論語漫遊 2017年12月

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点から線、線から面に向かって(十二)

「島根半島に感謝」(二)

 

 小泉八雲を始めとし、多くの文豪達が、〈神々の首都松江〉を訪れると、必ずといって良い程、宍道湖西畔から眺める夕日の光景に感銘を受け絶賛の筆を書き残している。

近年にわかに脚光を浴びることになった出雲、これまでも夕日を敬い、祈り、願うことは、人々の暮らしの中に自然に息づいていたのですが、今年、「日が沈む聖地出雲」―神が創り出した地の夕日を巡るーとして、あたらしく日本遺産に認定されることになった。島根半島の西端、唯一天照大神を祭る、日沈みの宮(日御碕神社)や東洋一の白亜の日御碕灯台あたりからの雄大な夕日のすばらしさは、宍道湖西岸からの女性的な優雅な夕日とは、違って格別の趣きがあります。

 島根半島は、南側から見ると、女性的な風景を見せていますが、稜線を越えて北側の日本海を眺める場所に立てば、その景色は一変し、男性的な変化に富んだリアス式の海岸線が日本海に向ってキバをむく。大小の湾、入江が連続し、荒波がいたるところの碕や岩礁で白いキバをむいている。この浦々には、急峻な山肌に張り付く様に民家が集積し、小さな漁村集落を形成している。いつのころからは、はっきりしませんが、古代よりこの浦々を巡礼する辺地信仰の風習が行われていたのですが、戦後はしばらく下火であった様です。

半島にある四十二浦を西から東に向って二週間に亘り各浦々を巡礼し、浦々にある神社に祈りをささげ、持参した竹管に磯から汐を汲み、二週間かけて半島を一周する。二週間の日々の宿は、各浦々の善根宿に一夜を乞う。東端の美保の岬を越えて巡礼を終えると、半島の中程にある古刹一畑薬師に参詣し、満願を上梓し結願を果す。熊野、能登等昔から辺地巡礼の風習は残っていますが、島根半島四十二浦巡りの風習も、その一つとして、最近再び活発に行われるようになったと言われてはいますが、ますます将来に向けて続いてゆくことを祈っている次第です。

 一年間、駄文を積重ねて参りました。出雲のことはあまり知られていないことが多いので、という要請もあり、論語とは遠く離れたテーマで終始いたしましたこと、心からお詫び申し上げます。皆様のご寛容に感謝申し上げます。

 志業はその行詰りを見せずして、

 一生を終るを真実の心得となす。

 成功は一分の霊感と九分の流汗に由る。

 退屈は死の予告と知るべし。      (完)

 

めだか論語普及会顧問・本会山陰連絡事務所代表 小谷 忠延