有害物質100倍 怒る市場業者
という話題に触れて
もういいから、早く移転に舵を切ればいい。
豊洲の地下水にどれほどの有害物質が混ざっていようが、それで魚を洗うの?
その地下水を使って商売するの?
しないでしょう?
この世の中の飲食店、どこが自分の店の地下から出る水を使って商売しているというのだろうか。
していないでしょうが。
そんなことできないでしょうが。
保健所がさせないでしょうが。
安全と安心。
安全というのは絶対的なものだと表現するなら、安心というのは極めて相対的なもの。
専門家は「安全」といっている。この判断は科学的なもの。
しかし、「安心」なんていう不確かなものを担保しようとするのは、小池さん、少し「人気」を意識しすぎてるんじゃないのか。
例えば自宅のカギ。1個あればいい。
その1個しかないカギを自分で管理していれば、合鍵がない以上自宅は安全なのだ。
でも、「もしこのカギをなくしたら・・・」そう考えた時点で、安全ではあっても安心ではなくなる。
その安心を担保するために合鍵を作る。
安心は担保されるかもしれないが、同じ鍵が二つある時点で危険のリスクは上がる。
そして、安全と安心を両方担保するためには、ふたつあるカギの管理方法をきちっと決めて・・・・運用を管理して・・・・となる。
その手続きを踏まないと、両方は担保されない。
そのプロセスの中で欠落していくのは、「安心よりも安全の優先順位が高いのだ」という意識。
人間、どこかで科学的な安全より、その瞬間自分が感じる安心を大切にしたがる。
ジェットコースターに乗りたくない、高いところに上がりたくない、その心理と同じだろう。
専門家会議は、絶対的な安全性を明確にした。
なのに人々の安心が担保されないから、その安全の価値を相対的に下げようとしている。
おかしな話である。
人は今、自分の「安心」に重きを置きたがる。
それも、その瞬間の自分の無知や未熟を棚に上げて。
言い換えれば、その瞬間の自分の意識や認識、知識や知恵で安心のレベルはあげられるのに、である。
「100倍のベンゼンの評価が間違って伝わっている」
その通りだと思う。
冒頭書いたように、地下水を使って商売をするのではないのだ。
この地下水を使って商売できないし、その事実をしっかり認識すれば安心はいかようにも担保される。
なのになぜ、ここまでその「安心」という主観的なものにこだわるのか。
小池百合子という知事が、ここまでの都政の在り方の対極に回る形で知事になったという背景。
従来の都政を全否定して、全く異なった観点から都政を作り直そうとしている。
確かに、従来の都政が全て良かったとは言わないし、そのスタンスはよいけれど、なにも築地市場の豊洲移転阻止をそのシンボルにする必要はないだろう。
その所為で逆に本来あったはずの「安心」をないことにする必要もない。
余分な情報を流し、都民の不安を煽ってから、自分が、自分の成果としてそこに安心を届けたい。
この「スケベ根性」が、まさしく今の豊洲問題を複雑にしているのではないのか。
地表をアスファルトやコンクリートで舗装していようが、してなかろうが、地下水を使った商売はできない。
市場に入るどの業者もそんなこと百も承知だろう。
地下水を無害化する必要なんてないのだ、はじめから。
豊洲の雰囲気に環境基準を上回る有害物質が混ざっているのだというなら、これは大問題だが、あくまで地下水。
都民が自らの手でこの地下水をくみ出す術があるなら別だが、都民はこの地下水に触れることさえできないのだ。
それで充分じゃないの?
充分安全じゃないの?
安心すべき状態じゃないの?
今の状態なら、地下水から市販のペットボトルの中に入っているような水が湧き出さない限り、もう都民の「安心」なんて担保できないじゃないのか。
こうしてしまったのは、小池都政の失政だと言っていいと思う。
なんで地下水の水質を、条件項目に加えてしまったのか。
はなから、使う可能性のない水の質を条件の一項目に加える必要なんかなかった。
ただでさえ膨大な金が消えて行っているのに。
もう、小池ファーストは止めて、すぐに本当の都民ファーストに舵を切りなおすべき。
あとは移転のタイミングだけ。
どうしても安心が担保されるべきなんだというなら、まだまだ金かかるよ。
その金は結局都民の懐から集めた金。
もうやめたら?と思う。
早く、あの崩れ落ちそうな築地を畳んで、きれいな豊洲で商売したらいいのに。