りんちゃんは、にゃんともナイト-夏のつぼ




う~、蒸し蒸しするな~あせる

昼よりなお蒸し蒸し感が増してくる夜は、たまらない。

「りんちゃん」

ぐったり横たわる愛猫に声をかけるも、尻尾を軽く動かすのみ。

こうなると、なにもかもをスルーしたい。

お風呂もシャワーだけにして、

りんちゃんのブラッシングもとんと御無沙汰。

しかし、食べるのだけはトーンダウンしないところが、

「私、夏バテしてるの」と言えない所以である。

そんな飼い主に似てくる愛猫。

さっきまで、もう動けません状態だったくせに、

目をらんらんとさせ、『食べる私』をみつめる。

食べる元気はあるが、立ったり座ったりする元気は半減している飼い主。

何気に視線を無視。

「なぁーにゃうネコむかっ」鳴き声に怒気がにじむ。

「そうだよね、りんちゃんも、食べたいよね」

立ち上がり、おかかおやつをあげる私。

りんちゃんも、夏バテしているとは言えない。

食事の後は、またやおら自分に気合をいれて後かたずけにかかる。

頭のなかは、早くシャワー浴びて寝たいだけ。

うっ。

お馴染み、愛猫に飛び乗られる。

夏は薄着だから爪が直でささり痛いからダメ、

と何度言い聞かせても効果はない。もう!

あ、でも目

なに?これ。

りんちゃんの爪がくい、と甘ざさりしたそのポイントは、

ここ数日かゆくても手が届かなかった、

もしくは凝り固まっていたつぼなのだ。

身体じゅうがすっきりして、頭もはっきりしてきたみたいアップ

「りんちゃん」

ああ、なんてすごい猫なのラブラブ!

追いかけて抱きしめたら、汗ばんだ腕にいっぱい毛がついた。

2013、残暑はつづく。



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