最近、Twitterで「ラグった!!」という投稿をしている人がいました。
LOLLIPOP(ロリポップ)の公式Twitterにも「rug-pullに注意しようね」みたいな投稿があって、
もしかして”ラグった”って、”rug-pull”のこと?
なんかそんな気がしてきたので、今日は「rug-pull(ラグプル)について調べてみたいと思います。
rug-pullとは
NFT・仮想通貨のプロジェクトは、NFTやトークンを発行することで資金集めをしています。
株式投資で言うところの株券ですね。
俺たち投資家はプロジェクトから発行されたNFTないしトークンを購入し、
プロジェクトは投資家から集めた資金で活動をするという仕組みになっています。
rug-pull(ラグプル)とは、その資金をプロジェクト側が持ち逃げしてしまうことです。
本来は集めた資金を使ってプロジェクトの計画を進め、
新たな技術を生み出したり、ユーザーのために利益を上げたりします。
投資家は保有しているNFT・トークンの価値が上がることで、資産運用ができるというメリットがあります。
ところがプロジェクトが資金を持ち逃げし、運営のサイトが消滅、コミュニティやDAOが閉鎖すると俺たち投資家は「幻を見ていたんだろうか…」という状態に![]()
もちろん保有しているNFT・トークンも価格がほとんどつかないので、残ったのは価値のない無意味なデジタル資産だけになってしまいます。
どんなことが起こる?rug-pullの手口
どうやってrug-pullをするのかという技術的なことを調べようとしたら、かなり難しい話になっていたので割愛します(笑)
ここでは実際にどんなことが起こったら「rug-pullされた」、「ラグった」と言えるのか紹介しますね。
仮想通貨プロジェクトの場合
まず、「絶対値上がりする銘柄です!」という感じで、誇大広告を行います。
SNSで宣伝されることが多いみたいですね。
もっともらしいプロジェクト内容を作って、投資家に信じ込ませます。
そしてトークンの価格が急上昇したところで、開発者が一気に売り払ってしまうのです。
そうすると開発者には多額のお金が入りますが、トークンの価格は大暴落します。
その時点でプロジェクトを閉鎖し、公式サイトもコミュニティも取引所も消滅してしまう…
これが仮想通貨によく見られるrug-pullですね。
DeFiプロジェクトの場合
PancakeSwapやUniSwapのようなDEX(分散型仮想通貨取引所)は、ステーキングなどのDeFiサービスが利用できます。
取引所からはオリジナルトークンが発行され、投資家はこれを購入してステーキング・流動性プールに預けて報酬を得るわけですね。
rug-pullの標的となるのは流動性プールで、ここから運営が資金を持ち逃げします。
トークンの価格が下がるどころか、預けていた資金がなくなってしまうんだからとんでもない話ですね。
NFTプロジェクトの場合
「これからこんなビジネスが展開するよ!」という風に宣伝してNFTを発行します。
「アニメ化を計画中!」とか、「あの大手キャラクターグッズ制作会社と契約!」とかね。
これを見ると、将来的に大人気キャラクターになって、NFTの価格がすごいことになるぞ!と思うわけです。
純粋にアニメ化されたら嬉しいなとか、キティちゃんみたいになるのかな?とか期待しますよね。
ところが初めからrug-pullしようと思って作られたプロジェクトだった場合は、NFTがたくさん売れてある程度お金が集まったらNFTプロジェクトを閉鎖し、販売益を持ち逃げされてしまいます。
もちろんアニメ化もグッズ化もなし、そもそもそんな計画すらなかった可能性もあります。
NFTプロジェクトは個人的なサイトを一つ立ち上げるか、SNSアカウントさえ持っていれば簡単に設立できるでしょう。
NFTの発行もプラットフォームを使えば数分でできちゃいます。
俺たち一般人でもやろうと思えばすぐにやれてしまうのが怖いところですね…
NFTプロジェクトの場合は故意でない可能性も
最初からrug-pullしようと思って立ち上げたNFTプロジェクトだったら詐欺以外の何ものでもないですが、
不本意ながら消滅してしまうプロジェクトもあります。
NFTを一大キャラクタービジネスにしようと思ったけどあんまり売れなかったとか、
アニメ化を計画してみたけど技術がなくて無理だったとか、
開発者のやる気がなくなってしまったとか…
投資家からすれば「金返せ!」と言いたくなりますが、
できないもんはできないんですよね(^_^;)
俺が投資したプロジェクトも、最近全然進んでないな~というものがあります。
新しいコレクションを立ち上げます!って言ってたのにあれから全然動きがない(^_^;)
一応サイトはそのまま存在しているので、まだ捨てずにとっておきますが…
この状態だと無価値なNFTを持っていることになります。
でもこればっかりはサイトが存続している限り、rug-pullであるかどうか判断できません。
運営側が「すいません、やっぱり無理でした」と言ってきたとしても、責めようがないですね。
今はNFTが全然売れない時代なので、こういうことは無きにしも非ずです…
rug-pullは犯罪じゃないの?
