
犬たちに「捨てられた」という概念は無いだろうから、きっと目の前から突然家族がいなくなった事に戸惑う事しかできないと思う。
凛がうちの子になって6年はとうに過ぎてるけど、凛が来たころ生まれてから死ぬまで育てるのはごくごく当たり前のことで、こんな事あえて考えたりすることはなかった。
ネットを通じて仲良くなったシェパ友たちの何人かは、保護犬シェパを家族に迎えてる。
みんな本当に良い子ばかりで、どうして家族を失ったのか不思議でならない子たちばかり。
それこそ凛なんて、私じゃなかったら生後数か月でセンター行きだよ・・・とマジで思ったりして。
そんな我が家(てか、黎ちん宅)で、一昨年から去年にかけて4頭の保護犬がいた。
1頭目
呼び名 カイ(雑種)
猟犬と思われる風貌で、ある日突然近所の藪に住み始めた。
攻撃性はまったく無いが警戒心が強く素人の私たちには、なかなか捕まらなかった。
もしかしたら捨てられた場所で、飼い主が迎えに来るのをずっと待っていたのかもしれない。
1カ月後にしてようやく動物愛護センターに捕獲してもらい1週間後譲り受けた。
その後、かかりつけ獣医の紹介で飼い主がみつかり、今は安穏な家庭犬として暮らしている。
今の名前は雷蔵くん。
毎日お父さんお母さんと一緒に1日の大半を散歩してるらしい・・・
2頭目
ポン太(雑種)
かなり老犬で、被毛がフェルト状で更に雑巾化したものをたくさんぶら下げて彷徨っていたところを息子が見つけ、国道に飛び出す直前に捕獲。
爪が伸びすぎその為指が変形していて、背骨もS字に曲がっていた。
たぶん狭いところにずっと入れられていたのかもしれない・・・・・
半年を過ぎたころには背骨の変形も大分矯正され、被毛もフワフワになり見違えるくらい若返った。
その後、目を離したスキに逃げ出した・・・・・きっとさすらいの男だったのかもしれない。
と思ったが、市内の民家で保護されているのを確認。
老後をノンビリと過ごしている。
4頭目(黒ラブ)
葉月
娘の友人宅で飼われていたが、引っ越しの為里親を探しているが見つからないと引っ越し2日前に相談された。
とりあえず2カ月間だけという約束で預かったが、6才にもなる成犬の里親が簡単に見つかるはずもなく、結局2カ月後元の飼い主に引き取られる。
しかし預かり期間中相談に乗ってもらっていたラブ専門のレスキュー団体が縁を結んでくれた。
今は大阪で室内犬お嬢様として暮らしいる。
そしてポン太&葉月とダブって、1年1カ月生活を共にした3頭目
呼び名 凪(キャバリア)
息子の元カノ宅で徹底的に我儘に育てられ、放棄された。
無駄吠えがうるさい、言う事をきかない牙を剥く、存在がストレスになるとの何たる身勝手な人間の言い分から、子犬の時から6年間一緒に暮らした家族から捨てられた。
凪は・・・・・・・生涯我が家で暮していくんだろうな、と私も黎ママも内心思っていた。
問題行動だらけで、静かだった我が家の犬生活を一変させた凪。
だけど1年1カ月経った去年の12月24日クリスマスイブ、凪の元へサンタが来た。
新しい家族は、お父さんとお母さんと先住犬のコッカー。
新しい名前はナギー
凪が来た日の事を今でも鮮明に覚えているよ。
突然知らない車に乗せられて、知らないところに連れて来られて、どうして良いかわからなかったよね。
要求吠えをする事で、自分をアピールしてた。
ここは自分の家じゃないって、凪もわかってたから。
来た当初は運動が苦手だったのに、頑張ってダイエットして高い塀もジャンプできるようになった。
どら焼き盗み食い事件・・・・・伝説だよ。
雷と花火は大嫌いで、ガタガタ震えてパニックになるんだよね。
凪が新しい家族の元で暮して半年。
残りの生涯、凪を本当に愛してくれる家族と共に。
幸せに・・・・・と、心から思う。
写真は先日初めて凪の家に遊びに行った時のもの
(お母さんが凪を見つめる、何とも言えない愛情に満ちた表情をお見せできないのが残念☆)