ここ最近、私は子育て卒業したな~と感じています。
全く寂しくはありません。ほっと一息といったところです。
16歳になった長男の成長をここに記録しておこうと思います。
息子は、小学校2年生から剣道を初めました。
当時は日本に住んでいましたが、いずれアメリカへの移住を考えていたこと、
日本人としての誇りとアイデンティティーを持って成長してほしいと武道を選びました。
どちらかというとおっとりとした性格の息子は、友達とケンカすらしたことのない子だったので、
始めて面をつけ、相手が向かってきたとき、全身震わせ泣きじゃくりました。
それでも、素敵な指導者や先輩達、お友達の力を借りてなんとか数年稽古を続けました。
でも彼が5年生になった頃、
「剣道をやめたい」
「自分にはむいていないからこのまま続けても意味がない」
「ママたちに言われてやってる」
と言ってきました。
私もうすうす彼の気持ちは察するしていたけれど、
ここで辞めるせるわけにはいかないと
「あなたの気持ちは分からない訳ではない、
でもきっといつか剣道をやっていて良かったと思う日が来るから、
今は私たちを信じて中学3年生まで続けなさい、
その時まだ同じ気持ちだったら、辞めればいい」
私も主人も確信があった訳ではないけれど、
親としての直感と信念のみでそう言ったと思います。
もし彼が、芯が強い子であったら、そこで辞めていただろうけれど、
この時は彼のおっとりとした性格が功を奏してなんとか辞めずにすみました。
その後、アメリカへ移住、幸運なことに移住先でも
日本人の指導者と優しい先輩や仲間が見つかり稽古を再開。
アメリカの剣道に戸惑う中、先生の「お前は日本の剣道をすれば良い」
の一言に励まされ、大きな体の大人達を相手に稽古を続けました。
そしてこのころから、彼は自分の中にある「日本の剣道」を感じ初めたようでした。
体が成長し、精神力、忍耐力が付きはじめた今、剣を通してそれが結果として現れるように
なってきたことを彼自身はもちろん、周りも認められるところまできたようです。
大会で成績を残すような、「強い剣士」ではないかもしれないけれど、
剣道を通して「強い人間」になってくれれば、それで十分です。
先日、稽古へ向かう車の中で
「あの時、辞めなくて良かった、ありがとう」と。
私の役目が一つ終わったと感じた瞬間でした。
子供が自分の世界を見つけ、
- 強くなろう、
- もっと先へ進もう、
- 人のために何かをしたい、
と思うようになったら、親は子育て卒業です。
あとは、彼らを見守り、迷ったとき、人生の先輩としてアドバイスを
あげることができたら嬉しいです。