【易經】坎と離 易經の構図から知る「火と水」の深い関係 | Rioの星詠み航海日誌
本日は易經での「火と水」の
深い関係をご紹介いたします。
興味をもったのは
易卦の水 ２９坎為水の上六（六爻）
易卦の火 ３０離為火の上九（六爻）
火卦と水卦の極点の卦が出たことからでした。
火と水は並んでいる。。つまり錯卦です。
意味はどんな関係になっているのでしょうか？？
知ってみると易經の深い世界。
易經の火水は
生活の火や水の話しではないのです。
習坎（しゅうかん）
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習坎、有孚。維（これ）心亨。行有尚。卦辞
習坎は心亨る。行けば尚(尊ぶ)ことあり。
孚まことあれば重なる険難も必ず成功する
重なる険難の対処の道が
爻辞となっている卦です。
29坎為水上六
習坎の極地は
上六は徽纆きぼく(太縄)で縛られ、
叢棘そうきょく(いばら藪)に置かれ
三年出られず！道を失う。凶。
習坎上六渙之
上爻の変卦は渙の散る
九五の献身努力と相待って渙となり
失道は解消される。安岡正篤
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水は易卦で習坎
習は重ねる。
坎は陥で落し穴、度を過ぎ陥る。
故に28番の大過卦に次ぐ。険阻重ね習坎。
坎と坎の重卦で坎為水。
坎為水は習坎と呼ばれます。
重坎でなく習坎。
人生は険難の連続である。
坎は困難と共に歩く道を説いています。
習はひよどりが何度も
飛ぶ稽古する姿で重ねる。
坎為水は、昼夜水水の象。
君子は卦に象どり
自己の徳行を片時も忘れぬよう
重ねて訓練し人を教える仕事で
何度も繰り返し習熟した。
自己も人も習熟こそ習坎、
習慣が身につき安心できる。
習坎は習熟の習慣化。
坎卦は二つの陰爻虚の中に
ひとつの陽爻。
陽実で孚（まこと）あり、心享る。
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苦労は人を深くし
新たな勇気や力を生じさせる。
信を失わずに努力していけば
他人より敬重される。
険は国を守る手段ともなり
時義が微妙なものである。
艱難は汝を玉にする。
憂きことのなお、この上に積もれかし
限りある身の力ためさむ。安岡正篤
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深いですね～
重離（ちょうり）
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王用いて出でて征す。嘉きこと有り。
首を折(くじ)き、その醜(類)いに
匪(あら)ざるを獲。咎無し。卦辞
王が出征しめでたいこと有り。
敵首魁を誅し敵対する者捕虜とする。咎はない。
離上九
剛毅聡明の徳が果断にして遠くまで及ぶ。
刑罰は妄りに用いず残虐刑しなければ災禍なし。
象伝曰く、武力を用いるのは国を正す為にのみ
許容される。(清王夫之)
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火は易卦で重離
離火は日(日輪)、明、麗。
麗は附著、離れるの反対です。
日月は天、草木は地と
正しい相手に著(つ)き
知を明らかにし風俗を完成す。
正しく麗（つ）くことで
教養文明や文化活動が発展する。
離卦は理性。
上爻の離の極は、
理性の敵、文明亡す敵を征し國を正す。
つまらぬ醜類(仲間)は問題するに足らず。
寛大に化してゆけば咎はない。
安岡正篤
易經の火水
坎水は習坎で、離火は重離。
習坎は、重なる険難のこと。
重険を乗り切る習熟の習慣化。
重離は、太陽は今日も明日も
明を継いで変わらず昇る重明。
水と火
易卦での水と火は
坎と離でペアの錯卦になります。
意味は重険と重明であり
陥（おちいる）と麗（つく）
易經64卦の中で
習坎は29番目、重離は30番目で
上經の終わりに位置しています。
水が火の前にあり
火が上經の最後です。
火水の卦のある位置が絶妙なのです！！
卦辞、爻辞が書かれ
彖伝や象伝などの伝と分けています。
上經は30卦で下經は34卦
上經の最後は
29番習坎と30番重離の錯卦です。
下經の最後は有名な、
63番水火既済と64番火水未済です。
卦をみると
上經も下經、いずれも
水と火の卦で終わっているのです。
はじまりはどうでしょう。
下經の初卦、「咸」卦の序卦伝には
離為火との繋がりが書かれていない
ということご存知でしょうか？
つまり序卦伝の作者は
上經と下卦の概念を予め構想して
「咸」の卦を意図的に
下經の始めに置いたということです。
八卦を重ねた六十四卦は誰か？
は諸説あるようですが
伏義六十四卦は卦辞爻辞の
ずっと以前にあったのです。
易經は
錯卦の連続に並び替えて卦辞爻辞を加え
經と「十翼」などの伝に分かれています。
易經のならびその全体図をみると
