ベッドタイム・リーティング-大図

今は地方でもなんでも手に入って不便はありませんが、やっぱり演劇などは東京一極集中ですね。
と、いうわけで、転勤中は見れなかったBQMAP。久しぶりに見に行ってきました。

『大図~月から江戸まで八百歩』


 主人公は間宮林蔵。幕府の隠密ながら薩摩藩からも金を受け取り、伊能忠敬の蝦夷測量に同行することになった。
 測量を続ける伊能忠敬(前田剛)と幕府隠密の助さん、格さん、おきんと林蔵一行の行く先々に表れる、薩摩藩の落ちこぼれ隠密4人組、吉原遊女たち。
 倒幕を狙う薩摩藩主・島津斉彬。領土拡大を狙うロシア女帝・エカテリーナ2世。伊能大図を狙う思惑が交差する中、測量は進み、大図は完成していく……。

 江戸時代後期あたりから日本史の知識がうろ覚えレベルになってくるわけですが、間宮海峡の間宮林蔵が伊能忠敬に教えを受けたとは知りませんでした。家に帰ってからネットで検索して史実と知ってびっくりです。(知ってる人にはごめんなさいな感想)
 日本図を作成した伊能忠敬は社会化で必ず習うので、基本的に日本人なら誰でも知ってるでしょう。
 前に見たカモンクロフネもそうですが、BQMAPは史実をベースに、すごくいいウソをついてくれるところが好き。
 しかし、伊能忠敬役の前田さんが舞台からマイク片手に
「こんにちは、伊能忠敬です。聞いてください、『地図と測量と私』……」
 と、出てきた時には。
 いつもスコアがいいなー、と、思ってるBQ。今回は歌って踊る20周年記念公演でした。
 『何もいえなくて、エゾ』と同じように、部屋とYシャツ的な替え歌かと思ったら、オリジナル曲でした。結構いい歌なのがずるいです。
 コロボックルズも薩摩藩ズもみんなみんな歌う歌う。その分、アクションは控えめでしたが、これはこれで楽しかったです。
 前田さんも知桐さんもいつもながら楽しい。客演の関戸博一さんの林ちゃんも、ちょっとチャラい感じがよいし、竹内さんの蟋蟀はかわいくて、こんな子だったら転がされちゃっても仕方ないなあ、って納得でした。
 そういや、花魁達はボンテージっぽい黒のボティスーツにキモノを羽織る衣装で、悪そうなのに可愛という。

 おかしくて楽しいのに、やっぱり最後はちょっぴり切ない、BQの匙加減が絶妙です。
 まだ公演日も残っているので、興味ある方はぜひ。



2011年5月4日(水・祝)~8日(日)@シアターサンモール

作:演出・美術奥村直義

出演:前田 剛・栂村年宣・矢部 亮・立花拓也竹内順子・高瀬郁子・丘崎 杏・知桐京子・土屋真由美・明神杏奈伊達康浩・山井克馬・伊藤菜実子・雄賀多あや・齋藤智美・嶋田あきえ 関戸博一(Studio Life)・篠崎高志(POOL-5)・下崎紘史(尾木プロ THE NEXT)