今週も本日で一週間の締めくくり。ビシッと整えてきたいところです
それにしても週の半ばから雨模様続きで全国各地で影響が出ているようですね…。
適度に降る分には良いんですが、最近の雨は過去の常識に当てはまらない位降る時が有るので要注意ですね…
さて、ではここから本題。
今回は先日ブランクスに関する解説をさせていただいた、クーガーエリート7GTのグリップ、そしてリールシートのセッティングについての解説です
(少し前回の記事のアップから遅れましたので、念の為過去記事もご紹介…)
クーガーエリート7GTがRSモデルに比して最も特徴的な変化はダブルハンドEVAストレートグリップが採用されたこと。
その上で、有効レングスに変更は無し。
純粋にリアグリップ長を1inchレングスアップさせているのがポイントです。
(EVAストレートグリップになることでガイドセッティング変更の影響も加味したウエイトバランスも整えられていますね。)
ここで、支点(=リールシート)の位置をより作用点側に寄せると、力点側では更に小さな力で作用点側に仕事をさせる事が出来ます。
※このとき、支点を中心にしたモーメントが左右で一定に保たれているというルールがあります。
式にすると、
(作用点側の重りの重さ)×(支点から作用点の長さ)
=(加えた力)×(支点から力点の長さ) が成立してます。
以上から、たった1inchのリアグリップレングスの延長とはいえ、そもそもの構造的により楽に、より力強くキャスト出来る様になっているわけです。
まさに“しっかり握り込んで振り切れる、遠投性重視のブン投げ系バーサタイル。”というキャッチコピー通り
それじゃリアグリップ側をもっと延長すればもっと引き手のパワー使えるじゃないか??とか、遠投するならロンググリップでしょ?と考える方も居られるはず。
でも、バスフィッシングって投げてただ巻くだけ、ズルズル引いてくるだけ…じゃ無いですよね。
キャスト動作は勿論、ルアーをアングラーの意思通りに操り、誘ってシャープに掛ける、ファイト中の取り回し含めて、不必要なまでに長いグリップは実用面で使い難い面が出てきます。
これは実釣時間が長い方ほど理解されているかなと。
短時間の使用なら少々のデメリットがあっても妥協出来る部分もあるし、用途含めてある意味で分かり易い部分もありますからね
そういう意味でクーガーエリート7、その他テムジン、インスピラーレシリーズのグリップレングスはトーナメントユース、或いはプロガイドアングラーの使用環境、頻度までを見据え、数日間振り回し続けても違和感や疲労感が少ないようにバランスが整えられているわけです。
加えてもう一点、今回のクーガーエリート7で特徴的な変更点があります。
こちらはRSモデルにも共通する要素で、実は開発ストーリーにも書いてない部分なのですが…実は過去のクーガーシリーズからリールシートのサイズが変更されています。
具体的には、前作のインスピラーレクーガーとの比較に於いては同じECSリールシートとはいえど、16サイズから17サイズへの変更がなされています。
ここも小さい様で、ロッドビルド目線では劇的な変化といえるポイント。
インスピラーレ スーパークーガーの様なシャープな操作感、繊細さをキープしつつ、初代カレイド スーパークーガーの様な剛性感、パワー感を出すのに一役買っています。
(リールシートのトリガー部、シートそのものの形状、そして僅かな厚みの差ですが、見た目の数値以上に違いがあります。)
結局、釣りをしている間に一番触れている場所はどこでしょう…??と考えればこのリールシートですし、この違いは大きいです。
一度ロッドを手に取れば「なるほど…」と気付く部分かと…。
今回のアップデートでRSモデルで7ft、GTモデルでは7.1ftまでレングスアップしてもそれを感じさせないバランスを実現出来ているのは、これまでに解説させていただいたブランクス構造、テーパー設計やガイドセッティング、そしてリールシートやグリップ部等、全体のバランス調整に加え、こういった細かい部分の作り込みや開発者の想いがあってこそ。
それにRSモデルにしてもGTモデルにしても、所謂オーダーメイドのカスタムロッドではなく、今江さんをはじめ、トッププロが試合で使用しているものと“全く同じ”ロッドを一般アングラーがショップで普通に手に取れる事に価値があると思います。
その中でも今回のクーガーエリート7のGTモデルは陸っぱりアングラーやビッグレイク攻略をはじめとする実戦能力に拘り切った、まさにエバーグリーンインターナショナルさんの実戦至上主義というコンセプトの一つの極みといっていいモデルだと思います。
いよいよ発売までは秒読み段階
いよいよです…
さて、それでは本日も仕事頑張ります