おもしろかった本を紹介します。この本は、世界各国の国語の教科書に、どんな物語や詩が収録されているかを比較・分析しています。例をあげると…

🌺イギリスの国語の教科書にはユーモラスな詩が多く、代表的なものが「学校に行きたくない校長先生」の詩。
思わず吹き出してしまう面白い詩が満載のイギリスの国語教科書には、子供達が喜んで勉強したくなる工夫が感じられます。

🌺アメリカの教科書は、登場人物の人種に偏りが出ないよう細心の注意を払っています。
アフリカ系のキング牧師を始め、貧しいドイツ系移民から努力してメジャーリーグでMVPになったLou Gehrig選手の伝記、日系アメリカ人Allen Sayの短編も。古典的なトムソーヤーの冒険は、日本では英語の教科書に出てきますが、アメリカでは「人種的に偏っている」の理由で掲載されないそうです。

🌺フィンランドでは、国内外のバラエティに富む楽しい文学作品を教科書に入れ、読書が好きな子供達を育てることを目指しています。
イギリスとフィンランド、両方で子供達に人気な作品に、”Matilda”(Ronald Dahl)とNarnia seriesがあります。
Matildaは、可愛い7歳の天才少女が悪徳女性校長をやっつける、というコメディ小説。私も大人になってから読んで笑いましたが、
「生徒が先生を懲らしめる」という反体制派なお話が、学校の推薦図書になっめいるいるところに、イギリスとフィンランドの懐の広さを感じました(笑)


🌺先月読んだ新井紀子さんの著書で
「日本の中高の国語の教科書には、漱石の『こころ』や太宰の『走れメロス』が必ず載っており、悪いとは言わないが、新時代に向けて新しい文学を入れるなどの工夫がない」
と指摘されていました。同様に本書でも
「なぜ日本の小学校の教科書は、どれも全て『ごんぎつね』と『おおきなかぶ』が見られるのか。もっと教科書により個性があって良いのでは?」と。これは覚えておくべき問題点だと思いました。

🍀✨🍀✨
(私のあとがき)
私自身、「最新のニュース」という英語の教科書を作っています。それは「簡単な英語でニュースを書き直した教材が世の中にないから、自分で作ろう❗️」と考えたためです。
子供達には、世界の平和、政治経済、文化、科学など、「世界はこんなに面白い出来事が起こってるよ😃あなたはどう思う❓」と問いかけ、リラックスした雰囲気の中で意見交換ができる授業を目指しています。
ロシアやタイ、お隣の韓国や中国の教科書事情も書かれており、各国の教科書作りの工夫を興味深く読みながら、自分もノウハウを盗んで工夫するぞ❗️と誓いました。