rug-pullには「ハード」と「ソフト」の2種類があります。
ハードは技術面でrug-pullすることで、仮想通貨に「開発者しか売れない」というコードを設定するなどの手口があるそうです。
こうなっていると、価格が低迷しているから売ろうと思っても売れません。
開発者しか売買益を得ることができないのです。
これはもう明らかな違法行為であり、詐欺罪にあたるでしょう。
しかし立証が難しく、アメリカでも法整備が足りないようです。
ソフトrug-pullは運営が資金を持ち逃げする行為そのものを指し、
仮想通貨やNFT自体は問題がないけど、運営が売り払ってしまって価格を下げてしまうことです。
こちらは計画が頓挫してしまったから仕方なく…という場合もあるので詐欺と言えるかどうかは難しいところだと思います。
いずれにしてもすぐさま逮捕できるとか、補償してもらえるということはないでしょう。
rug-pullプロジェクトに騙されてしまう心理
最初からrug-pullするつもりで立ち上げたプロジェクトは、かなり魅力的な計画書を作っている場合が多いです。
「冷静に考えれば詐欺って分かるでしょ」と思う人がいるかもしれませんが、
web3.0ビジネスに詳しい人でも騙されています。
俺たち一般人なんてチョロイでしょうね(^_^;)
なぜ騙されてしまうかというと、NFTも仮想通貨もまだ黎明期だからです。
つまり、誰にも正解が分からないってこと。
こういうもんだよ!という定型ができる前に、どんどん新しいことが生み出されていくのです。
例えば「NFTは一つひとつが唯一無二のものだから価値がある」と言っておきながら、
「ジェネラティブNFT」という大量生産型コレクションが発行されています。
これは自動でいくらでも似たようなデザインが作れて、パーツの組み合わせを変えているだけのNFTです。
全く同じデザインのものも複数枚発行できます。
これのどこが唯一無二なんだと言いたくなりますが…
NFT界ではほとんど異論を唱えられていません。
むしろ売れているコレクションはジェネラティブNFTが多いのも事実。
NFTってこうじゃなきゃいけないっていうことが言いにくい世界なんですよね。
だからこそ法整備もなかなか進まないし、rug-pullも防ぎようがないのかも。
俺はそう思います。
rug-pullじゃないの?って疑っても、
「いやいやこれからのNFTはこうだからさ」と運営側に言われたらそんな気がするかも…みたいな感じでみんな投資しているのでしょうね。
初めはしっかり計画通り進めていたプロジェクトでも、何が起こるかは最後まで分かりません。
俺たち投資家は結局、ずーっと見張っているしかないんです。
なんか運営側が少しずつ売ってない…?
という動きが見られたら、早めに撤退する。
これくらいしかやれることはないのかなと思います。