※ この記事は初学者用に聖書を編集し 注を付したものです。

 

 

サウルが家で槍を手にして座っていたとき、主から来る悪霊がサウルに臨んだ。

 

ダビデは琴を弾いていたが、サウルはその槍でダビデを壁に突き刺そうとした。

 

しかし彼は身をかわしたので、槍は壁に突き刺さった。

 

ダビデは逃げ、難を逃れた。

 

その夜、サウルはダビデの家に使者たちを遣わして見張りをさせ、朝になって彼を殺させようとした。

 

ダビデの妻ミカルはダビデに言った。

「もし今夜のうちに逃げなければ、明日は殺されるでしょう。」

 

ミカルはダビデを窓からつり降ろし、彼は逃げ去った。

 

ダビデは、ラマにいるサムエルのもとに行って、サウルが自分にしたことをすべて彼に告げた。

 

ダビデとサムエルは、ラマのナヨトに行って、そこに留まった。

 

ある者がサウルにダビデの居所を告げたので、サウルはダビデを捕えるために

ナヨトに行った。

 

ダビデはナヨトから逃げて来て、ヨナタンに言った。

「私が何をし、私にどのような悪いところがあり、どんな罪を犯したので、あなたの父は私を殺そうとされるのですか。」

 

ヨナタンは言った。

「決して殺されることはない。父は事の大小を問わず、私に告げないで何かすることはない。父が私にそのようなことを隠しておくはずがない。」

 

ダビデは言った。

「明日は新月祭で、王と一緒に食事をしなければなりません。

 

お願いです。3日目の夕方まで野原に隠れることを許してください。 

 

もし、あなたの父が私のことを尋ねられるならば、こう言ってください。

『ダビデは故郷のベツレヘムに急いで行くことを許してくださいと、しきりに求めました。その町で全家の年祭があるからです。』

 

彼が『よし』と言われるなら私は安全ですが、彼が怒るなら私に害を加える決心でおられると思ってください。」

 

2人は野原へ出た。

 

ヨナタンはダビデに言った。

「あなたは向こうの石塚の傍らに隠れていなさい。 

 

私は矢を3本、その側に放つ。そして子供にその矢を取って来させる。

 

私が子供に『矢は手前にある』と言うならば、あなたは安全だ。

 

しかし私が子供に『矢は向こうにある』と言うならば、あなたは急いで去りなさい。主があなたを去らせられるのだ。」

 

さて、新月祭の日になったので、サウルは食事をするため席に着いた。 

 

全員席に着いたが、ダビデの場所は空席だった。その日、サウルは何も言わなかった。

 

しかし2日目もダビデの場所は空席だったので、サウルはヨナタンに言った。

「どうしてエッサイの息子は昨日も今日も食事に来ないのか。」 

 

ヨナタンは答えた。

「ダビデは祭りのためにベツレヘムに行くことを許してくださいと、しきりに私に求めました。」

 

サウルはヨナタンに向かって怒りを発し、彼に言った。

「お前は心の曲った背く女の産んだ子だ。

 

エッサイの子がこの世に生き永らえている間は、お前もお前の王国も確かではないのだぞ。

 

今すぐ人を遣わして彼を連れてこさせよ。彼は必ず死ななければならない。」

 

ヨナタンは父がダビデを殺そうと心に決めているのを知った。

 

ヨナタンは激しく怒って席を立った。

 

翌朝、ヨナタンは1人の子供を連れて野原に出て行った。

 

ヨナタンはその子供に言った。

「走って行って、私の射る矢を捜してきなさい。」

 

ヨナタンは矢を放った。

 

子供が矢の飛んだ方へ走って行くと、ヨナタンは大声で「矢は向こうにあるではないか」と言った。 

 

ヨナタンはまた大声で言った。

「早くせよ。急げ、留まるな。」

 

子供が矢を拾い集めて来ると、ヨナタンはその子供を町に帰した。

 

ダビデは石塚の傍らから出て来て地にひれ伏し、3度礼をした。

 

こうしてダビデは立ち去り、ヨナタンは町に帰った。

 

