本当にいつもG8サミットなるものを見ていると、日本だけが突出してお祭り騒ぎをやるので不思議でなりません。マスコミの方も大挙していきますし、外務、財務以外の官庁からも結構なお偉いさんが行きます(今は変わっているかもしれませんけど)。今度、外務省に「代表団リスト出してください」とお願いしてみようかと思います。外務、財務(と今回ならば経済産業)以外の役所はあまり出番もなくて、最終日の朝に総理が内政懇をやる際のサポート係みたいなくだらない用務でやってきます。


 総じて代表団の数が多いのは、まずはアメリカですけども、次は日本です。EUの国の首脳は頻繁に行き来しているので、こういう時の動きはとてもスリムです。何故、日本が代表団が多いかというと「もしも」に備えるために人が増えるのです。これはとても分かりやすくて、「もし、こんなことが起こった時のために人を貼り付けよう」ということがあちこちで生ずれば、実際のパフォーマンスとは関係なく、現場にいなくてはならないスタッフの数は増えていくのです。まあ、かくいう私も前回のエヴィアン・サミットの際はその手の「役に全く立たないけども、何となくその場にいた」要員ではありましたが・・・。


 フランスのメディア関係をGoogleで拾ってみると、今回、一番焦点が当ったというか、よくヒットした言葉は「printemps arabe(アラブの春)」でした。チュニジア、エジプト、イエメン・・・といった国々の民主化の影響の方が少なくともメディアの関心は大きかったです。日本から見ていると「フクシマ」だろうと思われるでしょうが、世界的にはそうではなかったようです。私はドイツ語を殆ど理解しませんが、ドイツでは「心なしか、原子力関係がフランスよりは多い」くらいかと思いました。イギリスに至っては「そもそも記事の量が少ない」という感じでした。


 何となく想像がつきそうな話ではありましたが、やっぱり彼らにとって日本の問題は「あまり関係ない」と思っているのでしょう。まあ、我々にとって「アラブの春」が縁遠いのと同じことです。欧州にとっては、アラブの民主化はそのまま内政に撥ね返るネタですから、そこを嘆いても仕方ありません。欧州にとって日本は「極東(英:far east、仏:extreme orient)」なんですね、日本にとって欧州が「極西(私の造語)」であるように。ちなみにフランス語では結構平気で「extreme orient」という言葉を使うので、私はいつも欧州を指す時に「extreme occident(極西の仏訳)」と言ってあげるようにしていました。


 何となく日本国内の世論を見ていると、世界は日本に注目をしているように見えます。それはそれで正しいです。ただ、日本人が思っているほど最大の注目をされているわけではないということです。その相場観をきちんと持つことが必要です。