理由なんて見つからないくらい、気がつけば餃子が大好きだった。
晩ごはんが餃子の日はママのお手伝いを進んでした。
二人でキッチンに立ち、調理台いっぱいに餃子の皮を並べ、タネを乗せて一気に包んでいく。
その姿はまるで修行僧のようだと、パパはホットプレートを用意しながら決まって笑っていた。
我が家ではハンバーグに続くママの味で、私が何度作ってもママの作る餃子の味になるくらい染みついている。

$エッセイスト料理家ROMAKOの『好きな人と好きなモノを好きな時に好きなだけ食べる』-餃子


ママと並んで作って食べた、全盛期60個を収めた胃袋の旺盛な食欲にはもう叶わないけれど、
今でも家で餃子を食すときは前菜でメインでデザートだ。
そんな娘の今宵を、電話の向こうのママは嬉しそうに笑う。

だから約束しよう。
次の実家帰省では背の高さも役割も逆転してしまったけれど、ママと並んで作ろう。
きっと変わらずパパがホットプレートを用意して、今日は何の修行なんだ?と聞いてくるから。
包みながらママとその答えを相談しよう。