注:サウルがダビデを殺そうと人を遣わして家を見張らせたときにダビデが歌った詩は、詩編59編を参照。

 

主がダビデをサウルの手から救い出されたときにダビデが歌った詩は、詩編18編を参照。

 

ダビデは、ノブの祭司アヒメレクの所へ行った。

 

アヒメレクは不安げにダビデを迎えて言った。

「どうして供の者が1人もいないのですか。」

 

ダビデは言った。

「王が私に命じて『お前を遣わす目的、またお前に命じたことを誰にも知られてはならない』と言われました。そこである場所に従者たちを待たせてあります。

 

ところで、今あなたの手許にパン5個でもあれば、それを私に下さいませんか。なければ何でも構いません。」

 

そこで祭司は聖別したパンを彼に与えた。手許には供えのパンのほかにパンがなかった。

 

その日、そこにはサウルの家臣の1人が主の前に留め置かれていた。名をドエグというエドム人で、サウルの牧者の長であった。

 

ダビデはまたアヒメレクに言った。

「ここに槍か剣はありませんか。急を要したので武器を持ってこなかったのです。」

 

「あなたが倒したゴリアテの剣ならあります。そのほかには何もありません。」

 

「それに勝る物はありません。それを私に下さい。」

 

ダビデはそこを去り、アドラムの洞穴に行った。

 

ダビデの家族の者は皆これを聞くと、彼のもとにやって来た。また虐げられている人々・負債のある人々・心に不満のある人々もみな彼のもとに集まって来た。彼はその長となった。およそ400人の人々がダビデと共にいた。

 

ダビデはそこからモアブのミツパに行き、モアブの王に言った。

「神が私のためにどんなことをされるかわかるまで、どうか私の父母をあなたの所におらせてください。」

 

こうしてダビデが要害にいる間、ダビデの両親はモアブの王の所に留まった。

 

時に、預言者ガドがダビデに言った。

「要害に留まっていないで、ユダの土地へ行きなさい。」

 

そこでダビデはハレトの森へ行った。

 

サウルの僕ドエグがサウルに言った。

「ダビデがノブにいる祭司アヒメレクの所に来たのを私は見ました。祭司は彼のために主に問い、また彼に食べ物を与え、ゴリアテの剣を与えました。」

 

そこでサウルは人を遣わして、ノブの祭司を全員呼び寄せた。

 

サウルはアヒメレクに言った。

「どうしてお前はダビデと共に私に敵対し、彼のために神に問い、彼を私に逆らって立たせ、道で待ち伏せさせるのか。アヒメレクよ、お前は必ず殺されなければならない。お前の父の家も同じだ。」 

 

サウルはドエグに祭司たちを殺すように命じた。

 

しかしアヒメレクの子アビアタルが、難を逃れてダビデの所に走った。 

 

ダビデはアビアタルに言った。

「あの日、私はドエグがサウルに告げるだろうと思った。すべて私のせいです。あなたは私の所にいてください。そうすれば安全です。」

 

サウルは日々ダビデを捜し回ったが、神は彼をサウルの手に渡されなかった。

 

注:ドエグがダビデのことをサウルに告げたときにダビデが歌った詩は、詩編52編を参照。

 

ダビデはサウルが自分の命を狙って出陣したことを知って恐れた。

 

そのころ、ダビデはジフの荒野にあるホレシュに居たが、サウルの子ヨナタンが

ダビデのもとに来て、神によって彼を力づけた。

 

ヨナタンはダビデに言った。

「恐れることはない。父サウルの手があなたに及ぶことはない。あなたはイスラエルの王となり、私はあなたの次に立つ者となるだろう。父もそうなることを知っている。」 

 

こうして彼らは主の前で契約を結んだ。ダビデはホレシュに留まり、ヨナタンは帰って行った。

 

その時、ジフ人はギベアにいるサウルのもとに行き、そして言った。

「ダビデはホレシュの要害に隠れています。」 

 

サウルは言った。

「あなたたちは戻って更に確かめてくれ。彼は非常に悪賢い。あなたたちは彼が隠れている場所を詳細に調べて、確かな情報をもって来てくれ。そうすれば私はあなたたちと共に行く。」 

