最近、妻が「ハト派って何?」と聞いてきたので、ちょっとびっくりしました。
俺の妻は投資とか金融に疎いタイプで、
どっからそんなワードを聞いてきたんだか…
どうやら朝のニュースで耳にしたようなんだけど、
「鳥で何が好きかって話…じゃないよね?」と言っていました(笑)
そうです、鳥好きの間で
「私はハトの方がいいな~かわいいもん!」
「俺はタカだね!強くてカッコいいもんな!」
なんて話をしているわけではありません。
今回は、金融でよく使われる「ハト派」「タカ派」について
お話ししていきましょう。
ハト派とは
「ハト派」は「鳥のなかでハトが好き」という意味ではありませんが、ここで使われているハトはポッポーと鳴く「鳩」のことです。
ハトは平和の象徴であることから、話し合いなどの平和的な方法であらゆる問題の解決を目指す人を「ハト派」と呼ぶようになりました。
元々は政治の場面で使われており、
例えば意見が対立した際、お互いに対話を重ね、意見を交わしながら解決に導いていこうとする姿勢を持つ人を表します。
金融的な意味を持つようになったのは、
政府が経済政策などを話し合っていた際に、メディアなどが穏健派の人たちを「ハト派」として表現したのが始まりだといわれています。
タカ派とは
ハト派が平和的解決を望むのに対し、
「タカ派」は強硬手段も辞さないという考えを持ちます。
話し合いが決裂した場合は武力行使の可能性もある個人や組織に対して使われる言葉です。
政治の場では、周りの反対を押し切って意見を通したり、
強気な発言や好戦的な態度を見せたりする人をいいます。
金融政策の場面でも使われますが、
武力で意見を通そうとするのとはまた違います。
昔はよく国会などで議員がつかみ合いのケンカをしていた場面も見られましたが、
金融政策を決定する場において、タカ派の人たちは暴力をふるいがちというわけではありません(笑)
金融におけるハト派・タカ派って?
金融政策を決めるシーンで、ハト派・タカ派どちらの参加者が多いかが重要なポイントになります。
金融におけるハト派とは、
金融緩和に賛成、つまり金利の引き下げを求めます。
金利が下がると企業の資金借り入れが活性化し、景気が上向き、雇用が促進されるでしょう。
その結果、物価が上昇します。
いっぽう、タカ派は金融引き締めこそが効果的だという意見です。
金利を上げて企業の借り入れを抑制し、
物価の上昇を防ぐ効果を期待しています。
ハト派の意見を通せばインフレに動く可能性があり、
タカ派はまず物価を安定させることを優先するべきだとしているのです。
円高・円安にも影響が
ハト派・タカ派のどちらが多いかによって、
法定通貨の価値にも影響があります。
アメリカの金融政策を話し合うFOMCでは、ハト派が優勢になると金利が下がってドルが多く売られるようになります。
その結果、対日本円では円高ドル安となるのです。
いっぽうタカ派が優勢になれば、金利が上がってドルが多く買われるようになります。
ドルを買うために日本円が売られるようになるので、
ドル高円安となるわけですね。
さて、今の円安状況を見ると、
アメリカの金融政策会議においてハト派とタカ派、どちらが優勢だと考えられるでしょうか。
正解は、アメリカの金利を上げているタカ派です。
これが日本の金融政策を話し合う場に置き換わると、
逆の動きになりますね。
日本の金融政策会議でハト派が多くなれば円安ドル高に、
タカ派が多くなればドル安円高になるわけです。
ハト派・タカ派の勢力は、
他国の通貨の価値も左右してしまうでしょう。
仮想通貨にもハト派・タカ派は関係ある?
仮想通貨についての考えも、ハト派・タカ派が関係する場面があります。
最近、FOMCで金融機関議長がハト派からタカ派に転じることが懸念され、その影響でビットコインの価格が低くなったとされているそうです。
その時に話し合われていたのが仮想通貨のことだったのか、
それとも銀行の金利のことだったのか分かりませんが、
タカ派=金融引き締めに動くと思われたため投資熱が抑えられてビットコインの価格が下がったのだと思います。
しかし、会議後に「利上げはない」という情報が出て、さらにハト派な発言もあったことからビットコインの価格も復活したようです。
ハト派とタカ派の発言を整理してビットコインの相場を読むのは難しそうですが、
それができるようになればもはやプロの領域かも…!
余裕があったらチャレンジしてみてください![]()