賛否両論の中で迎えた東京五輪も終えた)
コロナ渦の東京五輪も金27銀14銅17の合わせて58個のメダルを獲得して無事終了。先ずは「めでたし、めでたし」かと言えばそうでもない。確かに金メダルにメダル総数と過去最多ではある。だが、その多くは新競技によってもたらされたものだ。スケボー、空手、サーフィン、スポーツクライミング、野球・ソフトボール(復活)がなければ、どうなっていたやら。前大会(日本の場合はリオ)よりもメダル数を減らした唯一の開催国になっていたかも知れないのだ。
(小よく大を制すの女子バスケ日本代表)
とはいえ日本選手団の活躍に疑う余地はない。サプライズを起こして準優勝の女子バスケに、旗手を務めた須崎優衣(レスリング)の全試合フォール勝ちなど、枚挙にいとまがない。メダル重視で目立たないものの、池田(銀)山西(銅)の競歩だけでなく、史上初や前大会以来57年ぶりといった『8位入賞』が相次いだ陸上陣も称賛に値するだろう。
残念なのはマラソンである。日本勢の順位のことではない。可能性を奪ってしまったことだ。1952年のヘルシンキ大会では、ザトペックが、5000m、10000m、マラソンの3種目を制覇。今回も、キプチョゲやコスゲイといった傑出した怪物がいたが、いかんせんスケジュールが合わない。マラソンが札幌開催では東京でのトラック競技には出場できない。しかも同日(翌日)に組み込まれている。マラソンで圧勝したキプチョゲはともかく、女子のコスゲイは残念(2位)な結果に終えた。これとて「暑い暑い」で大騒ぎしたマスコミの犠牲者ではなかろうか。
(念願の初優勝に喜ぶサムライジャパン)
一方、???もある。日本全国を歓喜の渦に巻き込み、最高視聴率を上げた試合に水を差すようで申し訳ないが、野球のどこが世界一決定戦だったのだろうか。シーズン中であり大リーガーは参加していない。マイナーとて同じだ。誰もがメジャーでの活躍を夢見ているだけにオリンピックどころではない。結局、国内リーグが盛んな日韓を除けば参加者は、リタイアした元大リーガもいないではないが大半はマイナーの落ちこぼれか海外組で占められている。
メンバー表を見て笑ってしまった方も多いかと思う。何と日本在籍組が多いことか。NPB(プロ野球)だけではない。独立リーグからも選ばれている。ドミニカ投手陣は巨人のサンチェスとメルセデスが二枚看板であり、アメリカでさえ、マルチネス(SB)マクガフ(ヤクルト)オースティン(DeNA)、ディクソン(元オリックス)が主力といった具合である。その他大勢は日本でも二軍以下のレベルなのだ。
韓国はアメリカ戦の結末に怒り心頭の様子。負けたからではない。格下の相手に足元を掬われたのが余程悔しかったようだ。やはりオリンピックに野球はそぐわない。勝った瞬間、大声で歓喜した当人が言うのも可笑しな話だが、メジャーリーガーが参加しないのでは意味がない。各国に分散し、NBAのスターが数多く出場したバスケットに比べて、どこか釈然としないのは愚生だけだろうか。ともあれ、混乱の渦中にあって、オリンピックの夏季大会は幕を閉じた。次はパラリンピックへと引き継がれる。
(パラリンピックに於ける競泳種目)
このパラリンピックだが種目数はオリンピックよりも遥かに多い。水泳だけでも、肢体不自由、視覚障がい、知的障がい、聴覚障がい、その他のコースに分かれ、障がいのクラスによって更に細分化されている。介助を必要とする者も多数参加することから、ある意味、オリンピックより“大規模”といっても過言ではない。なのに、オリンピックが終えた途端、反対派に目立った動きがないのは何故だろう。デモ隊も解散してしまったようだ。これまでが単なる政治的パフォーマンスだったのだろうか。
これを「さすがに日本人はモラルが高い」と誇るべきか、「節操がない」と呆れるべきなのか、どちらだろうか。ボッチャだけではない。基礎疾患を抱える選手も数多く来日することからも、オリンピックよりパラリンピックの方こそ憂慮すべき対象であろうに。せめて、コロナ急拡大の只中でもあり、「パラリンピックは秋に延期を」ぐらいは言い続けて欲しかったものだが。
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《折り紙》
(兜町通信)
「宴の後は、カブ(株)ト、ナマズ(強い地震)にも御注意を!」
※【折り方は過去記事にて↓↓】