 

彼らはサウルに先立ってジフに戻った。

 

注:ジフ人がサウルにダビデの居所を知らせたときにダビデが歌った詩は、詩編54編を参照。

 

ダビデがサウルを逃れて洞窟にいたときにダビデが歌った詩は、詩編57編を参照。

 

ダビデたちがマオンの荒野にいたとき、サウルたちが彼を捜しに近くまで来ていた。 

 

そのことを知ったダビデは、マオンの荒野にある岩の所に行った。

 

サウルはこれを聞いて、ダビデの後を追った。

 

そのとき、使者がサウルのもとに来て言った。

「ペリシテ人が国に侵入しました。急いでお帰りください。」 

 

サウルはダビデを追うことをやめて国に帰った。

 

ダビデは東へ行って、エンゲディの要害に留まった。

 

サウルがペリシテ人を追い払って帰還したとき、ある者がダビデの居場所を告げた。

 

そこでサウルは、全イスラエルから選んだ3000の兵士を率いて再び出発した。 

 

途中、サウルは用を足すために洞穴の中に入ったが、奥にはダビデたちがいた。

 

ダビデは密かにサウルの上着の裾を切った。しかしダビデは自分のしたことを後悔した。 

 

ダビデは従者たちに言った。

「彼は主が油を注がれた者だから、彼に手をかけるのは良くない。このようなことを主は許されない。」 

 

ダビデは従者たちを説得し、サウルを討つことを許さなかった。

 

サウルは洞穴を出て道を進んだ。

 

ダビデも洞穴を出て、サウルの後ろから大声で言った。

「わが主君、王よ。」

 

サウルが後ろを振り向いたとき、ダビデは地にひれ伏し礼をして彼に言った。 

「主が今日あなたを洞穴の中で私の手に渡されたのを、あなたは御自分の目で御覧になりました。

 

我が父よ、御覧なさい。あなたの上着の裾は私の手にあります。

 

あなたの上着の裾を切りながらも、あなたを殺さなかったことによって、私の手には悪も罪もないことがおわかりになるでしょう。

 

あなたは私の命を狙っておられますが、私はあなたに対して罪を犯したことはないのです。

 

古いことわざにあるように『悪は悪人から出る』と言います。

 

イスラエルの王は誰を追っておられるのですか。死んだ犬・1匹のノミを追っておられるのです。 

 

どうか主が裁き人となって、私の訴えを聞き、私とあなたの間を裁き、私をあなたの手から救い出してくださるように。」

 

サウルは言った。

「お前は私よりも正しい。私がお前に悪を報いたのに、お前は私に善を報いる。

 

主が私をお前の手に渡されたのに、お前は私を殺さなかった。人は敵に会ったとき、敵を無事に去らせるだろうか。

 

いま私はお前が必ず王になることを知った。またイスラエルの王国がお前の手によって確立されることを知った。

 

それゆえ、私の子孫を殺さず、また私の名を父の家から消し去らないと、主によって私に誓ってほしい。」 

 

ダビデはサウルにそのように誓った。

 

そしてサウルは家に帰り、ダビデたちは要害に戻った。

 

注:次の聖句を参照。

『 ベニヤミン族とユダ族の人々も、要害にいるダビデのもとに来た。ダビデは彼らの前に出て、こう言った。「もしあなたたちが平和を望んでわたしを助けようとして来たのなら、わたしもあなたたちと心を一つにしよう。しかし、もしわたしを欺いて、敵に引き渡すつもりなら、わたしたちの先祖の神がそれを見て、責め立ててくださるように。わたしはこの手でどんな不法も働いたことがないのだから。」 すると霊が三十人隊の頭アマサイに降った。「ダビデよ、わたしたちはあなたのもの。エッサイの子よ、あなたの味方です。平和がありますように。あなたに平和、あなたを助ける者に平和。あなたの神こそ、あなたを助ける者。」 ダビデは彼らを受け入れ、部隊の頭とした。… 毎日のように、ダビデを助ける者が加わり、ついに神の陣営のような大きな陣営ができた。』(歴代誌上12章17~23節 新共同訳)

