4月も半ばを過ぎて今年もまた地震が増える傾向にある。この18日には宮城県沖を震源にM5.8の地震があり最大震度4を観測。19日にもM4.7(同4)と続いた。中(小)規模なものを含めれば北海道から九州・沖縄まで満遍なく揺れ始めている。久しく静かだった伊豆地方(諸島)にも群発の兆しが出てきた。トカラ列島に相次ぐ地震活動は長期化の様相である。この数日以内には関東地方でも(やや強い規模で)あるかも知れない。

(桜吹雪も束の間)
(3月下旬)

(北関東も新緑の季節になった)
(4月21日)

 やはり、桜の季節に地震は少ない。桜も散って新緑の季節になるや増える傾向にある。4年前(2016年)もそうだったが、花見も終えた頃合に熊本地方を大地震が襲った。そして桜前線を追うかの如くに地震も北上した。6月には内浦湾(北海道)に到達して最大震度6弱を観測している。

 理由はともあれ、桜花シーズンに大地震(M7超)はなく、新緑と共に巡ってくる。あくまで震源域であり、遠方で発生した(巨)大地震の余波は除くものの、桜の開花期に合致した大地震は歴史的にも皆無なのだ。

 だから、この季節に大地震が、、というのではない。過去から導き出しただけで科学的根拠もない。しかしこれから増えることだけは確かだ。大地震は年末から3月に多く、4、5月は少ないとはいえ、それも歴史に残る巨大地震であり、善光寺地震や熊本地震といった規模では4月から5月にかけて多く発生している。

 1800年以降(4月から5月)に発生した規模の大きな被害地震を見てみよう。そして、これらも桜の散った直後である。

☆1847年05月08日、善光寺地震、M7.4
 山崩、河川決壊など、死者1万から1万3千人

☆1925年05月23日、北但馬地震、M6.8
 豊岡市で最大震度6。死者428人

☆1939年05月01日、男鹿地震、M6.8
 死者27人

☆1974年05月09日、伊豆半島沖地震、M6.9
 南伊豆町、最大震度5。死者30人

☆1983年05月26日、日本海中部地震、M7.7
 日本海に大津波、死者104人

☆2013年04月13日、淡路島付近、M6.3
 淡路島で最大震度6弱

☆2016年04月14~16日、熊本地震、M7.3
 最大震度7、死者258人

 ことに伊豆地方はこの時期に多い。

 この50年を遡っても・・。

★1974年5月9日、伊豆半島沖、M6.9、震度5
 (重複)南伊豆町で最大震度、死者30名

★1980年6、7月、伊豆東方沖群発、M6.7
 熱海市で最大震度5

★1989年6月~、伊豆東方沖群発、M5.5
 伊豆東部火山群の海底火山が噴火

★1998年4~5月、伊豆東方沖群発、M5.9
 伊豆大島、熱海、伊豆市で最大震度4

★2000年6~8月、新島、神津、三宅島で群発
 三宅島で7月に噴火、最大震度6弱

★2006年4月21日、伊豆東方、M5.8、震度6弱
 伊東市、伊豆市など伊豆半島で被害多数

 このように4月から6月には伊豆(諸島含む)富士火山帯を揺らすケースが多々見られる。ご多分に漏れず今年もまた数日前から動き始めた。こうした中では関東地方もよく揺れる。歴史に残る関東の大地震は伊豆地方(諸島)を起点にすることが多い。新緑の行楽シーズンは比較的安泰とはいえ、その逆もまた然り。油断は禁物ということだ。

 因みに、意外と知られていないが、1293年05月20日にはM8超の巨大地震が南関東を襲っている。鎌倉地震と称され、死者は2万3千人にも及んだ。当時は人口希薄な関東地方にあって甚大な被害地震でもある。

 この地震の数年前(1290年9月27日)には中国・河北省でも死者10万人に達する渤海地震があった。最近でも、2008年5月12日にはM8の四川大地震(2013年にも大きな余震)発生しており、死者行方不明8万7千人という甚大な被害を出したばかりだ。コロナ渦で世界が疲弊している最中でもあり、日本列島に限らず『歴史は繰り返す』にならねば良いが・・。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

《追記》

(この季節では史上最大とされる台風2号)
(ネットより引用)

 4月では異例ともいえる猛烈に発達した台風2号は日本の遥か南海上を北上している、何と最低気圧は895ヘクトパスカルであった。大地震ほど強い低気圧(台風)の通過後に多い。関東大震災のみならず、阪神淡路、中越地震、東日本大震災も似た状況にあった。太平洋の遥か沖だけではない。タイムラグはあるものの日本列島(近海)に及ぶ可能性も排除出来ないので、、念のため。