トカラ列島で群発地震が続いている。震度1以上の地震は250回を超え昨日には十島村の悪石島で最大震度5強(M6.0)を観測。この7日には諏訪之瀬島の御岳で噴煙量が最高3000mに達する噴火があったばかりだ。2015年の口永良部島・新岳の噴火では全島避難を余儀なくされている。
このところ、インドネシアのスメル山が噴火するなど地震に火山と地球規模で相次いでおり、伊豆大島でも群発地震の様相にある。往々にして、こうした自然災害は時を同じくするもの。何やら嫌な予感がしないでもないが、この先は大丈夫だろうか。
《2015年5月の爆発的噴火》
(噴煙は高度9000mを超えた)
鹿児島の南方域は火山が多い。当然のこと地震活動も活発である。諏訪之瀬島や口永良部島だけではない。約7300年前にあった喜界カルデラの巨大噴火では西日本の縄文文化を終焉させたとも言われている。神戸大学の研究グループ(下記参照)は、もし同規模の噴火が発生するなら犠牲者は一億人に達するであろうと警鐘を鳴らす。
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(以下、原文のまま)
日本に壊滅的な被害をもたらす「巨大カルデラ噴火」と呼ばれる火山噴火が100年以内に1%の確率で発生するとの予測を神戸大の巽(たつみ)好幸教授(マグマ学)らがまとめて発表した。現時点で差し迫っている状況ではないが、最悪の場合は日本の総人口にほぼ匹敵する約1億2千万人が死亡すると試算し、観測や研究の強化を求めた。
日本では過去12万年間に阿蘇(熊本県)、十和田(青森・秋田県)などで13回発生。これらの規模と頻度を統計学的に解析し、今後の発生確率を算出した。
巽教授によると、巨大カルデラ噴火の発生確率を統計学的な手法で算出したのは初めて。100年以内に1%の確率は首都直下地震などと比べるとはるかに低いが、「いつ起きても不思議ではないと認識すべき数値」としている。次にどこで発生するかは特定できないという。
(ネット/産経記事より)
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これは日本全滅に等しい。こうはならないまでもトカラ列島の鳴動は怖い。いずれも日本列島の大地震と関わっているのだ。口永良部島が噴火に至ったケースだけを見ても下記の如くである。
○=口永良部島での噴火発生年代
●=同じ時期に起きた日本列島の大地震
○1841年、新岳で噴火
( 集落焼失、死者多数)
●1843年、天保十勝沖地震、M7.5~8.0
(死者46人、厚岸に津波)
○1931~33年、新岳の西側で山腹噴火
(七釜集落は噴石で全滅、死傷者多数)
●1933年、昭和三陸地震、M8.4
(大津波発生、死者行方不明3064人)
○1945年、新岳火口東外壁で割れ目噴火
(水蒸気噴火)
●1945年、三河地震、M6.6
(愛知県で震度7、死者行方不明2306人)
●1946年、昭和南海地震、M8.4
(房総から九州津波、死者行方不明1443人)
○1966~68年、新岳で噴火し小規模火砕流
(負傷者3名)
●1938年、十勝沖地震、M8.3
(三陸沿岸で津波、死者行方不明52人)
○1980年、新岳東側斜面で水蒸気噴火
(マグマ噴火、爆裂火口多数形成)
●1983年、日本海中部地震、M7.7
(日本海に大津波、死者104人)
○1990年、噴気、地震、火山性微動
(地震計による観測開始)
●1993年、北海道南西沖地震、M7.7
(奥尻島で巨大津波、死者行方不明230人)
○2014~15年、新岳で爆発的噴火
(噴煙9,000m以上、火砕流、全島避難)
●2016年、熊本地震、M7.0
(最大震度7、死者273人)
○2019〜20年、新岳火口で噴火
(噴煙は7000m、火砕流発生)
●202x年、、、??
このように日本列島の大地震に結び付くことが多く(熊本地震を除き)東日本に集中していることが分かる。それも1年から3年以内である。悪石島(の地震)や諏訪之瀬島の場合、破局(巨大カルデラ)噴火になる可能性は限りなく低いとはいえゼロではない。九州とその南方には巨大カルデラが控える。トカラ列島や安蘇山には過去の形跡もある。疫病に自然災害と、50年に一度、100年に一度の想定外が日常茶飯事になる昨今、何が起きても不思議ではないということか。
大地震は年末に多い。ことに12月に多い。口永良部島の噴火(2020年1月)から約2年。西之島新島に続いた福徳岡ノ場の海底火山のみならず内陸でも揺れ動く日本列島。諏訪之瀬島の噴火や悪石島の群発地震との関連は不明ながら、そろそろのようにも見える。富士山(火山帯)は大丈夫だろうか。防災の日は9月だが『震災の日』は12月でもある。くれぐれもお忘れなきよう。
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