 

サムエルが死んだ。

 

イスラエルの人々はみな集まって、彼のために悲しみ、彼の町ラマに葬った。

 

そのころ、ジフ人がギベアにいるサウルのもとに来て言った。

「ダビデは荒野の前にあるハキラの山に隠れています。」

 

サウルはダビデを捜すために、ハキラの山に陣を取った。

 

ダビデは荒野に留まっていたが、サウルが自分の後を追って荒野に来たとの情報を得た。

 

ダビデはサウルの陣地に行き、サウルと軍の長アブネルの寝場所を確認した。

 

その夜、ダビデとヨアブの甥アビシャイは、再びサウルの陣地に行った。

 

サウルは寝ており、その槍は枕元に突き刺してあった。アブネルと兵士らはその周囲に寝ていた。

 

ダビデはアビシャイ言った。

「主は生きておられる。主が彼を打つだろう。あるいは時が来て死ぬか、戦いで滅びるだろう。

 

主が油を注がれた者に、私が手をかけることを主は禁じられる。

 

今は枕元にある槍と水差しを取って、このまま立ち去ろう。」

 

誰も目を覚まさず、みな眠っていた。主が彼らを深く眠らされたからである。

 

ダビデは向こう側に渡って行って、遠く離れて山の頂に立ち、大声で叫んだ。

 

サウルはダビデの声だと気づいて言った。

「我が子ダビデよ。これはお前の声か。」

 

ダビデは言った。

「王よ。私の声です。」

 

ダビデはまた言った。

「王はどうして私の後を追われるのですか。

もし主があなたを動かして私の敵とされたのであれば、どうか主が供え物を受け取ってなだめられますように。

 

もし人があなたを動かして私の敵としたのであれば、その人が主の前に呪いを受けるように。なぜなら、彼らが王に『ほかの神々に仕えよ』と言って私を追い出し、主の嗣業(しぎょう)にあずかることができないようにしたからです。」

 

サウルは言った。

「私は罪を犯した。ダビデよ、帰って来なさい。今日お前は私の命を尊んでくれたゆえ、私は二度と危害を加えない。私は愚かなことをして非常な間違いをした。」

 

ダビデは答えた。

「主は人にその義と真実とに従って報いられます。

 

主が今日あなたを私の手に渡されたのに、私はあなたに手をかけることをしなかったのです。

 

私があなたの命を重んじたように、主が私の命を重んじて、あらゆる苦難から救い出してくださるように。」

 

サウルは言った。

「ダビデよ。お前は多くのことを成し遂げるだろう。」

 

こうしてダビデは自分の道を行き、サウルは自分の所へ帰った。

 

しかしダビデは思った。

「このままでは、いつかサウルの手にかかって滅ぼされるだろう。ペリシテの地に逃れるほかはない。そうすればサウルは捜すことをやめるに違いない。」

 

ダビデは共にいた600人と一緒に、ガトの王マオクの子アキシュのもとへ行った。

 

こうしてダビデと従者たちは各々その家族と共にガトに住んだ。

 

サウルはダビデがガトに逃れたと聞いて、もはや彼を捜さなかった。

 

注:ダビデがガトでペリシテ人に捕らえられたときにダビデが歌った詩は、詩編56編を参照。

 

ダビデがペリシテの国に住んだ期間は、1年4か月であった。

 

その頃、ペリシテがイスラエルと戦おうとして軍勢を集めた。

 

アキシュはダビデに言った。

「私と共にペリシテの軍勢に加わってほしい。」

 

「承知しました。この戦いであなたは僕(しもべ)の働きがおわかりになるでしょう。」

 

「よろしい。あなたを私の護衛長にしよう。」

 

ペリシテがシュネムに陣を敷いたので、サウルはギルボア山に陣を敷いた。

 

サウルはペリシテの軍勢を見て恐れおののいた。

 

サウルは主に伺いを立てたが、主は、夢によっても、預言者によっても彼に答えられなかった。 

 

サウルは家臣たちに言った。

「口寄せの女を捜し出すのだ。その女に尋ねよう。」

 

家臣は答えた。

「エンドルに口寄せの女がいます。」

 

