製作:2005 ベルギー・フランス
監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ 、リュック・ダルデンヌ
出演:ジェレミー・レニエ、デボラ・フランソワ、ジェレミー・スガール
ファブリツィオ・ロンジョーネ、オリヴィエ・グルメ
ストーリー>
20歳の青年ブリュノは、少年たちを使って盗みを働き、盗品を売ってその日暮らしをしている。
住まいは18歳の恋人ソニアのアパートに2人暮らし。
ある日、ブリュノの子を出産したソニアが病院から退院してくると、
アパートはブリュノにより他人に貸し出されていた。
ブリュノは子供を見ても何の実感も感じず、相変わらず定職に付かない。
ブリュノはソニアに子どもの世話を頼まれた間に、子どもを売ってしまう。
ネタバレあり感想>
「息子のまなざし
」のダルデンヌ兄弟が監督です。
今回も音楽無し、過剰な演出も無し、淡々としたドキュメンタリータッチ。
貧困な若者が目先のお金の為に、ケチな犯罪を続けていき、
仕舞には自分と恋人、子供の人生を取り返しのつかないものにしていきます。
映画の舞台のベルギーは、失業率20パーセントだそうです。
ブリュノがあまりにもセコくて馬鹿なので腹立たしく見てました。
年齢的には大人だけれど、彼は非常に未成熟で子供。
壁に靴底の痕を付ける遊びや、川遊びなど、大人は楽しくありません!
彼の子供の部分を上手く表してました。
またソニアも出産して母親の自覚が芽生えては居ますが、
ブリュノとはしゃぎすぎて、役所に行くのを忘れちゃうダメっぷり。
ブリュノがダメすぎて目立ちませんが、ソニアもけっこうダメ子です。
子供を売られたことを知ったソニアがショックで倒れて初めて、
大変なことをしてしまったと気がつき、子供を取り返しに行く。
この辺りが理解しかねるところなんだけど、ブリュノは深く考えないで
大罪犯しちゃってるんですね。
こういうのって、少年犯罪に良くあるパターン?
遊ぶ金欲しさや、軽い気持ちで犯罪しちゃって、後から
「大変なことをしてしまった」って気がつく。
映画の中で1回だけブリュノの母親が出てきますが、息子に無関心で
自分の好きなように生きています。
ブリュノを駄目な奴と思うけど、こういう大人を作ってしまう社会や親にも問題があるわけで。
若いカップルが育児放棄するニュースも多いので、暗い気持ちになりました。
映画の終わりで、ブリュノは盗みを働いて捕まった少年のことを見捨てない。
初めて大人として責任を取りました。
そして面会に来たソニアと2人、号泣します。
今後の2人は益々前途多難、出所後に校正するかどうかは2人次第ですが
ほんの少しだけ希望が見えなくもないラストでした。
