酒席の話題にこと欠かない場所がある。
宴をすれば、私が必ずうずうずと話してしまうジムの浴室での光景だ。

$エッセイスト料理家ROMAKOの『好きな人と好きなモノを好きな時に好きなだけ食べる』-蛸のスパゲティ

しかも、蛸のスパゲティときたら、喋らずにはいられない。
蛸、というワードが火をつける。

同年代の密度が高くなると、ギャップがない分つまらないのだけど、20代とおぼしき裸体の、ハリツヤとも申し分なく、
ぱーんと水を弾くそのお肌にうっとりしたと思えば、ドレープを描くそのお肌におののき、骨皮筋子さんや、
お年を召されていてもシミひとつない背中や、綺麗な黒々とした▼をお持ちの方を私は失礼にも程があるほど凝視している。
なんせ惹き付けて止まない以前はこうだった~から、将来はこうなるのかもという標本だらけなのだ。
申し訳ないと心中で謝りつつ、自分のアンチエイジングへのモチベーション向上に、一役かっていただいている。
自分の主観であんな風にはなりたくないと思ったり、こんな風になりたいと思ったり、これはしょうがないと思ったり、やっぱりねと思ったり。
勝手に私の中で悲喜こもごもだけれど、これだけは言える。
名は体を表す、よりも、性格が全て身体に現れている。
ストイックな体つきをされている方は、タオルの巻き方からしてビシっとしている。
ぼっちゃりとした体つきをされている方は、のんびりとされている。
男っぽい体つきをされている方は、のっしのっしとしている。
太ったことがなさそうな華奢な身体つきの方は、髪をかきあげつつモンローウォークだ。
たわわなおぱーいを持つ方も同様だ。
だけど、一番多い体つきは、結局なんにもしていない身体だ。
あきらめているのか、そんなものだと思っているのか、そのまんまな感じで興味がなさ気なのだ。
私には確認できている、太ももや臀部にはびこるセルライトをきっと知らないだろう。
そして、そうゆう身体の方は一応にお顔が悪くないのだ。
やっぱり顔って重要だ。
それで許されることがなんと多いことかと思う。
だから、私もジャグジーに浸かりながらせっせせっせとリンパマッサージを施し、手足、特に顔のマッサージをしているのだ。
そんな私は、悲痛に近い必死さがモーレツに発しられていると思う。
そうそう、20代とおぼしき女子たちは楽しそうに器具で顔をぐりーんぐりーんとしていたっけ。
私も持ち込んでぐりーんぐりーんとしようかしら。
私のそれは脇に置き、許されるなら、あぁ、許されるなら撮りたい。
同意を得るために。
納得を得るために。
説得力をつけるために。

いいえ、酒席を盛り上げ、酔っぱらいの愉しみのために。