加賀美アッコの練習画

『ひみつのアッコちゃん』のアニメ放映話、原作コミック版、WEBコミック版の中での特に印象深い話の紹介及び設定等の考察です。

「ひみつのアッコちゃんリマインド」

★第一期『ひみつのアッコちゃん』第1話「不思議な鏡でルル…」
記念すべき第一期第1話。いきなり庭に埋めた鏡のお墓から割れた鏡が出てきて元通りになって、鏡の精がアッコにお礼を言うという唐突な導入部で始まるのは、『魔法使いサリー』のような日常で不思議が起こる話を長い間やってきた後の作品だから、視聴者に違和感なくちゃんと受け入れられるはずだという制作側の自信のあらわれかと。ここで「ラミパスラミパスルルルルル」がただの呪文ではなく、鏡の国の言葉で「さようなら」の意味だと明かされます。

第二期以降とは違って、コンパクトをもらう時、特に鏡の精から罰則も守秘義務も告げられないので、アッコはいきなりコンパクトの秘密をママにバラします。けれどもママの前ではうまく変身はできず、ママはアッコの冗談だと思い事なきを得ます(この後ママの見ていないところで、いきなり航海中のパパに変身してママの前にあらわれ、ママにアッコの小遣いを上げてやろうと思うと言い出すとか、良く言えば親しみやすい、悪く言えば軽率なアッコの性格が印象づけられます)。

あと、朝の登校時のやりとりで、モコ、カン吉、大将、少将、森山先生、佐藤先生といった主要キャラクターの性格及びその関係性が手際よく整理されて視聴者に示されます。アッコが今自分が何に変身しているか忘れがちという定番のネタが、森山先生に変身している時に佐藤先生に対して「森山先生ならだいぶ前に学校で…」と言ってしまうという形でさっそく披露されます。

通常なら何話か積み重ねた後にやりそうなコンパクトをなくして元に戻れなくなる話をいきなり第1話でしたのは、第二期以降と違ってコンパクトの秘密を知られることに明確なペナルティが示されてないので、アッコが秘密を知られないようにするための動機付けを「気をつけて使わないとバチがあたる」という道徳的な指針にする必要性からかと。悪戯やちょっとした悪巧みにノリノリのお茶目なアッコと、元の姿に戻れなくなって嘆き悲しむセンチメンタルなアッコの振幅が楽しいです。

★第一期『ひみつのアッコちゃん』第7話「ママすてきッ!!」
第一期アッコの特徴は、パパやママに対しての愛情が凄く強い反面、両親像が理想化されすぎていて、期待はずれがあるとかなり子供っぽい反応をするところですね。いわゆる「愛が重い」感じです(第二期以降のアッコは、良くも悪くも両親を過度に理想化せず関係性がサバサバしている感じ)。
この第7話では、ママが授業参観に来てくれるはずなのに来てくれなかった(親戚の娘の急病によるものでありママの過失は一切ない)ということに、アッコはヒステリーに近い反応を示し、「こんな花ばっかり大事にして!」とこともあろうにママが大切に育てていた花畑の花をメチャメチャにします(これは後で花の精に変身してちょんと元通りにするのですが)。

母娘の心の繋がり(前述したようにやや愛が重い)が情感豊かに描かれる一方で、鳩の子供を取り戻そうと大将に威勢よく千円払い、後でニセ金と知って激怒する大将に「だまされる方がトンマよ!」と平然と言い切り、ママとのケンカの後で気が立っているテンションでグイグイ大将を気押して「乱暴はよせ」とまで言わせるアッコのお転婆のはじけっぷりが楽しい話です。
(ママと仲違いした後に大将をたじたじさせる描写、アッコが本来はもっと気性の激しいお転婆娘なのに、普段は上品なお母さんの存在がロールモデルとしてリミッターをかけているということをあらわしているのだとしたら秀逸ですね)

★第一期『ひみつのアッコちゃん第8話「コンパクトSОS」
「周りに鏡の嫌いな人がいるとコンパクトの力に悪い影響を与える」という、第一期の他の話はもちろん第二期以降にも見られない珍しい発想を軸に展開する話。
その悪い影響が「変身できなくなる」とか「変身が解除される」とかではなく、「元の姿に戻った時服がボロボロになる」というかなり特殊な影響で、そのためアッコは乞食をしているとか家が貧乏になったとかあらぬ誤解を受けて恥ずかしい思いをし、鏡の精から原因を教えられて、周りにいる鏡の嫌いな人が誰か捜し出そうと奮闘します。

(お遊びとして、アッコが悪い噂を広げようとしているチカ子を止めようと追いかける場面で、バカボンのパパのそっくりさんが出てきます)

結論を言えば、鏡を嫌っていたのは、自分の顔がツンとして冷たい顔に思えて鏡を見るのを避けていた社長令嬢の高井高子だったのですが、「アッコの家が貧乏になった」というクラスメイトの誤解によりアッコのために集められたプレゼントをひかり園という障害者施設に寄付することになった時に、障害者の少年に「優しい顔」と言われたことにより、高子は自分の顔に自信を持ち、コンパクトの不調は一件落着します。
鏡嫌いがコンパクトの力に影響を与えるということは、コンパクトの力の源は単なる魔力ではなく鏡を大切に思う思いを沢山集めたものではないかと考えられるので、この発想は意外ともっといろいろ展開したら面白かったかもしれません。

★第一期『ひみつのアッコちゃん第44話「夕日にとどけ天使の願い」
実は第一期のコンパクトには「何にでも変身する」以外に「鏡のある場所になら鏡の道を通ってどこにでも行ける」という能力があるのですが、これはこの回ではじめて披露されます。

1967年に子供が冷蔵庫の中から出られなくなって死亡するという事件があったのですが、今回の話はこれを踏まえて少将が隠れんぼで隠れた冷蔵庫が業者に運ばれて行って行方不明になったのを捜し出す話になっています。
途中でアッコに変身した鳩がスモッグにまかれて墜落したことにより鏡が割れて魔法が使えなくなるのですが、魔法の呪文を唱えることなくいつのまにか元の姿に戻っており、元の姿に戻るのにコンパクトに対して呪文を唱えるのが絶対不可欠なのかそうでないのか、作り手によって若干ブレている感じです。
最後にギリギリのドタン場でアッコの涙によりコンパクトが再生したのですが、もう少将の入っている冷蔵庫のある所までたどり着く時間がありません。その時に鏡の精に前述の鏡の道を教えられて、何とか少将を助けるのに成功します。
(この時にアッコは妖精のような姿に変わるので、何にでも変身する力や鏡を通ってどこにでも行ける力は本来鏡の精の持っている力で、第一期のアッコはコンパクトの力で一時的に鏡の精になることにより同じ力を使えるようになるのだと考えることができそうです)

『ひみつのアッコちゃん(Wikipedia)』

イラスト:並行世界の機械人形化少女・加賀美アッコ1~17あらすじ要約

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