ファンとしては放っとくわけにもいかず、第一話から欠かさず観ています。


竜馬の王道と言えば司馬遼太郎の『竜馬が行く』であり、大河で竜馬をやるとなると、『竜馬が行く』が原作になる。ところがこの『龍馬』は原作がないとのこと。それはそれで面白い試みではあるが、『戦国BASARA』を観て、戦国武将像を勘違いしてしまう歴女が多い昨今、NHKが王道をやらなくてどうする?とも思う。



さて、原作なしという竜馬を観てみると、明らかに武田鉄也・小山ゆうの『お~い!竜馬』にインスパイアされているのが分かる。



ドラマの語り手は三菱グループ創始者の岩崎弥太郎。
『お~い!』でもかなりのナイスキャラクターだったが、このドラマではさらに強調され、向上心・出世欲・うぬぼれは人一倍強く、金に汚く、人を信用せず、見た目は乞食同然。
このキャラクターについて三菱グループ内では「ここまで汚くなかった」とクレームが上がったと報道があったが、かつてここまで弥太郎にスポットライトがあっただろうか。
ただで広告してくれてるのだから喜んだ方が良い。



主人公である竜馬は福山雅治。このキャスティング自体は文句なしだと思う。ただ、性格設定というか、演技があまりに単調に感じる。とはいえ、今のところ脱藩後に精神的に大きな成長を遂げたみたいな感じになっているので、そのメリハリのためと考えれば多少は許せる。



ひどいのが武市半平太。竜馬の物語では序盤の最重要人物と言ってもいいほどの役割なのだが、演じる大森南朋は全く合っていない。半平太と言えば、眉目秀麗、物静かで感情を表に出さず、学問にも剣術にも秀でる傑物である。ところがこのドラマの半平太は、常に怒っていて、ガツガツしており、高貴さの欠片もないのだ。半平太のガツガツさはあくまで内面的なものであって、表に出してはいけないだろう。……というのが一般的な竜馬ファンの半平太観じゃないだろうか。



岡田以蔵は佐藤健という俳優。全く知らなかったのだが、ほっそりしたイケメンで、ジャニタレかと思ったが違った。仮面ライダー出身とのことなのでさほど遠くはないが。第一印象では、こんなヤワーいヤツに以蔵が演じられるのか?…だったのだが、なかなかどうしていい演技をするので驚いた。これから人斬りの迫力をどう演じていくのが注目。




さてさて、方言について。

地方が舞台のドラマとなると気になるのが方言だ。
出演している広末涼子と島崎和歌子は高知出身なのでほとんど間違いはないと思われるが、男言葉と女言葉ではまたちょっと違うだろうから、よく分からない。

が、小生の認識では土佐弁は85%くらい関西弁と互換性がある。
これが間違いでなければ、このドラマはひどい。
特に竜馬と武市が、である。

わざわざ方言指導を用意している意味があるのだろうか。

特に、福山のように(一応は)ミュージシャンを本業としている俳優の方言がひどい場合、「こいつの音感どうなってるんだ!?」と思わずにはいられない。



映画・ドラマにおける方言の扱いについてはまた別エントリで。




どうでもいいことなので最後に書くが、春猪役のナントカっていうAKB。

彼女のルックスにはいろいろと議論があるようだが、見ようによっちゃたま~~に可愛いと思えることはあるものの、芸能人ではかなりのブスの類に入るだろう。ましてやアイドルであり、学校の制服のようなユニフォームを着てるとなおさらである。

映画『スパイダーマン』のキルスティン・ダンスト同様、こういうどう考えても不自然な存在に対してはいろいろと考えてしまうのだ。

芸能界に物凄く強力なコネがあるんじゃないのかとか、プロデューサーに○○れたんじゃないのかとか。

予備知識がゼロだったら、あの田舎臭い感じは春猪にピッタリなんだろうなと思えるだけに勿体無い。