大げさなタイトルをつけたが要はあれだ。ペースメーカーつけたり、点滴管につながれたりとかそういう話だ。
2年前に亡くなった伯母は晩年酸素ボンベを引き摺りながら部屋の中を移動していた。
健康な人ほど身軽で済み、病弱な人ほど、持ち物やなんやら増えて大変というのも皮肉なものである。
病気や怪我などがなくとも、人は身体機能を外に出したがる。楽をしたいという欲が尽きることがない。
漫画でよく、脳だけが生かされて他はすべて機械が支えている姿が描かれるが、
イメージとしては子宮の中の赤ん坊に近い。
胎児が楽をしているかは本当のところはわからない。が、楽をしたい欲求はつまるところ赤ん坊のままでいたいというところに行き着くのかもしれない。
電車の中でパウチから便が漏れて大変だったと前回書いたが、その後は今のところ大丈夫だ。
ただ3回立て続けに起きるとちょっとね、精神的にきつい。
3という回数は偶然で片付けられないところがある。
スポーツで3セット先取で勝利が確定する種目が多いのもそういうことだろう。
漏れの原因を考えるがよくわからない。ただ今後、外出のときは持ち物を増やさないといけないのは確かだ。
替えのパウチ、交換用具一式、応急処置用のテープ、ゴミ袋、下着の替え…
『ミステリと言う勿れ』で主人公がパンツの替えも持ち歩かないといけないのかなと呟く場面があるがまさにそういう気分である。
体を壊せば、身につけるものも変わる。一時期腹巻きが外せなかった。
潰瘍性大腸炎を発症したのが大学4年生。その時は3ヵ月入院したが、退院後体質が変わってしまった。
翌年。夏でも腹巻きが欠かせなかった。白の無地のTシャツにジーンズの格好の他人を羨ましく思ったのを今でも覚えている。
腹巻きが透けて見えるのが恥ずかしくて、真白なTシャツはあれから一度も着たことがない。
いっそバカボンパパみたいな格好を平気でできれば楽なんだろうけれど、そんな境地にはまだ至っていない。