満足療法で、最初に取り上げるべきは、

やはり「白隠内観法」です。


 これは中国は隋の天台宗開祖である

天台智者大師・智顗(ちぎ)[天台智顗と略称]による

「天台小止観」を基に白隠禪師が

内観法としてまとめられたと言われていますが、

満足療法を実践する際の基本になるものです。


 まず、『天台小止観』のうち、

白隠内観法の土台となった部分を取り上げましょう。


天台小止観 第9章 治病患(治病の方法)には、

「治病の方法には多くのものがあるが、

要は二つに集約される」とあり、

その一つが、「臍下一寸を憂陀那(うだな)と名づく、

これを丹田と言う。

もし、よく心を止(とど)めて、

これを守りて散ぜず、逕(経)ること久しければ、

即ち多く治するところあり、と。

また、ある師のいわく、

つねに心を足下に止めて、

行住寝臥を問うことなければ、

即ちよく衆病を治す、と。」です。


要するに、「四六時中いつも、

心を丹田と足下に止めれば、

多くの病が治りますよ」と説かれているのです。


前回ブログの図2で示されるように、

部分即全体の法則で、

腹部では両足に相当する部分が丹田にもなっており、

心を丹田に止めることは同時に

心を足下に止めることにもなります。


天台小止観のこの部分が土台となって

白隠内観法ができたわけですが、

その内観法は以下のとおりです。


「白隠内観法」
1、わがこの氣海丹田腰脚足心、

 まさにこれわが本来の面目、

 面目なんの鼻孔かある。

 
2、わがこの氣海丹田腰脚足心、

 まさにこれわが本分の家郷、

 家郷なんの消息かある。


3、わがこの氣海丹田腰脚足心、

 まさにこれわが唯心の浄土、

 浄土なんの荘厳かある。


4、わがこの氣海丹田腰脚足心、

 まさにこれわが己心の弥陀、
 弥陀なんの法をか説く。


註: 氣海 臍下一寸五分にある

 任脈上の経穴名でもありますが、

 「氣海丹田=丹田」とご理解下さい。


この内観の四句を唱えて、

白隠さん方式で正式に行っても良いのですが、

なかなか多忙な日常のなかでは難しいので、

六角田中医院バージョンですが、

姿勢に関係なく、小声もしくは心の中で唱える、

あるいは常に意識するだけでも良いと思います。


 もとより、天と地(エ)を結び、

真我(人)と自我(人)を結ぶこと(巫)を土台とする

毉療を実践しようとする当院では、

頭頂部は宇宙の中心に、

足の下は地球の中心につながっている

と意識することを重視しますが、

万病相火一元論・頭寒足熱論の観点からは、

足下を意識することがより重要になります。

最近のことばで言えば、グランディングが大切だということです。


 前回ブログ図2のように、

丹田は腰脚足心でもあり、

腰脚足心は丹田でもあります。

そして、丹田腰脚足心は文字どおり腰部にあたりますが、

「腰は腎の府」と言われるように、

丹田腰脚足心に絶えず意識を止めることは

腎を強化することになります。


 つまり、白隠内観法は腎を強くし、

衆病(諸病)の予防と治療に効果が期待できるのです。

当然、アンチエイジングにもです。