このブログでは、「薬屋のひとりごと」3巻に対する感想を書いています。

まだ2巻の感想を未読の方は、

「薬屋のひとりごと 2巻 前編」へ。

ネタバレ注意です。

 

 

さて!3巻では、2巻で起こった園遊会での、毒入りスープ事件のマオマオの推理から始まります。

 

事件から一夜明けて、壬氏の部下でもある高順(ガオジュン)が、毒入りスープを、器もそのままにマオマオの元へ持ってきました。

つまり何か調べろってことね。

高順が器には手を触れていないことを確認してから、綿と粉と筆を準備するマオマオ。

そして綿に粉を付けて器に軽く粉をはたき、筆で余分な粉を落としていくと…

そこには、4人分の指紋が残されていました。

(刑事ドラマで鑑識の人が指紋をとるのとほぼ同じやり方だね)

 

4人のうち3人は、スープをよそった人、配膳した人、毒見役。

残る1人が恐らく、毒を混ぜた犯人。

 

高順は、犯人や他の者が器に触れたのはともかく、なぜ毒見役まで器に触れたのだろうか、とマオマオに疑問を投げかけます。

 

(それは…毒見役の侍女が…わざと膳を入れ替えて…魚介類アレルギーの里樹妃に嫌がらせをするためです…。)

それをかばうために、昨日はあえて遠回しに注意した(脅した)というのに、マオマオの努力は水の泡。

 

嫌がらせとは言え、入れ替えたお陰でマオマオが毒を発見できて、玉葉妃に被害はなく、里樹妃も命拾いしたわけです。

結果オーライってことに…ならないか。

 

なぜ昨日、里樹妃の侍女をかばうような事をしたのか、と高順に聞かれたマオマオは、どこか悲し気な、それでいて全てを諦めたような目をして答えます。

「侍女の命など 妃に比べたら軽くたやすいものです」

「ましてや 毒見役の命ともなれば」

 

それはつまり、マオマオ自身も、自分の命などたやすいものである、と知っているという事…。

 

ほーんとマオマオって、時々こうして冷めてるというか、悟っているというか…

でも実際、この後宮においての侍女の立場なんてそんなもんなのよね。

死のうがどうなろうが、代替えの利く存在。それを誰よりも分かっているのは、侍女たち自身なのです。

 

その答えを聞いた高順は何も返すことができず…。

 

上司である壬氏にはマオマオの思いを汲んで、うまく説明してくれました。

侍女はお咎めなしになりそうですね。

 

毒入りスープの犯人は、恐らく内部の者。だけど、誰なのかは分からず。

考えなければならない仕事が山積みの壬氏はうんざり&ぐったり。

 

高順と壬氏、二人きりでの会話で気になったのは、高順の

「隠れていたのでご身分に気付く者はいないかと」

というセリフ。

壬氏の…「ご身分」?

つまり壬氏は、ただの宦官ではないってこと…よね?

 

だよねーだよねー絶対に実は身分高い系の人だよねー知ってた。

 

高順は壬氏が生まれた時から面倒を見ていたみたいだし、その高順は園遊会でわりと身分の高い位置に座っていたことからも、壬氏はさらに身分が高いとうかがえる。

 

…ま、それはのちのち明かされることでしょう。


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