小学生のある年
母と二人暮らしが始まりました


貧乏でした

徐々に友達が離れていきました



絵の具が買えず友達に借りる、
習字の半紙と墨汁が買えなくて友達に借りる、
消ゴムが買えなくて友達に借りる、

鉛筆が買えなくて
落とし物箱から盗り自分の物だと言い張る、

水着が小さくて嘘を吐いて授業を休む、


友達が離れていく理由には十分でした。



それでも母には知られたくなかったのです。
母を悲しませたくはなかったから。

『今日の学校はどうだった?』

そう母から聞かれるのが嬉しかったのです。


私は母に喜んでほしくて
毎日嘘のおとぎ話を話していたのです。


『100m走一位だったよ!』
『○○ちゃんと昼休み遊んだよ!』
『先生にほめられたよ!』
『放課後○○ちゃんと遊んできたよ!』