厚生労働省は1月1日、昨年の人口動態統計を発表した。出生数は、5年ぶりに前年を上回り、4千人増えて100万8千人となった。理由としては、好調な雇用情勢、そして子育て環境(保育所の整備)が良くなったことなどをあげ、結果として今年の合計特殊出生率も前年を上回るのでは、としている。
なにを馬鹿げたことを言っているのか。増えたとはいえ死亡数は更に多い。前年よりも2万9千人増えて戦後最多の130万人を超えた。自然減は29万4千人へと急拡大している。出生数の増加も一過性にすぎない。晩婚化と団塊ジュニアの後期出産が重なっただけだ。
婚姻件数は一時の半分以下の63万5千組にまで激減し増える要素は何もない。晩婚化も阻害要因として拡大する。現在の平均初婚年齢は、男性が31.1歳、女性が29.4歳だが、この20年間だけで約3歳も上がっている。女性には失礼ながら、出産は40の半ばが限度で、50歳なら至難の業だろう。
現在、31歳の男性が75万人、29歳の女性が71万人と合わせて約146万人が存在するが、25歳になると約130万人にまで縮小する。しかも年々減り続け、2、3年後の出生数は百万人割れ必至の状況にある。この先、晩婚化は更に進み、非婚率も一段と上がる。すると、瞬く間に、生涯独身3割の時代が到来してしまう。これで、どうして「出生数に改善の兆し」などと言えようか。
やはり原因は貧困にある。非正規労働者が3人に一人(37.4%)の社会なんて異常だ。しかも20年前の15.3%から倍増している。厚労省は出生数の改善を「好調な雇用情勢」、としているが、なにが好調なのだ。年収180万未満の貧困層を2263万人にまで増やしただけではないか。
今、子供達の貧困が問題になる。6人に1人(16.3%)が相当するが、1日一度の食事にすら事欠く子供さえいる。貧しさから学校にも通えない。第2子なんて絶対に無理だ。それ以前に結婚さえ出来ない。待機児童を少しばかり減らしたところで焼石に水にもならない。子育て環境の改善などと、どうして言えようか。
人口維持の置換水準は2.07だが、これとて当てにはならない。合計特殊出生率は人口構成が健全であって成り立つ。我が国の人口ピラミッドは逆三角形である。2.07でも一定期間は減り続ける。昨年が僅かに増えたとしても、1.50がやっとだろう。これは滅亡に等しい数値だ。現状維持なら、3.50が必要であり、2.07でさえ一億人を割り込まなくては止まらない。このままでは日本社会は確実に消滅する。
この際、人口問題に関わる政治家や研究機関の面々には、電気、ガス、水道もない、2日1食のドン底生活を体験して頂いてはどうか。それも最低1年間は絶対条件だ。衣食住に事欠いて初めて貧困を認識できる。さもないと、この国は、本当に滅んでしまう。
なにを馬鹿げたことを言っているのか。増えたとはいえ死亡数は更に多い。前年よりも2万9千人増えて戦後最多の130万人を超えた。自然減は29万4千人へと急拡大している。出生数の増加も一過性にすぎない。晩婚化と団塊ジュニアの後期出産が重なっただけだ。
婚姻件数は一時の半分以下の63万5千組にまで激減し増える要素は何もない。晩婚化も阻害要因として拡大する。現在の平均初婚年齢は、男性が31.1歳、女性が29.4歳だが、この20年間だけで約3歳も上がっている。女性には失礼ながら、出産は40の半ばが限度で、50歳なら至難の業だろう。
現在、31歳の男性が75万人、29歳の女性が71万人と合わせて約146万人が存在するが、25歳になると約130万人にまで縮小する。しかも年々減り続け、2、3年後の出生数は百万人割れ必至の状況にある。この先、晩婚化は更に進み、非婚率も一段と上がる。すると、瞬く間に、生涯独身3割の時代が到来してしまう。これで、どうして「出生数に改善の兆し」などと言えようか。
やはり原因は貧困にある。非正規労働者が3人に一人(37.4%)の社会なんて異常だ。しかも20年前の15.3%から倍増している。厚労省は出生数の改善を「好調な雇用情勢」、としているが、なにが好調なのだ。年収180万未満の貧困層を2263万人にまで増やしただけではないか。
今、子供達の貧困が問題になる。6人に1人(16.3%)が相当するが、1日一度の食事にすら事欠く子供さえいる。貧しさから学校にも通えない。第2子なんて絶対に無理だ。それ以前に結婚さえ出来ない。待機児童を少しばかり減らしたところで焼石に水にもならない。子育て環境の改善などと、どうして言えようか。
人口維持の置換水準は2.07だが、これとて当てにはならない。合計特殊出生率は人口構成が健全であって成り立つ。我が国の人口ピラミッドは逆三角形である。2.07でも一定期間は減り続ける。昨年が僅かに増えたとしても、1.50がやっとだろう。これは滅亡に等しい数値だ。現状維持なら、3.50が必要であり、2.07でさえ一億人を割り込まなくては止まらない。このままでは日本社会は確実に消滅する。
この際、人口問題に関わる政治家や研究機関の面々には、電気、ガス、水道もない、2日1食のドン底生活を体験して頂いてはどうか。それも最低1年間は絶対条件だ。衣食住に事欠いて初めて貧困を認識できる。さもないと、この国は、本当に滅んでしまう。