そこでサウルは変装し、2人の従者を伴って、夜の間にその女の所に行った。

 

サウルは女に言った。

「口寄せの術を使ってサムエルを呼び起してほしい。」

 

女はサムエルを呼んだ。

 

そのとき女は大声で叫んでサウルに言った。

「どうして私を欺かれたのですか。あなたはサウル様ではありませんか。」 

 

王は言った。

「恐れることはない。何が見えるのだ。」

 

女は言った。

「神のよう人が地から上って来るのが見えます。老人で上着をまとっています。」

 

サウルは、その人がサムエルであるとわかり、その場にひれ伏して拝した。

 

サムエルはサウルに言った。

「なぜ私を呼び起して私を煩わすのか。」

 

サウルは言った。

「ペリシテが私に戦いを仕掛け、神は私を離れて預言者によっても夢によっても私に答えられないので、非常に悩んでいるのです。それで私の成すべきことを知るためにあなたを呼びました。」 

 

サムエルは言った。

「主があなたを離れてあなたの敵となられたのに、どうして私に問うのか。

 

主は王国をあなたの手から放して、あなたの隣人であるダビデに与えられた。

 

あなたは、主の声に聞き従わず、主の激しい怒りに従ってアマレク人を滅ぼさなかった。それゆえ主はこの日、あなたに対してこのようにされたのだ。

 

主はまた、イスラエルをも、あなたと共にペリシテの手に渡されるだろう。」

 

そのときサウルは地面に倒れてしまった。サムエルの言葉を非常に恐れたからである。そしてサウルは夜のうちにそこを去った。

 

ペリシテは軍勢をアフェクに集めた。

 

一方、イスラエルはエズレルにある泉の傍らに陣を敷いた。 

 

ペリシテの領主たちは百人隊・千人隊を率いて進み、ダビデはアキシュと共に最後尾にいた。 

 

そのときペリシテの領主たちが言った。

「これらのヘブライ人は何者だ。」

 

アキシュは答えた。

「サウルの僕だったダビデではないか。彼はこの1・2年 私と共にいるが、身を寄せて来た時から今日まで、私は彼に過ちを見たことがない。」

 

しかしペリシテの領主たちは怒って言った。

「この男を帰らせるべきだ。戦いのとき裏切るかもしれない。」

 

こうしてダビデと従者たちはペリシテの地へ引き返した。

 

ペリシテはイスラエルと戦った。

 

イスラエル兵はペリシテの前から逃げ、多くの者は傷ついてギルボア山に倒れた。 

 

ペリシテは攻め寄り、サウルの3人の息子ヨナタン・アビナダブ・マルキシュアを殺した。 

 

戦いは更に激しくなって、サウルはひどい傷を負った。 

 

サウルは彼の武器を持つ者に言った。

「剣で私を刺せ。さもないと、あの無割礼な者どもが私をなぶり殺しにするだろう。」

 

しかし、その者は非常に恐れてそれに応じなかったので、サウルは自分で剣を取ってその上に倒れた。

 

こうしてサウル・サウルの3人の息子たち・サウルの従者たちは全員、この日に死んだ。

 

翌日、ペリシテ人は戦死者から剥ぎ取るためにやって来た。

 

彼らは、サウルとその3人の息子たちが倒れているのを見つけると、サウルの首を切り落した。そしてペリシテの全地に人を遣わしてこのことを知らせた。

 

また彼らはサウルの鎧をアシュトレトの神殿に置き、彼の遺体を「ベト・シェアン」の城壁に釘付けにした。 

 

「ヤベシュ・ギレアデ」の住民たちはこのことを聞くと、サウルと彼の息子たちの遺体を城壁から取り降ろし、ヤベシュに持ち帰って火で焼き、遺骨をギョリュウの木の下に葬った。

 

注:次の聖句を参照。

『 サウルは、主に背いた罪のため、主の言葉を守らず、かえって口寄せに伺いを立てたために死んだ。彼は主に尋ねようとしなかったために、主は彼を殺し、王位をエッサイの子ダビデに渡された。』(歴代誌上10章13~14節 新共同訳)