3連覇を果たし、喜びを爆発させる山本

◇第107回日本選手権(6月1日~4日)/於・ヤンマースタジアム長居

 

 400mハードルの大学女王、山本亜美(スポ健3)が圧巻の走りを見せた。ブダペスト世界選手権の代表選考会を兼ねた第107回日本選手権の最終日。山本が自己新記録となる56秒06を叩きだし、3連覇を達成した。この記録は、日本歴代5位、学生歴代3位の好記録であった。


 試合後山本は、「タイムは正直狙っていなかったし、コンディションもあまり良くなかったので自分でも驚いています。アジア選手権、アジア大会の代表に選ばれたかったので、2位以内に絶対入るとレースに挑みました」と語った。「いつもは後半から速い選手と思われていると思うんですけど、今回の決勝では前半から攻めたレースができたのが良かったかなと思います」と勝因を振り返った。



メダルを手に笑顔を見せる山本

 関西インカレから1週間で迎えた今回の日本選手権。「1週間しかないと最初は思ったりしましたが、カンカレの時の楽しかった雰囲気とかチームのために頑張ってた気持ちのまま日本選手権に挑もうと逆に考えを変えました。気持ちの部分が大きかったです」。


日本選手権後、工藤(写真左)とのツーショット

  心強い友の存在もある。同期で同じ400mハードルを専門にする工藤芽衣(食マネ3)だ。「いつも一緒にいて、大きい大会にも一緒に出られます。芽衣がいるから頑張れる。本気で勝負し合える関係が良いなと思っています」と思いを語った。



スタート前、集中する


 日本選手権3連覇を受け、山本はアジア陸上競技選手権大会、アジア大会の日本代表に選出された。「陸上人生の中で、ジャパンのユニフォーム着ることが大きな目標でした。それが叶って本当に嬉しいです。頑張ってきてよかったなと。これまでお世話になった人にジャパンのユニフォームを着て走ってる姿を見せて恩返し出来たらなと思います。結果としてはどういう大会になるか、どんだけ速い人が居るかわからないですが、メダルを持って帰りたいなぁと思います」と喜びの声を口にした。

 今季は学生個人選手権優勝、関西インカレ3連覇、木南記念陸上優勝など春先から好スタートをきっている山本。関西学生記録を持つ彼女の次なる目標は、日本学生記録の更新だ。大舞台で不動の活躍を見せ続ける彼女は、世界の舞台でどんな走りを見せてくれるのだろうか。これからの活躍からも目が離せない!!


(記事:池野美里   写真:本人提供)