『黄土の奔流』

故・生島治郎先生のこの冒険小説を、ナインズ使って表現してみましたウインク

この小説は私、30年以上前に某漫研の特集同人誌で初めて知り、その後夢中になって読み耽ったシリーズで、下記の四作より成っています(<>は発表年度)。

①黄土の奔流<1965>

②夢なきものの掟<1976>

③総統奪取<1990>

④上海カサブランカ<2001>

 

1923年の上海を舞台とする『黄土の奔流』は、手に汗握る冒険小説であるのみならず、心躍る「バディ小説」ともいえまして‥‥特に物語に登場するこの下矢印イケメン二人の絡みが、まあ色んな意味で楽しめますグラサン

 

『黄土の奔流』のジオラマを作るにあたり、背景は出来得れば小説の舞台である上海、あるいは揚子江が欲しかったのですが手持ちに無くえーやむなく航空会社カレンダーの「武漢の建物」を使ったのですが‥‥なかなかに良い雰囲気の「中国感」が醸し出されたように思えますニヤリOK


それではストーリー及び登場人物のプロフィールを紹介しましょうウインク

 

銃紅 真吾(クレナイ シンゴ)

17歳の時に上海に渡り、父親の興した貿易会社を父亡き後も営んでいたが、内地より押し寄せた資金力のある競合会社に敗退し、32歳の誕生日を間近に、その貿易会社の倒産を決意する。

 

無一文となった紅は、[紳士らしく]ふるまう最後の晩餐の席で、大阪の大手商社マン・沢井を、カモにしようとするタチの悪い娼婦一味から助けた縁により、品薄で価格高騰している歯ブラシ用の高価な豚毛を重慶まで赴いて買い付ける、という一攫千金の話を沢井から持ちかけられる。

 

話を請けて船を仕立て、重慶までの揚子江数千㌔の旅に出る紅‥‥だがその行程には、数々の難所、そして難敵が待ち構えていた‥‥というストーリーの、主人公です。

 

とにかくこの紅さんという人、優れた体格に明晰な頭脳、豪放磊落な性格で度胸も人情もふんだんに持ち合わせ、語学は堪能、実戦向けの武術に秀で、銃器類の扱いも巧み爆  笑


当時まだ若かった私をして、「なるほど~[男の描くかっこいい男]ってこれなのね~~チュー」と、つくづく納得させてくれた主人公であります。

紅 真吾の経歴や人物設定は、上海で生まれ戦後日本に帰国し、その後日本のハードボイルド小説の基礎を築いた、作者である生島治郎先生を大いに反映しているようですねニヤリスーツナインさんが実に実に気持ちよさそうに、そしてかっこよく演じてくれましたラブラブハート



ナイフ葉 宗明(ユエ ズォンミン)

紅が沢井を助ける過程で知り合い、重慶への旅を共にすることになる男。中国武芸全般に秀で、更に投げナイフの特技も持つ。

中国-日本の混血で日本留学経験があり、日本語堪能。日本人・葉村 宗明(ハムラ ムネアキ)を名乗る場合もある。

 

女と見紛う秀麗な顔立ちだが、その右半面は火傷の痕に覆われている。『黄土の奔流』では終始謎めいた油断のならない男として描かれ、彼の目的そして異相の理由は、ストーリーが進むにつれて明らかになっていく‥‥。

 

シリーズ全作に登場し、常に紅とバディを組み、第三作『総統奪取』では紅をして、「ぼくには兄弟みたいな男がいるんですよ。奴とぼくとは切っても切れない相棒なんです」‥‥とまで言わせる存在です。


葉さんのキャスティングにあたっては、当初パジャマナインさんを考えていました。演出の為の小道具としてチャイナ服と投げナイフが必要なので、メルカリで両方いい感じのブツをゲットはしたものの、それでも「赤毛の中国人ってのもな~~えーそれに顔の火傷痕どうしよう‥‥キョロキョロナインさんのお顔にマステとか貼り付けるのも、色移りの点で怖いしさぁ‥‥ニヤリ」と悩んでいる時に、メルカリに現れたのがこの方!タックパンツナインさんです!!「これだーーーっグッ爆  笑クラッカークラッカークラッカー」ソッコー、ゲットしましたよ。

 

はい、ナインさんがいきなりもうひとり増えましたーーーグラサン六分の一男子はあとエイトくん一体で打ち止めにしようと思っていたのに~~ナイン沼おそるべし笑い泣きそれでもこの、顔半分に髪のかぶさる鬼太郎ヘア右矢印右矢印葉さんのイメージにピッタリですラブ黒髪だしねラブラブ

ゲットしたチャイナ服はバービーケンサイズ。身幅と着丈はちょうどよいのですが、袖丈が少し長くて腕を下ろすと指先が隠れてしまいます‥‥が!かっこいい龍の絵柄で、とても丁寧に作られた作家さんモノハート自分で作らずに済みましたチューちょっとゴージャス過ぎな感アリですが、葉さんのイメージにバッチリ合っています。

 

さて、この記事を書く為に生島治郎先生について調べていて、『上海カサブランカ』が最後の作品となったこと、そして脊椎障害のため口述筆記で執筆されたのだ‥‥という事をはじめて知り、少しばかり胸が痛みました。

『黄土の奔流』シリーズ四作は上記した通り10年~20年のスパンで発表されていますが、実は後半に書かれた③④に対する私の評価は、申し訳なきも「イマイチ」なのです。作者の熱意とパワーとエンタテインメント性溢れる①②に比べ、③は実在の人物を登場させた興味深いエピソードを扱ってはいるものの「これ、紅と葉の話にする必要があったのか‥‥!?」な感想でしたし、更に④に至っては、「これはもう、自分の読みたい紅と葉ではない」感が満載だったからです。

それでも生島先生としては、作家活動の締め括りとして、いわば自らのルーツともいえる「紅 真吾シリーズ」を書こう、いや書かなければならない、書いておかなければ‥‥という気持ちになられたのかもしれませんね。