空き家対策(荒唐無稽ですが) | 治大国若烹小鮮 おがた林太郎ブログ

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前衆議院議員おがた林太郎が、日々の思いを徒然なるままに書き綴ります。題は「大国を治むるは小鮮を烹るがごとし」と読みます。


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 3年半くらい前に「真面目に荒唐無稽」というエントリーを書きました。空き家問題についてでして、当時から深刻な問題意識を持っていました。2期目の現職の時に取り組めなかったのは、私の能力不足なんだろうと反省しています。

 

 最近、少し自由な身から地元を回っていると、空き家の問題は深刻化する一方だと気付かされます。我が北九州市はかつて最高107万人まで人口が増えましたが、現在は95万人を少し切り、2040年には78.5万人だと推計されています。12万人(107-95)の人口が減るだけでとてつもない重圧が社会全体に掛かってます。これから更に16.5万人(95-78.5)減ってしまう時の世の中は、まだ私には想像できません。

 

 その中でやはり「空き家」が気になります。国、地方自治体で色々な取り組みをしているのは知っていますが、覿面に効果が出ているようには見えません。固定資産税の減免措置(家屋が立っている方が固定資産税が減免される)が影響している事はよく知っていますが、最近、それよりも気になっているのが「権利関係の複雑化」です。色々なケースを聞いていても、金銭面(税、解体費用、補助)より、こちらの方が障壁になっているような印象を持っています。

 

 特に法定相続を通じて、権利が分散されていく今の民法の仕組みの中では、遺言を書かないまま法定相続に委ねて2代くらい経てしまうと、とある物件に対する権利者の数がとてつもなく多くなります。知り合いの行政書士の方と話していると、「とある土地を売却するのに、権利を有する30名の方からハンコを貰わなくてはならなかった。その内、お一人は外国在住で大変だった。ハンコ貰うのに4ヶ月掛かった。」という事を聞きました。自分自身を振り返っても、両親の親族まで考えを巡らせると「全く意識していない権利が自分に帰属しているかも。」と思う事があります(正直、分かりません)。

 

 つくづく「遺言を書くのはとても大事だ。」と思います。ただ、法定相続に委ねられる部分はこれからも多くあるでしょう。それによって権利関係が分散化、複雑化するのに対応しないと、これから団塊の世代が75歳を超えてくる中、日本全体に「手が付けられない(付けようとすると膨大な事務作業が必要になる)」土地が増えていくという事になります。

 

 例えば、とても雑なのですが、こんな事は考えられないのかなと思います(とても雑なので、あまり細かく詰めないでください。)。

 

① 権利者のすべて又は一部が直ちに判明しない土地については、当該権利者を一生懸命探したことが証明できる一定の手続きを経れば、その土地を売却しても構わない。

② ただし、それによって得られた利益の内、判明しなかった権利者分は一定期間供託しておく。

③ 判明しなかった権利者が爾後、現れた時には、その方の権利分をお渡しする。

 

 つまり、法定相続を通じて権利関係が分散化、複雑化した物件について、出来るだけ簡易化された形でそれを処理する事が出来るようにしてはどうかという事です(それ以上の意図はありません)。これが憲法に規定のある財産権や、民法上の所有権等に引っ掛かる恐れがある事はよく承知しています。普通に考えれば荒唐無稽でしょう。しかし、空き家問題に本当に取り組むのであれば、憲法や民法に若干チャレンジしてでも「権利関係の整理の簡素化、迅速化」をしないとダメだと思います。

 

 こういうアプローチは多分、お役所からは出て来ません。民法、ひいては憲法に若干のチャレンジをするような法律が閣法(内閣提出法案)で出てくる事はないでしょう。平成26年に「空き家対策特別措置法」が成立しました。極めて状況の悪い空き家については、最終的な行政代執行までをも含めた措置を可能とする法律ですが、これは議員立法です。経緯はよく知りませんが、講ずる事が出来る措置が強いため、役所側が閣法でやるのを嫌がったんじゃないかなと思います。それと同じでして、個人の持つ財産権にチャレンジするような法律は国会側が議員立法を通じてリスクを負う必要があります。

 

 例は良くないかもしれませんが、似たようなケースが最近ありました。「IR法案」、いわゆるカジノ法案です。あれは刑法上の賭博罪の例外をもう一つ作る案件なので、役所側がキックオフをする事を嫌がりました。なので、まず議員立法で国会が役所に対して「IR法を作れ」と指示を出し、それを受けて今、役所がIR実施法を作るという二段階方式で立法手続きを進めています。役所側からすると「自分達がやりたくてやっているのではなく、国会の意思として指示を受けたのでやっています。」というかたちにして、カジノを作る事そのものの様々なリスクは議員が負っています。

 

 私が上記で書いたような案は、相続や借地借家制度まで絡むので、議員立法ですべてを規定するのは無理でしょう。なので、IR法案と同じように、コアな部分だけを議員立法に書いて、「こういう法制度を整えてくれ。」と役所側に指示を出すかたちで良いと思います。その役所が作る実施法が仮に裁判所で「違憲立法」とされたとしても、そのリスクは役所ではなく国会が負うという事です。

 

 「荒唐無稽」だと私も思います。しかし、今の制度を前提にする限り、とんでもない空き家を皆で見ながら「どうにかしなきゃいけないんだけど、すべての権利者が見つからないんだよね…。」と慨嘆しながら諦める構図が全国で繰り広げられます。少なくとも北九州市で見ている限り、法律や規制を言い訳にして放っておいていいレベルを遥かに超えているよなと思います。

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