ギリシャの財政危機が予断を許さない。株価も大きく下落している。日本も他人事ではない。ギリシャは対外債務だが日本は多くが国内債務だ。国の借金1024兆円も我々の預貯金が人質に取られているようなものだ。日本だったらどうなるだろう。
ある日、突然に金融業務が停止される。給与も年金も支給されない。健康保険は使えない。やっと探し出したタンス預金も天井知らずのインフレで紙切れでしかない。生きる術がない。完全にホームレス状態だ。
誰もが思っていた。日本はいい。ホームレスだって生きてゆける。だが違う。現実は厳しい。食べ物がない。今や、期限切れ食品の回収は指定業者に一任されている。スーパーマーケットもコンビニもごみ箱を置かない。だからホームレスだって働く。街を歩いてポイ捨て缶が少ないのはお気づきかと思うが、最近では、深夜から早朝にかけて拾い集める者がいる。資源ゴミをくすねる人種とは違う。そして売る。毎日15~16時間は働く。それでも売却代は百円そこそこにしかならない。果たして、彼らを見下す者に、同じことが出来るだろうか。でも心配はない。なにせ、モラトリアム下では、こうしたシステムでさえも破壊されて機能しないはずだから。
日本人の貧困率が上昇の一途で16パーセントを越えたが大多数は真の貧しさを知らない。1929年の大恐慌では多くの餓死者を生んだ。災害と異なり支援物資はない。誰も助けてくれない。ある意味、豊かな生活に馴染んでしまった今の方が遥かに厳しい。
ある日、突然に奈落の底に突き落とされた時、人は初めて『土』の有り難さに気付くかも知れない。