本当に神秘的なんです！！
全体の構図を描いてみました！
易經、上經下經の始まりの二卦
上經最初の２卦は
１番目が乾為天、2番目が坤為地
乾為天の意味は父なる「天」で健（すこやか）
坤為地の意味は母なる「地」で順（したがう）
下經の最初は
31番目で沢山咸、32番目が雷風恒です。
沢山咸の意味は「感応」夫婦の交わり
雷風恒の意味は「永遠」恒常です。
上經は、
天地の感応 に始まり
習坎重離、険明で終わる
下經は、
感応が永遠に次ぎで始まり
有終に次ぎ無終。
終わって始まる
…乾為天に次ぐ。
ある意味
タロットカードの
運命の輪でおわり
世界におわり始まる
愚者の旅に似ています。
上經の最初と最後の
１と２ ２９と３０のペアの
陰陽も絶妙なんです。
乾乾（剛陽） 坤坤（柔陰）
坎坎（険陰） 離離（明陽）
いずれも重なる卦は
陰陽、偏って比和する
４つの卦で構成されている。
下經始まりの二卦
３１と３２のペアは
咸(沢山)で兌（剛陽）と艮（柔陰）
恒(雷風)で震（剛陽）と巽（柔陰）
咸は陽卦と陰卦で重なり
恒は陰卦と陽卦が重なる。
陰陽ペア、正で相生している
４つの卦で構成される。
上經の始まりと終わりは
乾と坤 ・ 坎と離
下經の始まりは
兌と艮 ・ 震と巽
これは…
ハ卦だけの卦でもあります❗️
この錯卦の八卦ペアを
乾と坤（縦）・ 坎と離（横）
兌と艮（乾離と坤坎）
震と巽（乾坎と離坤）
並べると。。
伏義の先天方位図ですね‼️
↓↓↓
易經 水火の流れ
６４卦の最後
下經の終わりの２卦は
６３水火既済
６４火水未済
どちらも火と水の卦で終わるのです。
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上經は
天地、天の感応ではじまり
習坎水と重離火の２卦で終わり
下經につづく
下經は
咸、地の感応ではじまり
水火既済と火水未済の２卦で終わり
上經につづく
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火水未済は無終、未完の意
終わって始まる「終わりなき旅」の卦。
乾坤の天地感応へと続くのです。
易經での火と水
上經の終わりと
下經の終わりに置かれた
特別なハ卦なのでした。
その他の離と坎
１）伏儀先天図と文王後天図
易の成り立ちで紹介した
伏儀の先天卦は
乾坤の天地あって
離火と坎水が地の東西
日出ずる東と 夜始まる西
に座しています。
文王の後天卦では
五行の思想も入って
震巽が木気、兌乾は金気
離と坎は南北で向き合っています。
離は正午の夏 坎は正子の冬
丑寅の艮山と
未申の坤地は土用の土気
２）韓国の国旗 での火と水
離卦と坎卦は
太極旗では
左側が乾天と離火
右側が坎水と坤地
離火と坎水が北東と西南で向き合っています。
白が陽 黒が陰とされています。
陽動が離卦 陰静が坎卦 です。
太極図には…
乾道成男 坤道成女 の陰陽道を通って
感応から萬物化生（万物創造）
として描かれています。
４）八字推命での火と水
八卦の占いは周易
八字の占いは四柱推命です。
四柱推命の十干では
陽火が「丙」陰水が「癸」です。
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五陰皆陰癸為至。
五陰は癸を至りと為す。
五陽皆陽丙為最
五陽は丙を最と為す。
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滴天髄の「通天論」
最後の２行にあった文言は
丙と癸が挙げられおり
五陽は皆陽で丙を最となし
五陰は皆陰で癸を至りとなす。
最の丙 至の癸 とされ
この二つの干は
十干の中の陰陽の極みとされます。
また四柱推命の看法
干合の変化の火と水は
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水気は 丙（太陽）と辛銀（月）に
水の月令から生じます。
火気は 戊（山）と癸（極陰）に
火の月令から生じます。
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何とも不思議な組み合わせですね。
なぜ丙と辛が水に変化するのか？
諸説あります。
「緑玉板」の図
錬金術の奥義
完全なる世界への道標
エメラルドタブレットの
裏側に彫られていたと言われる図盤
太陽と月から溢れだした光は
水星に吸い込まれている✨
四元素の世界では
太陽（金）のアポロンと
月（銀）のアルテミスから
水星（水銀）＝メリクリウスが生まれます。
えええ！！
丙太陽と辛月から水星が生まれる！
一緒なんです！！
実に神秘ですね。
五行の四柱と 四大の錬金術は
西洋での四元素でも
火と水は特別という話。
この探究もめちゃくちゃ神秘なんです！！
どういうことでしょうか？
あまりに長くなったので
またの機会にご紹介します。
学びに感謝して。
更新20230301
