私の遠足のお弁当は、サンドイッチが多かった。
サンドイッチと紅茶という組み合わせで、山だの海だのいろんなところで頬張るのが嬉しかった。
サンドイッチの香りと紅茶の香りが風と重なって、鼻先で小さな渦を巻いていたのが忘れられない。
冷めてしまったキャベツがたっぷり詰まったホットサンドも、くるくると巻かれたなんでもない胡瓜のサンドイッチも、
ハムやチーズ、レタス、そして大好きだったのは卵だった。
何ひとつ凝っていない、ママが作るいつものサンドイッチは遠足という子どもの足にはちょっと遠い、
家族と少しだけ開いてしまった距離を縮めてくれる大事なランチだった。

$エッセイスト料理家ROMAKOの『好きな人と好きなモノを好きな時に好きなだけ食べる』-バゲッドサンド

もうマヨネーズも白いサンドイッチ用のパンも使わなくなった私だし、スタッフィングもランチ、というよりワインのお伴に近い。
そして、紅茶よりも珈琲との組み合わせがもっと好きになってしまった。
それでもサンドイッチの思い出を引っ張り出して、気持ちだけは乗っけて作る。

そんな思い出を語る、“私のランチ”というサンドイッチ専門店を夢に見た。
目覚めてパクる自分を笑う。
そんなことより、今はパンケーキ。