その人は、私のことをROMAちゃんと呼ぶ。
その人が、私をROMAちゃんと呼ぶたび、私は懐かしい気持ちになって、思わず微笑んでしまう。
目の前にいたその人の世界はペパーミントグリーンだった。
すっと、こともなげに私のレベルに、グレードを落としにっこりと微笑む。
いつも前置きが長くて、落ちを忘れる私の話に爆笑してくれる。

その人の前置きも相当長かった。

表参道のレストランでイベントに参加していた。
お料理の話、お酒の話、思い出の話、あちこちに話の振り幅は酷くなるばかりで、
コロンボなのに、『それは普段使わないから、コロンボじゃなくってよっ』と
鼻の穴を膨らます私の相手をしながら、その人の心はあるひとつのことに向かっていたはずだ。
$好きな人と好きなモノを好きな時に好きなだけ食べる-サプライズクッキー

これを虎視眈々と、と言わずなんと言おう。
レストランスタッフ全員と結託していた。
グラス7杯を空けデザート前の一瞬、マイクから私の名前が発せられた。
食感シーソー出版おめでとうのサプライズが用意されていた。
イベントに参加していたゲストから、浴びせられる拍手が気恥ずかしい。
一言と、差し出されたマイクに上手く喋れない。

本当にありがとう。
月並みでごめん。

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