日曜日の夜中、激しい腹痛で目が覚めた。
腸閉塞にはならない予感はした(勘としか言いようがない)。それでも耐え難い痛みだったので、朝妻に伝えて病院に連れて行ってもらった。
採血、レントゲン、CT、心電図諸々の検査を受けていざ診断。
CTは3週間前に受けたばかりだったが、腸に噛みついている腫瘍が大きくなっていて、それの影響だろうとのこと。
腫瘍が腸管を食い破るほど大きくなった場合、出血を伴うため、貧血などあちこちに影響が出る。
僕の場合、そこまでには至っていないのだが、今までのこともあり、腸が極細のため、圧迫されるだけで腹痛となる。
今回は不完全体の腸閉塞で済みそうな気配だが、この先もこんなことが続くのだろう。
先生の口から、緩和ケアの話も出た。
現在使用中のイリノテンの効きが甘い。次の薬もあることはあるが、効果はあまりなく、その割には副作用は甚大。その薬による治療を選択するのは二三割とのことだった。
自分としては「元気に使える時間」が少しでも長くほしい。
2週間前に、夕食後海鮮せんべいを何枚か食べすぎた。以来腹の調子が今ひとつで、それが遠因となっている気がする。
数枚のせんべいで大事に至るとは、馬鹿みたいな話であるが、これが現実である。
高名な作家でも確かビスケットの食べ過ぎで亡くなった人がいた。
嵐山光三郎の『文人悪食』で読んだように思う。
死の主因は恐らくビスケットではないのだろう。しかし、ビスケットが死のトリガーとなったことについて、どこか間抜けな印象を持っていたが、最近はそれもありかなと思っている。
欲望に抗うのは斯くも難しい。というのも人間の本質ではないか。
とはいえ、もう少し生きたいので、食事には気をつけたい。
今回の入院は腸を休めるための入院なので、早ければ1週間程度。
いつもなんだかんだ言って延びるのであまり期待はしていないが。