【年末雑景】

(宇都宮ベルモール周辺)

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 ある日、司法の中枢を担う〇〇庁〇〇局長宛に一本の電話が入った。

 「もしもし、母さんだけどね。『公費の使い込みがバレそうで困ってる』という、お前からの電話があったんで、慌てて街の消費者金融から借りて振り込んだのはいいんだけど、その返済期限が今日なんだって。今日中に返済しないと、お前の職場まで行って全てを公表するって言うんだよ。お前の立場もあるだろうし、もう母さんにはどうにもならないよ」

 「何をやってるんだい母さんは。それってオレオレ詐欺じゃないか、しょうがないなー。後は俺がなんとかするからさ、、もういい加減にしてくれよ」

 調べたところ貸し付けた消費者金融に違法性はない。身に覚えはないとはいえ、些細なことから、やっとの思いで上り詰めた社会的地位まで汚されたくはない。仕方なく支払ったものの、ある事実に気付いて愕然とする。

 「あっそうだ!! 俺のお袋って10年前に亡くなっていたんだ・・」

☆★(>_<)☆★

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 これは笑い話だが、そうとは限らないことも数多くある。

 かつて、こんな詐欺があった。紳士録や会社職員録を使った恐喝詐欺だ。対象は高齢者ではない。掲載されるだけあって社会的地位のみならず見識も高い。誰もが最も騙されにくいと思っていた相手ばかりがターゲットになった。

 ある日、突然に『あのこと』を公表されたくなければ、、といった類いの脅迫状が届いた。無作為に抽出した相手にである。凡人なら直ぐに棄ててしまうだろう。だが彼らは違った。何かしら身に覚えがあるらしく『あのこと』だけで多くの有識者が騙されてしまった。

 被害者数は把握できない。だが、その殆どが『あのこと』の発覚を恐れて被害届を出さなかったともいわれる。やはり誰にも身に覚えがあったのだろう。それが金品授受なのか女性問題なのかは当人にしか分からない。

 騙されるのは高齢者だけではない。ある意味、表に出ない、いや出せない、こうした被害者もかなり多いのではなかろうか。

 オレオレ詐欺や融資保証金詐欺といった特殊詐欺の認知件数は(一昨年現在)1万8212件だった。7年連続の増加で被害総額たるや394億7千万円にも及ぶ。還付金詐欺に至っては1.5倍にまで膨らんでいる。

 こうした詐欺では「自分だけは絶対に大丈夫」と思っている者に限って騙される傾向にあるという。人は弱い。我が子や孫の愛しさには勝てない。金銭的な誘惑にはもっと勝てない。保身を優先すれば表にさえ出ない。詐欺は許しがたい行為だが騙される方も少しは反省すべきということか。

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《参考》

〈詐欺の主な手口〉

 〈特殊詐欺被害の推移〉

 (画像はネットから借用)

 未だにオレオレ詐欺の多さが際立つ。平成25年から28年までは頭打ちだったものの、この数年はまた急増の兆しにある。しかも被害者の年齢まで低下傾向にあるから怖い。職業や社会的地位はバリアにならない。そこの貴方だっていつ標的になるか分からないのだから。

〈主な巨額詐欺被害〉
(ネットから借用)

 ◆◆年末はこうした犯罪が多発する季節です。自分だけは絶対(に大丈夫)といった過信ほど怖いものはありません。どうか皆様もご注意を・・。

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《おまけ》


「お前たちも決してネギだけは背負っちゃいけませんよ。悪い人からカモ(鍋)にされてしまうんだからね」

「????🦆🦆」

【では、良い年をお迎え下さい】