プロ野球も序盤を終え、セ・パ両リーグとも観客数は好調のようだ。

セリーグは98試合を消化して、3.095.910人を動員し、1試合平均では昨年比0.9%増の31.590人である。

パリーグは93試合を消化して、2.379.465人を動員し、同じく1試合平均では5.8%増の25.585人である。

やはり、パリーグの健闘が目立つ。熊本地震の影響もあり、試合数も少なく、県外からの集客を減らしたソフトバンクホークスの数字を差し引いても、全体では観客数を大きく伸ばしている。好調なロッテのみならず、その他の球団も頑張っているのだ。

特筆すべきは巨人だ。戦前の予想に反して大健闘ではないか。首位戦線に踏みとどまる成績もさることながら、観客動員数だって負けてはいない。14試合で618.649人を集め、1試合では44.189人と、昨年の平均(42.270人)より2千人以上も増やしている。

巨人の場合は、器の小さな熊本での試合が地震中止になっているとはいえ、それでも凄い。菅野の快投もあるが、それだけだろうか。昨年までなら如何に成績好調でも観客数は伸びなかった。加えて今年はスキャンダルの雨嵐である。賭博疑惑で世間を騒がせ、宣伝効果抜群?だったにせよ、春の珍事としか言いようがない。

1970年、西鉄ライオンズは625.000人の観客を集めた。黒い霧事件は、この年のオフに発覚した。すると翌年には367.600人と半減してしまった。球団は維持できない。結果として身売りに至ったのは周知の通りである。

何故だろうか。理由はひとつだ。NPBが甘い。球団も甘い。何より“ファンが甘い”の一言に尽きる。サッカーでは数人のサポーターがとった差別的行為で無観客試合を強いられている。巨人の場合は選手自身の不正にも関わらず、球団自体には、なんのお咎めもない。

野球協約の曲解にも問題がある。闇カジノやバカラ賭博でも数人の名前が上がったが、野球賭博以外は協約に触れていないとして、どれも厳重注意で済ましている。ならば、バドミントンでも、協約には闇賭博禁止条項がないことを理由に、田児や桃田には厳重注意だけで済ませることも可能だった。こんなのおかしい。

福岡のプロ野球は厳しいファンの目があったからこそ立ち直った。だから、紆余曲折はあったものの、ソフトバンクには、12球団屈指の応援団がいる。

この先、薬物問題も控える。大リーグでは、昨年の首位打者であり盗塁王でもあるマーリンズのゴートンが摘発され、長期に渡る出場停止処分を余儀なくされている。これまでにも、コロン、テハダ、A.ロッドなど、球史に残るスーパースターが、ステロイド(筋肉増強剤)の使用発覚で次々と摘発されているのだ。

日本だって例外ではない。大リーグに(ドーピング違反が)相次いでプロ野球にいない道理はない。プロ野球選手は聖人君子ではない。ただ(ドーピング)検査を怠っているだけだ。ならば必ず大問題になって跳ね返るだろう。その時になって『甘やかしに』気付いても手遅れでしかない。

★追記☆
野球賭博に関して「笠原以外に首謀者がいる」との情報が一部の報道機関から出てきた。それも元4番を打った大物だそうだ。現役ではないにせよ、もし“あの人”なら、今度こそ収拾がつかない。無観客試合程度で済むだろうか。