「我が母」という人 50 「母の愛」という美辞の名のもとに 趣味は支配とコントロール ⑫ | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

 

 

 

  母自慢の「私の」娘が帰省する時の「指令」は当然「高齢者マンション」に引っ越してからも続いた。

 

 

  いや、日常的な「周囲の目」が多くなったことで母のそうした「嗜癖」がより露骨になって行った、と言ってもいい。

 

 

 

  御土産の話からは少し離れるが、「指令」で受け取る「誕生日」「母の日」「敬老の日」などのカードも、母にとっては『自慢のネタ』以上でも以下でもなかった。

 

  (自分の「命令」で受け取ったモノが嬉しいのか?というのは母には当てはまらない。とにかく「自分の思った通り」が最高なのだから!)

 

 

  「高齢者マンション」に居た期間、後半は週に一回ディサービスに通っていたのだが、朝、その送迎バスに乗る為に玄関に待つ時に集合ポストをチェックする。

 

  普段は「ちらし」が殆どらしいのだが、そこに私からの「カード」が入っていると?

 

 

 実話① 

 

  そのまま持ってディサービスに行き、皆が集まった頃に開封。

 

 

  「ま~っ! 素敵~っ!!」

 

 

  …と、自称「普段は大人しい」人がいきなり必要以上に大声で叫び、周囲の人達が集まって来た所で『おとぎ話』。

 

 

 

 実話②

 

  私のカードが入っているのを横目で確認したまま送迎バスへ。

 

  帰宅時、お気に入りの係員さんに

 

  「腰が痛くて

 

  体が伸ばせない」

 

   …と言い出し

   (注;母の背中は最近では珍しい程の「日本昔話」だが、痛い訳ではない)

 

  「ポストに

 

  郵便物が入ってるかどうか、

 

  私の為に見てくれ」

 

 

  …と頼み、その係員さんが

 

 

  「まあっ!

 

  ガイコクから来てるよっ!

 

  …と驚いたのを確認した上で、一しきり『おとぎ話』。

 

 (注;係員さんが「自分の思い通り」に驚かないとその時点で「嫌いな係員」となる)

 

 

 

  全く、書いているこっちの方が恥ずかしくなるような話だが、それまで自慢だった「名誉職」(何度も言いますが『母の視点で』です、ハイ)というダケの自分の思い通りにならない娘よりも、傍に居ない

 

 

  『外国(それもエゲレス!)に居る娘』

 

 

  …の方が相手のリアクションも良く、故に幾らでも『おとぎ話』が出来るということなんだろう。

 

 

 

  そう、「私が」自慢出来ない娘など、アノ人には必要ないのだから……!