不完全燃焼の「ブラスエキスポ2024」 | "楽音楽"の日々

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音楽、映画を中心にしたエンタテインメント全般についての思い入れと、日々の雑感を綴っていきます。

5月12日の「ブラスエキスポ2024」へ向けて、フラワークラウンさんは4月から連日のように「晴天祈願」のイラストを投稿されました。参加団体全てが描かれているんですが、それぞれがキャラクターを持って喋り出したので、もはや「てるてる坊主」であることを忘れてしまう楽しさです。

本番までかなりの期間があるので、それぞれの団体が参加するイヴェントについての「小ネタ」が満載で、基本的な情報を持っている人ほど楽しめる仕掛けになっています。流石に私も全てを把握しているわけではありませんが。

京都橘は、4月21日に「ローム・ミュージック・フェスティバル」に参加する予定でしたが、直前に降雨のために中止になりました。その日の夕方にアップされたのが、これです。

 

 

落ち込んでいる京都橘の丸い背中が、愛おしいです。

 

ゴールデン・ウィーク明けには、富山遠征から戻った京都橘がお土産を配っています。

 

下の方では、「博多どんたく」に初参戦した箕面自由が、博多土産を配る様子も・・・。ご丁寧に「海の中道」に咲き誇っていたネモフィラまで描かれています。芸が細かい。

 

 

 

ということで、「晴天祈願」が通じたのか、「晴天」ではありませんでしたが「ブラスエキスポ2024」はなんとか開催されました。

毎回恒例の、京都府の交歓コンサートでの京都橘のパフォーマンスをご覧ください。慶次郎前田さん撮影の動画です。

 

 

前期から引き続いての定番ナンバー「September」です。今回は、なんと言っても紫色のキャップの初披露が目玉ですね。暑い屋外でのイヴェントに対処するために新調されたものと思われます。スーザフォンは、邪魔にならないようにツバを斜め後ろに回しています。

ジャージを履いた「はにわスタイル」を否定するつもりはありませんが、ステップの美しさがとても見辛いです。残念です。

印象的なピアノのリズムで始まる「September」ですが、ここでのピアノを担当している部員は顔がよく見えません。けれども、サックスのストラップを首から下げています。1年生が入っていないパフォーマンスなので、今回だけの臨時の抜擢なのかもしれません。あるいは、昨期から顕著になってきた「セクションの壁」を越えた柔軟な対応の可能性もあります。1年生が全員参加した時の姿に期待するしかありませんね。

ここでのパーカッション・セクションは、3人だけ。「ブルーメの丘」から、シンバルの彼が控えにまわっているのが気になるところです。カウベルとギロの師弟コンビは、今年度私が個人的に期待しているんです。けれども、メイン・ドラムがきっちりテンポをキープしているにもかかわらず、二人はどんどん先を急いでいます。たった3人でも、まとまっていないという状態です。吹奏楽器は充分に音は出ているのですが、リズムがまとまらないせいで全体がバラバラになっています。

「TAIWAN PLUS」を見る限り、パーカッション・セクションにたくさんの1年生が入っているようです。まとめるのは大変だと予想できますが、それが出来上がった時に「橘グルーヴ」が生まれて、バンド全体が一気にワンランク上にジャンプ・アップすると信じています。

アルト・サックスのソロを吹く二人は、それぞれブリリアントな良い音です。最初の部員は初めてソロを聞きます。これから期待できそうです。2番目のソロは、昨年から注目している現・副部長です。二人とも、ソロ終わりの笑顔が眩しいです。

この曲の終盤、サックスのソリでバックの全員がぴょんぴょんする時、2年前の台湾遠征の時にバナーを担当して人気が出た二人がハイタッチしています。3年生になった現在でも仲が良いのが伝わってくる光景ですね。

 

 

 

例年、「ブラスエキスポ」の魅力は、広い万博記念公園に関西一円から多くの吹奏楽団が集まり、新緑が美しい風景の中でそれぞれの個性を披露することにあると思っています。ところが、今年はテレビ局のイヴェントが開催されることになって、従来の場所でやれなくなってしまいました。地図で確認してみましょう。

 

 

東西に伸びる幹線道路の北側一帯が、いつもの会場ですね。で、今年は地図の右下の赤い楕円で囲ったエリアです。緑も少なくて、殺風景です。今年も参加団体が多かっただけに、実に残念です。特に、観客が至近距離で観覧できるルートは、以前の10分の1にも満たないと思われます。明らかに、関西吹奏楽連盟の失態であります。

 

ということで、不満タラタラですみません。実際のパレードの様子を見てみましょう。

 

エリアが狭い上に連続して撮影するのが困難な会場だったので、撮影者の方々は相当苦労されていることが見て取れます。そんな中で最も上手く出来た動画は、やはり橘動画の重鎮でした。「st&橘ファミリーバンド」というチャンネル名に変更された、st.taketoさんの動画をご覧ください。

 

 

「チームtaketo」の見事な連携で、短いパレードの全貌を楽しむことができます。それでも、たった13分!

「ブルーメの丘」の時に比べると、一年生の参加も増えて振り付けの動きも大きくなりました。それぞれの楽器の音もよく出ていますが、やはり全体のまとまりがまだまだですねー。京都橘の実力は、こんなものじゃないっ!目に見えて進歩しているので、これからの成熟に期待したいと思います。

ここでの見ものは、終盤球場に入ってから「Sir Duke」が始まるところです。後方の観客席で、ブルーシートの上に整然と並べられているのは京都橘のビニール・バッグです。普段の部活動の精神が垣間見得ます。彼らが行く先々で評価が高いのは、こういったことが自然にできることが根底にあるからだと思えるのです。

 

台湾のRooster Jamesさんも、今回も遠征です。他の団体の様子もわかる動画になっています。

 

 

これを見ると、パレードが始まる時点で雨が降っていることがわかります。ポップな編集で、Roosterさんのお気に入りのバンドがわかります。そして、「京都橘大好き!」が溢れる撮影と編集には、思わず笑顔になってしまいます。私のお気に入りのバンドも、いくつかあります。いずれ、記事にするかもしれません。

 

 

フラワークラウンさんの「任務完了」のイラスト。

 

 

タオルが配布されたのかどうかは不明ですが、なんともほっこりするイラストで参加団体の皆さんの労をねぎらいたいと思うのです。

 

 

 

今回の動画を見るにつけ、本来の会場に戻して欲しいなぁと思ってしまいます。けれども、来年は大阪万博(1970年ではなく、2025年の!)での開催が予定されているようです。未着工の施設が多過ぎて開催そのものが不安視されている、大阪府最大の懸案です。一体どうなることやら・・・。

今年は、不完全燃焼。来年は、不安だらけ。

 

「3000人の吹奏楽」がなくなってしまった現在、関西吹奏楽の団体が集まる大きなイヴェントは、これだけになってしまいました。もう一度、このイヴェントの魅力を考え直して欲しいと思っています。

 

何やら、今後の「ブラスエキスポ」の行く末に怪しい雲行きを感じているのは、私だけでしょうか?