さようなら日本株 | 八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

(ウォーキング中に見かけたものすご~く古いお米屋さん まだ現役で頑張ってらっしゃる)

 

(プラッシーの看板を見るのは何十年ぶりだろう 裏面は「いの一番」)

 

 世界的な供給不足による資源高に円安が重なって、インフレーションが亢進してきた。

 このインフレ、はたして一時的なものだろうか。

 供給不足の方はウクライナ情勢によっては一時的には解消に向かうかもしれないが、中長期的には

需要増が供給を上回り、我が国が輸入に頼る物資(エネルギーと食料だから始末が悪い)の価格は上がり続けるだろう。

 

 一方の円安はどうだろう。

 「主要国の金利が上がる一方で我が国の金利はゼロ。利を求めるマネーが円からドルにシフトしつつあるので足元では円安が進んでいる」というのが識者の見立てであるが、金利差は際限ない円安の引き金に過ぎないのではないだろうか。

 

 2022年3月末における我が国の借金(地方自治体のものは含まない)は1218兆4330億円。GDP比で見た借金額は主要国の中で群を抜いている。

 

(財務省資料より 我が国の借金はチャランポランに見えるイタリア(失礼)よりはるかに深刻)

 

 仮に金利が1%上がると国の利払いは12兆円増えることになる。

 令和4年度予算における年金支払総額が12兆7600万円、同じく医療費が12兆1900万円だから、プライマリーバランスを目指すなら年金を廃止するか国民皆保険を放棄するか、いずれにしても国民は辛い選択を迫られることになる(消費税率を20%にするという手もあります)。

 

 「自国通貨建ての借金だから心配ご無用。円をジャンジャン増刷して返せばいいんだから」という楽観論があるが、それって結局インフレ誘導ということではないだろうか。

 

 モデルケースで考えてみよう。

 都内に住む日ノ本窮さんは年収650万円の比較的高所得のサラリーマンである。

 とはいえ毎月10万円が親への仕送り、同じく10万円が高額医療費に消えるので決して裕福な暮らしではない。

 さらに生活を圧迫するのが1億2000万円もの借金。返済と利払いで年間243万円かかるから、年収の4分の3は右から左へと自動的に消えていき、手元に残るのはわずか157万円である。

 「借金は親からのものだから心配ご無用。最後は踏み倒せばいいんだから」

 さて、あなたは日ノ本さんを信用してカネを貸しますか。

 

 いつだったか堺屋太一さん(故人)が講演でこんなことを言っていた。曰く、

 「インフレは老人を苦しめる。デフレは若者の未来を、そして国の将来を破壊する」

 もうすぐ前期高齢者の仲間入りをする私も乏しい預金をそのままにしておくことはできない。現金の価値が日々減っていく時代がついにやってきたのである。

 

 覚えのある日本株にでもとりあえず替えておこうか、そう思った矢先のニュースにオッたまげた。

 なんと岸田政権は「新しい資本主義」だかなんだかの一環で、現在上場企業に課している四半期決算報告義務をなくしてしまうというのである。

 やれ「手間がかかって大変」、やれ「四半期ごとの決算を気にしていると刹那的な経営になってしまい、中長期的な観点での経営ができない」、と外野がワーワー言ったらしいが、そんなバカな話がどこにあるというのだろう。

 

 情報開示はグローバルスタンダードである。中国やロシアならいざ知らず、近代資本主義の恩恵をたっぷり享受した我が国がそこに背を向けるとは。

 日本株の買い手の30%は外国法人である。個人や匿名での保有者も加えれば外国人のウェイトはさらに高い。この人々が「あ~よかったね」と日本株を買い増すのだろうか。

 

 「家計状況を逐一報告してたら仕事に差し障るから。四半期報告はもうしないかんネ」

 日ノ本氏はうそぶくがあなたはそんな人物を信用しますか。

 

 私が日本株と決別することにしたのは、そんなわけである。

 

 

(「武田のプラッシー」ファンタやチェリオより20円くらい高くて子供には手が出せなかった 

 私が生まれた翌年の1958年発売 最後に飲んだのは1960年代のことだがなんと2021年まで販売されていたそうな)